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親の家を片づけていたら、床の間からウミガメの剥製や、大きな象牙の置物が出てきた。『これって勝手に相続していいの?売ったら法律違反になる?』と戸惑いますよね。
結論から言うと、相続すること自体には特別な手続きはいらないと考えられます。象牙について、環境省は「相続は手続き不要」と案内しています。ただ、売ったり人に譲ったりする時は、登録と登録票が必要になります。この記事では、相続した後に気をつけたいことが分かります。
ウミガメの剥製・象牙は相続できる?
- ウミガメの剥製や象牙は、種の保存法で売り買いや譲り渡しが規制されています。
- 相続そのものは規制される「譲渡し等」に挙げられておらず、象牙の相続は手続き不要と環境省は案内しています。
- 売る・あげる・貸すなど「譲渡し等」をする時は、登録を受けて登録票と一緒に渡す必要があります。
- 相続財産として、相続税の計算に入ることがあります。
種の保存法は、絶滅のおそれがある野生の動植物を守るための法律です。ワシントン条約で守られている種の剥製や象牙は、取引が原則として禁止されています。
規制の対象になる「譲渡し等」は、あげる・売る・貸す・もらう・買う・借りるのことです。販売や配る目的で並べたり、広告したりすることも規制されます。
『家にあるだけで違法なの?』と心配になる方もいるはずです。持っていること自体が問題になるわけではありません。問題になるのは、登録なしで売ったり譲ったりする場面なんです。
ウミガメの剥製を相続した時
環境省によると、ウミガメ(うみがめ科)は、扱いが3つに分かれています。
| 種類 | 規制の内容 |
|---|---|
| 生きた個体・剥製・全形を保った甲羅 | 譲渡し等は原則禁止。規制前に取得した物は登録すれば譲渡し等ができる |
| 全形を保っていない甲羅 | 事業として売る場合は届出が必要 |
| べっ甲製品(眼鏡・アクセサリーなど) | 規制の対象外 |
規制が始まった日は種類ごとに決まっていて、もっとも古いものは1980年(昭和55年)11月4日です。それより前に手に入れた剥製などは、登録を受ければ譲渡し等ができます。
例えば、祖父の代から飾ってあった剥製を兄弟の誰かに譲りたい時。登録を受けて、登録票と一緒に渡すのが基本です。
「この剥製、いらないからリサイクルショップに出そうか」
「登録がないと売れないから、まず登録できるか確かめよう」
こんな会話になったら、売る前に一度立ち止まってください。
象牙を相続した時
象牙は、形によって扱いが分かれます。
| 種類 | 主な扱い |
|---|---|
| 全形を保った象牙(全形牙) | 登録を受け、登録票と一緒でなければ譲渡し等ができない |
| 印鑑・置物などの象牙製品 | 事業として扱う人は、事前に事業者の登録が必要 |
ここが大事なところです。全形牙の登録は、2019年(令和元年)7月1日から審査が厳しくなりました。第三者の証言だけでは登録が認められず、放射性炭素年代測定の結果など、規制前に取得したことを示す客観的な証拠が必要です。
登録票があっても、それを使って海外に持ち出すことはできません。
登録の窓口は、一般財団法人自然環境研究センターです。詳しくは環境省「象牙(全形牙)・象牙製品の取引制度について」で確認できます。

登録の前に確認しておきたいこと
登録を考える時は、いつ、どこで手に入れた物かを示す書類や写真がないか、まず探してみてください。購入した時の領収書や、昔の写真に写っていることが手がかりになることもあります。
相続税ではどう扱う?
ウミガメの剥製や象牙の置物は、ほかの家財と同じく相続財産です。相続税の計算に入れる時は、相続した時点の価値で評価します。
ただ、売り買いが規制されている物は、値段をつけにくいことがありますよね。高価な物かどうか分からない時は、ほかの美術品や骨董品とあわせて、相続財産の一覧に書き出しておきましょう。
遺産の分け方を決める時は、相続とはで基本のルールを確認しておくと話し合いが進めやすくなります。相続人どうしで誰が引き継ぐかを決めた後に、別の家族へ譲る時は、上で説明した登録の手続きが必要になることがあります。
実家に骨董品や美術品が多く、遺産全体が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えそうな方もいるはずです。相続税がかかりそうなら、財産の評価も含めて税理士に相談しておくと、申告の漏れを防げます。
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よくある質問
登録のないウミガメの剥製を捨ててもいいですか?
処分の方法によっては人に引き渡す形になることもあります。捨てる前に、環境省や登録の窓口に相談してから決めると安心です。
象牙の印鑑を相続しました。手続きは必要ですか?
個人が持ち続ける分には、相続の手続きはいらないと案内されています。売る時は、象牙製品を扱う登録を受けた事業者に相談しましょう。
べっ甲の眼鏡やアクセサリーも規制の対象ですか?
べっ甲製品は、ウミガメの規制の対象外です。
まとめ
- 相続そのものに特別な手続きはいらず、象牙の相続は手続き不要と環境省は案内しています。
- 売る・譲るなどの譲渡し等には、登録と登録票が必要です。
- 全形の象牙は、2019年7月1日から登録の審査が厳しくなりました。
- 剥製や象牙も相続財産として、相続税の計算に入ることがあります。





