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夫が亡くなった時、妻のお腹に赤ちゃんがいた。『まだ生まれていない子にも相続権はあるの?』と不安になりますよね。
結論から言うと、胎児にも相続権があります。生きて生まれれば、ほかの子どもと同じ相続人です。
この記事を読めば、胎児がいる相続で何が変わり、いつ何をすればいいかが分かります。
胎児に相続権はある?先に結論
- 民法では、胎児は相続については「すでに生まれたもの」とみなされます。
- 生きて生まれれば相続人になり、法定相続分も他の子と同じです。
- 死産だった場合は、初めから相続人でなかった扱いになります。
- 遺産分割は、出生を待ってから話し合うのが基本です。
人が権利を持つのは、本来は生まれてからです。ただ、相続だけは例外なんです。
父親が亡くなるのが出産の少し前か後かで、子が相続できるかどうかが変わったら不公平ですよね。だから法律は、お腹の子を「生まれたもの」として扱っています。
相続人の基本は法定相続人とはで詳しく解説しています。
胎児がいると相続人と割合はどう変わる?
胎児の存在で一番大きく変わるのは、誰が相続人になるかと、その割合です。2つのケースで見てみましょう。
上に子どもがいるケース
例えば、夫が亡くなり、相続人は妻と長男、そして妻のお腹に第2子がいるケースです。
赤ちゃんが生きて生まれれば、相続人は妻・長男・第2子の3人。妻が1/2、子ども2人が1/4ずつです。
夫婦に子どもがいなかったケース
こちらは影響がもっと大きくなります。子どもがいない夫婦で、夫が亡くなった時に妻が妊娠していたケースです。
| 出産の結果 | 相続人 | 法定相続分 |
|---|---|---|
| 生きて生まれた | 妻と子 | 妻1/2・子1/2 |
| 死産だった(夫の父母が健在) | 妻と夫の父母 | 妻2/3・父母1/3 |
| 死産だった(夫の父母がすでに他界・兄弟姉妹あり) | 妻と夫の兄弟姉妹 | 妻3/4・兄弟姉妹1/4 |
子どもが生まれれば第1順位の相続人がいることになり、夫の両親や兄弟は相続人になりません。順位の考え方は相続順位とはで確認できます。

遺産分割は出産前にしていい?
『早く手続きを済ませたい』と思う方も多いはずです。ただ、遺産分割の話し合いは出生を待つのが基本です。
胎児は生まれるまで話し合いに参加できません。胎児を抜いて分けてしまうと、生まれた後にやり直しになるおそれがあります。
生まれた後は特別代理人が必要になることも
ここが大事なところです。生まれた赤ちゃんは、自分では遺産分割の話し合いができません。
ふつうは親が代わりに手続きをしますが、母親も相続人だと、母と子で取り分がぶつかります。この場合は、家庭裁判所で子のための特別代理人を選んでもらいます。
例えばこんな場面です。
「妻が自宅を全部相続して、子どもの分はゼロにしたい」
「それだと母と子の利益がぶつかるので、特別代理人が子の立場で判断します」
協議書のまとめ方は遺産分割協議書の書き方を参考にしてみてください。
出産までの生活費が心配な時は
『分割を待つ間、口座が凍結されたら生活できない』という心配もありますよね。
その場合は、預貯金の仮払い制度が使えます。1つの金融機関ごとに「相続開始時の預金額 × 1/3 × 自分の法定相続分」まで、上限150万円で単独で引き出せます。
例えば、夫の口座に600万円あり、妻の法定相続分が1/2なら、600万円 × 1/3 × 1/2 = 100万円が目安です。
胎児がいる時の相続税の申告はどうなる?
相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。この時点で生まれているかどうかで扱いが変わります。
- 申告の時にまだ生まれていなければ、胎児はいないものとして計算する
- 基礎控除の「法定相続人の数」にも、生まれる前の胎児は入れない
- 生まれた後に相続人が増えて税金が減る時は、更正の請求で取り戻せる
- 胎児が生まれると相続人全員の申告が不要になる場合は、申告期限の延長を申請できる
- 生きて生まれた子の未成年者控除は(18歳 − 0歳)× 10万円 = 180万円
基礎控除は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」です。最初の例なら、申告時に生まれていなければ妻と長男の2人で4,200万円。生まれた後は3人になり4,800万円に増えます。
つまり、出産後に計算し直すと税金が減ることがあるんです。遺産が4,200万円を超えそうなら、出産の時期と申告期限を並べて考えておきましょう。
相続税がかかりそうな場合は、申告のやり直しや未成年者控除の計算まで含めて、税理士に一度見てもらうと安心です。
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よくある質問
胎児に遺言で財産を残すことはできますか?
できます。遺言で財産を受け取る場合も、胎児はすでに生まれたものとして扱われます。生きて生まれることが前提です。
胎児の相続放棄は生まれる前にできますか?
生まれる前にはできません。出生後に、親や特別代理人が家庭裁判所で手続きをします。
結婚していない相手との子でも相続人になりますか?
父親に認知されていれば相続人になります。認知されていない場合は、相続人になるには認知の手続きが必要です。
まとめ
- 胎児は相続では生まれたものとみなされ、生きて生まれれば相続人になる
- 子どもがいない夫婦では、出産の結果で夫の父母や兄弟が相続人になるかが変わる
- 遺産分割は出生を待ち、母と子の利益がぶつかるなら特別代理人を選ぶ
- 相続税は生まれる前なら胎児抜きで申告し、生まれた後に更正の請求ができる
相続人の割合をもっと詳しく知りたい方は、法定相続分とはもあわせて読んでみてください。




