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相続の書類に「共同相続人全員の同意が必要」と書かれていて、自分も入るのか分からない。そんな戸惑いを感じている方も多いはずです。
結論から言うと、共同相続人とは、相続人が複数いる時のそれぞれの相続人のことです。この記事では、共同相続の意味と、相続人全員の持分の考え方、全員の合意が必要な手続きが分かります。
共同相続人とは?
共同相続人とは、1人の人の財産を2人以上で相続する時の、それぞれの相続人のことです。例えば、父が亡くなって母と子2人が相続するなら、3人とも共同相続人です。遺産は分け方が決まるまで、共同相続人全員の共有になります。
相続人が1人だけなら「単独相続」、複数いれば「共同相続」と呼びます。日本の相続では、配偶者と子など、相続人が複数いるケースのほうが一般的ですよね。
『相続放棄した兄弟も共同相続人なの?』という疑問もよく聞きます。相続放棄をすると初めから相続人でなかったことになるので、共同相続人には含まれません。
誰が相続人になるかは 法定相続人とは で詳しく確認できます。
共同相続とは?遺産はどうなる?
相続が始まると、遺産は分け方が決まるまで、共同相続人全員の共有の状態になります。
例えば、実家の土地も、銀行の預金も、遺産分割が終わるまでは「みんなのもの」なんです。誰か1人が勝手に売ったり、自分のものにしたりはできません。
| 遺産の種類 | 遺産分割前の扱い |
|---|---|
| 土地・建物 | 共同相続人全員の共有 |
| 預貯金 | 遺産分割の対象。単独での払戻しは仮払い制度の範囲まで |
| 借金 | 法定相続分に応じて各相続人が引き継ぐ |
| 生命保険金 | 受取人固有の財産で、遺産分割の対象外 |

預金の仮払い制度
『葬儀代を払いたいのに、預金が下ろせない…』と困ることもありますよね。その場合は、預貯金の仮払い制度が使えます。
1つの金融機関ごとに「相続開始時の預金額×1/3×その相続人の法定相続分」、上限150万円までは、ほかの相続人の同意なしで払い戻せます。
共同相続人それぞれの持分
共同相続人の持分は、遺言書がなければ法定相続分が基準になります。
| 相続人の組み合わせ | 法定相続分 |
|---|---|
| 配偶者と子 | 配偶者1/2、子全体で1/2 |
| 配偶者と直系尊属(父母など) | 配偶者2/3、直系尊属全体で1/3 |
| 配偶者と兄弟姉妹 | 配偶者3/4、兄弟姉妹全体で1/4 |
同じ順位の人が複数いれば、その分を均等に分けます。
例: 母と子3人が共同相続人の場合
父が亡くなり、母と子3人が相続するケースです。母が1/2、子は1/2を3人で分けるので1人1/6ずつになります。
遺産が6,000万円なら、法定相続分で計算すると母3,000万円、子はそれぞれ1,000万円です。
ただ、これはあくまで基準です。共同相続人全員が合意すれば、法定相続分と違う割合で分けてもかまいません。
割合の詳しい計算は 法定相続分とは でケース別に解説しています。
相続人全員とは?全員の合意が必要な手続き
相続の手続きでよく出てくる「相続人全員」は、共同相続人の全員という意味です。前の結婚で生まれた子や、認知された子、養子も含まれます。
次の手続きでは、相続人全員の合意や署名押印が必要になります。
- 遺産分割協議(全員の合意で成立)
- 遺産分割協議書への署名と実印の押印
- 遺言書がない場合の預金の解約・名義変更
- 不動産を売る、相続人の1人の名義にする登記
「疎遠になっている異母きょうだいがいるんですが、連絡しないとダメですか?」
「その人も相続人なので、遺産分割協議には加わってもらう必要があります」
こうしたケースは珍しくありません。1人でも欠けた遺産分割協議は無効になるので、戸籍謄本で相続人全員を確かめてから話し合いを始めましょう。
協議がまとまったら、内容を書面に残します。書き方は 遺産分割協議書の書き方 で確認できます。
相続人の中に未成年者や認知症の人がいる場合
共同相続人に未成年者がいて、親も相続人の場合は、家庭裁判所で特別代理人を選んでもらう必要があります。親と子の利益がぶつかるからです。
認知症などで判断能力が十分でない相続人がいる場合は、成年後見人が代わりに協議に加わることになります。
「特定相続人」とは?
「特定相続人」という言葉も見かけますが、民法で定義された用語ではありません。文脈によって意味が違うので注意が必要です。
多くの場合は、遺言書で「この財産は長男に相続させる」のように、特定の財産を受け取る人として名前が挙がった相続人を指して使われています。
遺言書で特定の相続人に財産が渡る場合でも、兄弟姉妹以外の相続人には遺留分があります。ほかの共同相続人の取り分が遺留分を下回れば、遺留分侵害額請求ができます。
共同相続した不動産の扱い
遺産分割の前でも、共同相続人の1人が、法定相続分どおりの共有で相続登記をすることはできます。ただ、この登記をすると全員の持分が登記簿に載るので、その後に分け方が決まれば登記をやり直すことになります。
『とりあえず全員の共有で登記しておけば安心?』と考える方もいますよね。共有のままだと、売る時や貸す時に全員の同意が必要になり、話が進まないことも。
2024年4月1日からは相続登記が義務になり、不動産の取得を知った日から3年以内に登記する必要があります。分け方がまとまらない時は、自分が相続人であることを申し出る相続人申告登記で、義務を果たすこともできます。
共同相続人の1人が亡くなった時
遺産分割が終わる前に、共同相続人の1人が亡くなることもあります。その場合は、亡くなった人の相続人(配偶者や子)が、その人の立場を引き継いで遺産分割協議に加わります。
例えば、母と子3人で話し合っている途中で長男が亡くなった場合、長男の妻と子が協議に加わることに。関係者が増えるほど話し合いは難しくなるので、遺産分割は早めに進めておくのがおすすめです。
共同相続人が多い時の相続税
相続人が複数いる場合、相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。先ほどの母と子3人の例なら、基礎控除は5,400万円になります。
遺産6,000万円なら、課税遺産総額は6,000万円−5,400万円=600万円です。相続税の申告は、相続人の誰かが代表するのではなく、財産を取得した人がそれぞれ(または共同で)行います。
共同相続人が多いと、財産の情報共有や申告書の取りまとめに時間がかかりがちです。申告期限は亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内なので、相続税がかかりそうなら早めに税理士へ相談しておくと、全員の足並みをそろえやすくなります。
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よくある質問
共同相続人の1人が遺産分割協議に応じない場合はどうなりますか?
協議は全員の合意が必要なので成立しません。家庭裁判所に遺産分割調停を申し立て、まとまらなければ審判で分け方が決まります。
共同相続人は借金も引き継ぎますか?
借金は法定相続分に応じて各相続人が引き継ぎます。引き継ぎたくない場合は、相続の開始を知った時から3か月以内に相続放棄を検討しましょう。
共同相続した不動産はそのまま共有にしてもいいですか?
共有のままでも問題はありませんが、売る時や建て替える時に全員の同意が必要になります。次の相続でさらに共有者が増えることもあるため、分け方は慎重に決めましょう。
まとめ
- 共同相続人は、相続人が複数いる時のそれぞれの相続人のこと
- 遺産は分け方が決まるまで、共同相続人全員の共有になる
- 持分は法定相続分が基準だが、全員の合意があれば違う割合でもよい
- 遺産分割協議には相続人全員が加わる必要がある
- 特定相続人は法律用語ではなく、遺言で財産を指定された相続人を指すことが多い





