相続税評価額とは?財産ごとの評価方法と調べ方・時価との違い

相続税評価額の出し方と調べ方を解説する記事のアイキャッチ

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相続税がかかるか調べようとして、『実家の土地って、いくらで計算すればいいの?売れる値段?』と手が止まっている方も多いはずです。

結論から言うと、相続税は「相続税評価額」という、決められたルールで出した財産の値段で計算します。土地は路線価、建物は固定資産税評価額、上場株式は終値など、財産ごとに評価方法が決まっているんです。

この記事を読めば、財産ごとの相続税評価額の出し方と調べ方、時価との違いが分かり、自分の家に相続税がかかりそうかの見当がつきます。

目次

相続税評価額とは?

先に結論
  • 相続税評価額とは、相続税を計算する時に使う、財産ごとの値段のことです。
  • 土地は路線価方式か倍率方式、建物は固定資産税評価額で評価します。
  • 預貯金は相続開始日の残高、上場株式は終値や月平均のうち最も低い価格です。
  • 評価額の合計が基礎控除(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超えると、相続税の申告が必要です。

相続税評価額は、相続評価額や課税評価額と呼ばれることもあります。売ったらいくらになるかではなく、国税庁が決めた評価のルールで出す金額です。

例えば、同じ土地でも、買う人によって売れる値段は変わりますよね。それでは公平に税金を計算できないので、誰が計算しても同じ金額になるように、財産ごとの評価方法が決められているんです。

相続税の仕組み全体は相続税とはで紹介しています。

財産ごとの評価方法

主な財産の評価方法は、次のとおりです。

財産相続税評価額の出し方
土地(市街地)路線価方式(路線価 × 面積を基本に補正)
土地(それ以外)倍率方式(固定資産税評価額 × 倍率)
建物(自宅)固定資産税評価額
貸家固定資産税評価額から借家権割合(30%)× 賃貸割合を差し引く
上場株式相続開始日の終値、その月・前月・前々月の終値平均のうち最も低い価格
非上場株式類似業種比準方式・純資産価額方式・配当還元方式
預貯金相続開始日の残高(定期預金は既経過利息を加算)
財産の種類ごとに相続税評価額の出し方を示した図解

土地の評価

土地は、市街地なら路線価方式、それ以外は倍率方式で評価します。路線価は、道路ごとに決められた1㎡あたりの価格で、国税庁が毎年7月1日に公表しています(1月1日時点の価格)。

路線価方式では、土地の形や道路との接し方に応じて補正をかけます。細長い土地や、角地などで金額が変わるんです。詳しい計算は土地の相続税評価額の調べ方で紹介しています。

建物とマンションの評価

自宅の建物は、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額になります。人に貸している建物は、借家権割合(30%)× 賃貸割合を差し引いて評価します。

居住用の区分所有マンションは、2024年1月1日以降の相続・贈与から、新しい評価方法が使われています。以前の計算と金額が変わることがあるので、マンションがある場合は最新のルールで確かめておきましょう。

預貯金・株式の評価

預貯金は、亡くなった日の残高です。家族の名義になっていても、実際は亡くなった人のお金だった「名義預金」は、亡くなった人の財産として数えます。

『子ども名義の口座だから関係ないよね?』と思いがちですよね。ただ、通帳や印鑑を亡くなった人が管理していた場合は、名義預金と見られることがあるんです。

相続税評価額の調べ方

自分で相続税評価額を調べる時は、次の資料を使います。

相続税評価額を調べる時に使う資料
  • 固定資産税の課税明細書(毎年届く納税通知書に同封)
  • 市区町村の名寄帳(その人が持っている不動産の一覧)
  • 国税庁のサイトで公開されている路線価図・評価倍率表
  • 預金の残高証明書(亡くなった日の残高)
  • 証券会社の残高証明書や取引の報告書

土地なら、課税明細書で面積と固定資産税評価額を確かめ、路線価図でその道路の価格を調べます。路線価が付いていない地域は、評価倍率表の倍率を固定資産税評価額にかけます。

例えば、こんなやり取りが家族の間で出ることもあります。

「固定資産税の明細に評価額が書いてあるけど、これで相続税を計算すればいいの?」
「建物はそれでいいけど、土地は路線価で計算し直すみたいだよ」

評価額と課税標準額の違い

課税明細書には、評価額と課税標準額の2つが並んでいることがあります。『どっちを使えばいいの?』と迷いますよね。

相続税で使うのは「評価額(固定資産税評価額)」のほうです。課税標準額は、固定資産税を計算するために特例などで調整した金額なので、相続税の計算には使いません。

相続税評価額の計算例

例えば、夫が亡くなり、妻と子2人が相続するケースで考えてみましょう。

  • 自宅の土地:路線価20万円 × 150㎡ = 3,000万円(補正なしとした場合)
  • 自宅の建物:固定資産税評価額 800万円
  • 預貯金:1,500万円

相続税評価額の合計は、3,000万円 + 800万円 + 1,500万円 = 5,300万円です。相続人は3人なので、基礎控除は 3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円。評価額の合計が基礎控除を500万円上回ります。

ここで、妻が自宅の土地を相続し、小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等・330㎡まで80%減額)を使えるとします。土地の評価額は 3,000万円 × 20% = 600万円になり、合計は 600万円 + 800万円 + 1,500万円 = 2,900万円です。

基礎控除を下回るので相続税は0円になります。ただし、この特例を使うには申告が必要です。要件を満たすかは税理士に確認しておきましょう。特例の詳しい内容は小規模宅地等の特例とはで紹介しています。

土地の形や貸している部分があると評価額が変わり、特例の要件も細かく決まっています。自分で計算してみて基礎控除に近い、土地が複数ある、という場合は、税理士に評価を見てもらうと安心です。

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相続税評価額と時価の違い

時価は、実際に売り買いされる値段です。相続税評価額は、評価のルールで出した値段なので、時価と同じとは限りません。

土地の路線価は、実際の売買価格より低くなることが多いと言われます。一方、形が悪い土地や売りにくい土地は、路線価で出した評価額のほうが、実際に売れる値段より高くなることもあるんです。

時価のほうが低い時は?

評価額より明らかに低い値段でしか売れない土地もありますよね。こうした場合、不動産鑑定士の鑑定をもとに時価で申告する方法もあります。

ただ、税務署に認めてもらうには根拠が必要です。自分で判断せず、税理士に相談してから決めましょう。

相続した不動産を売る予定がある時は、売った時の税金も合わせて考えておくと安心です。詳しくは相続した不動産を売却した時の税金を見てみてください。

よくある質問

相続税評価額とは何ですか?

相続税を計算する時に使う、財産ごとの値段のことです。土地は路線価方式か倍率方式、建物は固定資産税評価額など、財産ごとに評価方法が決まっています。

相続税評価額はどうやって調べますか?

不動産は固定資産税の課税明細書と、国税庁のサイトで公開されている路線価図・評価倍率表を使います。預金や株式は、亡くなった日の残高証明書で確かめます。

固定資産税の課税標準額は相続税に使いますか?

使いません。相続税で使うのは固定資産税評価額のほうです。課税標準額は固定資産税の計算のために調整した金額です。

まとめ

この記事の要点
  • 相続税評価額は、相続税を計算する時に使う財産ごとの値段です。
  • 土地は路線価方式か倍率方式、建物は固定資産税評価額、預貯金は亡くなった日の残高で評価します。
  • 評価額の合計が基礎控除を超えると、相続税の申告が必要です。
  • 小規模宅地等の特例で評価額が大きく下がることがあり、使うには申告が必要です。
相続の手引き

相続の手引き 編集部

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