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障害のある子どもがいる家庭で、親が亡くなった。『相続税で何か配慮はある?遺産分割はどう進めればいいの?』と不安に感じている方も多いはずです。
結論から言うと、相続人が障害者なら、相続税から障害者控除を差し引けます。知的障害などで判断が難しい場合は、遺産分割に成年後見人や特別代理人が必要になることもあります。
この記事を読めば、相続人に障害者がいる場合の税金と手続きのポイントが分かります。
相続人に障害者がいる場合はどうなる?先に結論
- 85歳未満の障害者が相続人なら、(85歳 − 相続時の年齢)× 10万円を相続税から差し引けます。
- 特別障害者は1年につき20万円で計算します。
- 本人の相続税から控除しきれない分は、扶養義務者(配偶者・親・兄弟など)の相続税から差し引けます。
- 判断能力が十分でない相続人がいると、遺産分割に成年後見人や特別代理人が必要です。
障害者控除は、障害のある人がこれからの生活に必要なお金を残せるように設けられた制度です。年齢が若いほど控除額が大きくなります。
年数の計算で1年未満の端数がある時は、切り上げて1年にします。
障害者控除はいくら?計算例で確認
障害者控除を受けられるのは、次のすべてに当てはまる人です(国税庁 No.4167)。
- 相続や遺贈で財産を取得した時に日本国内に住所がある
- 相続や遺贈で財産を取得した時に障害者である
- 法定相続人である(相続放棄をしていても、放棄がなかったものとした場合の相続人なら対象)
障害者手帳の等級などで、一般障害者か特別障害者かが決まります。詳しくは国税庁 No.4167 障害者の税額控除で確認できます。
| 相続時の年齢 | 一般障害者 | 特別障害者 |
|---|---|---|
| 20歳 | 650万円 | 1,300万円 |
| 30歳 | 550万円 | 1,100万円 |
| 50歳 | 350万円 | 700万円 |
遺産1億円・妻と子2人のケース
例えば、父が亡くなり、相続人は母・長男(30歳・特別障害者)・長女の3人。遺産1億円を法定相続分どおりに分けたケースです。
- 基礎控除 3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円
- 課税遺産総額 1億円 − 4,800万円 = 5,200万円
- 相続税の総額 630万円(母2,600万円分340万円、子1,300万円分145万円ずつ)
- 取得割合で分けると、母315万円・長男157.5万円・長女157.5万円
- 母は配偶者の税額軽減で0円
- 長男は障害者控除(85歳 − 30歳)× 20万円 = 1,100万円で0円、942.5万円が控除しきれずに残る
- 残った分を扶養義務者の長女の157.5万円から引いて、長女も0円
障害者控除のおかげで、この家族の相続税は0円になりました。『本人の税金が少ないから控除が無駄になる』ということがないんです。

なお、障害者控除で税額が0円になっても、基礎控除を超えている場合は申告が必要です。控除の配分や過去の相続で控除を使ったかの確認まで含めて、税理士に計算してもらうと安心です。
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遺産分割の注意点は?知的障害がある相続人と特別代理人
遺産分割の話し合いは、相続人全員の合意が必要です。知的障害や精神障害などで判断が難しい相続人がいると、そのままでは話し合いができません。
成年後見人を立てる
判断能力が十分でない人は、家庭裁判所に成年後見人を選んでもらい、後見人が代わりに話し合いに参加します。
後見人は本人の財産を守る立場です。本人の取り分を極端に少なくする分け方は、認められにくいと考えておきましょう。
後見人も相続人なら特別代理人が必要
『母が長男の後見人をしているけど、母も相続人…』というケースはよくあります。この場合、母と長男の取り分がぶつかるので、家庭裁判所で特別代理人を選んでもらいます。
例えばこんな場面です。
「母が自宅を相続して、長男の分は少なめにしたい」
「母と長男の利益がぶつかるので、長男の立場は特別代理人が判断します」
なお、後見監督人がついている場合は、後見監督人が本人を代理します。遺産分割協議書の作り方は遺産分割協議書の書き方を参考にしてみてください。
障害のある子の将来に備える方法
『親が亡くなった後、この子の生活はどうなるの?』という心配は、相続の手続きとは別に残りますよね。
遺言で財産の分け方を決めておく、信頼できる家族に後のことを頼んでおくなど、元気なうちにできる準備もあります。成年後見の制度を早めに使い始めておくのも1つの方法です。
よくある質問
障害者手帳がないと障害者控除は使えませんか?
手帳がなくても、精神上の障害で判断能力を欠く常況にある人などは対象になることがあります。要件を満たすかは税理士に確認してみてください。
以前の相続で障害者控除を使っていたらどうなりますか?
前の相続で控除を受けていると、今回の控除額が制限されることがあります。前回の申告書を用意しておきましょう。
障害のある子に遺言で多めに残すことはできますか?
できます。ほかの相続人の遺留分には気をつけて、遺言の内容を考えておきましょう。
まとめ
- 相続人が85歳未満の障害者なら、(85歳 − 年齢)× 10万円(特別障害者は20万円)を相続税から引ける
- 控除しきれない分は、扶養義務者の相続税から差し引ける
- 判断能力が十分でない相続人には、成年後見人が代わりに遺産分割に参加する
- 後見人も相続人なら、家庭裁判所で特別代理人を選ぶ
相続人の範囲から確認したい方は、法定相続人とはも読んでみてください。




