共同名義の相続|共有不動産の持分の相続と売却の注意点

「共同名義の相続」を解説する記事のアイキャッチ

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夫婦で半分ずつの名義にしていた家。夫が亡くなって『家全体が相続になるの?それとも夫の半分だけ?』と迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、相続されるのは亡くなった人の持分だけです。残りの持分は、もともと持っていた人のものとして変わりません。この記事では、共同名義の不動産の持分がどう相続されるかと、売却する時の注意点が分かります。

目次

共同名義の不動産は持分だけが相続される

先に結論

共同名義(共有)の不動産で共有者の1人が亡くなると、その人の持分だけが相続財産になり、相続人が遺産分割で取得します。ほかの共有者の持分は相続とは関係ありません。相続登記も持分について行い、相続税も「不動産の評価額×亡くなった人の持分」で計算します。持分のままでも売却はできますが、不動産全体を売るには共有者全員の同意が必要です。

持分とは、1つの不動産に対して各共有者が持っている権利の割合です。登記簿の「権利部(甲区)」に、「持分2分の1」のように書かれています。

まずは登記簿で、誰がどの割合で持っているかを確認してみてください。相続の仕組みそのものは相続とはで基本を押さえておくと理解しやすいですよ。

持分の相続の計算例

例えば、夫と妻が2分の1ずつ持っている自宅で、夫が亡くなったケースです。相続人は妻と子2人とします。

夫の持分2分の1を、法定相続分(妻2分の1・子4分の1ずつ)で分けると、次のようになります。

人もともとの持分相続で取得する持分相続後の持分
妻2分の14分の14分の3
長男なし8分の18分の1
次男なし8分の18分の1
夫婦の共同名義の自宅で夫が亡くなった時に、夫の持分だけが相続される流れを示した図解

『家族3人の共有になると、後で面倒にならない?』と思いますよね。

そのとおりで、共有者が増えるほど、売る時や建て替える時に全員の同意が必要になります。だから、遺産分割で「夫の持分は全部妻が相続する」と決めて、妻の単独名義にするケースも多いんです。

相続登記と登録免許税

相続した持分は、相続登記で名義を変えます。2024年4月1日から相続登記は義務になり、取得を知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料の対象になります。

登録免許税は、固定資産税評価額×相続する持分×0.4%で計算します。

例えば、固定資産税評価額が2,000万円の自宅で、夫の持分2分の1を妻が相続するなら、2,000万円×2分の1×0.4%=4万円です。

なお、相続人が誰もいない共有者が亡くなった場合、その持分は特別縁故者への分与などがなければ、ほかの共有者のものになります。

相続税ではどう評価する?

相続税では、不動産全体の評価額に、亡くなった人の持分をかけて評価します。

自宅の土地なら、取得した人が要件を満たせば、小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等・330㎡まで80%減額)を持分について使えることがあります。配偶者が相続する場合は、同居などの要件なく特例の対象になるんです。

配偶者が取得した分には配偶者の税額軽減も使えるので、夫の持分を妻が相続する形なら、相続税がかからないケースも少なくありません。ただし、どちらも使うには申告が必要です。

法定相続持分のまま売却する時の注意点

「兄弟で共有のまま、持分を売ってしまいたい」という相談もよくあります。

自分の持分だけなら、ほかの共有者の同意なしに売れます。ただ、持分だけを買う人は限られ、価格も不動産全体を売る場合より低くなりがちです。

共有のまま売却する前の確認
  • 不動産全体を売るなら、共有者全員の同意が必要
  • 持分だけの売却は、同意なしでできるが価格が下がりやすい
  • 売却益が出れば、売った人それぞれに譲渡所得税がかかる
  • 相続税の申告期限の翌日から3年以内に売れば、取得費加算の特例を使えることがある

共有のまま話がまとまらない時は、共有物分割の請求という手続きもあります。ほかの相続人との関係や、売るタイミングも含めて考えてみてください。相続全体の流れは相続手続きの流れで確認できます。

自宅や土地が共有になっている、相続人が多い、売却も考えているといった場合は、相続税と売却時の税金をまとめて税理士に試算してもらうと、どの分け方がいいか判断しやすくなります。

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よくある質問

夫婦の共同名義の家で夫が亡くなったら、家全体が相続財産になりますか?

なりません。相続財産になるのは夫の持分だけで、妻がもともと持っていた持分は相続とは関係ありません。

相続した持分だけを売ることはできますか?

自分の持分だけなら、ほかの共有者の同意なしに売れます。ただし買い手が限られ、価格は低くなりがちです。不動産全体を売るには共有者全員の同意が必要です。

共同名義の不動産の相続登記はいつまでにすればいいですか?

相続で取得したことを知った日から3年以内です。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります。

まとめ

この記事の要点
  • 共同名義の不動産は、亡くなった人の持分だけが相続される
  • 持分は登記簿の権利部で確認できる
  • 相続登記の登録免許税は、固定資産税評価額×持分×0.4%
  • 相続税は不動産の評価額×持分で計算し、小規模宅地等の特例も持分について使える
  • 持分だけの売却は可能だが、全体を売るには全員の同意が必要
相続の手引き

相続の手引き 編集部

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