相続財産調査のやり方|自分で調べる方法と誰に頼むか・費用

相続財産調査のやり方と依頼先を解説する記事のアイキャッチ

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家族が亡くなって、『そもそも何がどこにあるのか分からない…』と困っている方は多いはずです。

結論から言うと、相続財産調査は自分でも進められます。手がかりは自宅の通帳や郵便物で、そこから金融機関や役所に「証明書」を出してもらう流れです。

この記事を読めば、財産の種類ごとの調べ方と、自分でやるか専門家に頼むかの判断ができます。

目次

相続財産調査は自分でできる?誰に頼む?

先に結論
  • 相続財産調査は、相続人なら自分でできます。
  • 預金は残高証明書、不動産は名寄帳、株は証券会社や証券保管振替機構(ほふり)への開示請求で調べます。
  • 相続人が多い・遠方の財産が多い・期限が近い時は、専門家に依頼するのも手です。

相続財産調査とは、亡くなった人が持っていた財産と借金を洗い出す作業です。プラスの財産だけでなく、借金やローンも調べるのがポイントなんです。

なぜここが大事かというと、相続のあとの判断がすべてこの結果で決まるからです。

例えば、借金の方が多ければ相続放棄を考えます。相続放棄は、相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。

また、遺産が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えると相続税の申告が必要です。期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

『調べるのに何か月もかかったら間に合わないのでは?』と心配になりますよね。ただ、手がかりが揃っていれば、多くの家庭は数週間から1〜2か月ほどで全体が見えてきます。

相続財産の調べ方|財産の種類ごとの手順

まずは自宅にある手がかりを集めてみてください。通帳・キャッシュカード・郵便物・確定申告書の控え・固定資産税の納税通知書が、調査の出発点になります。

自宅の手がかりから財産の種類ごとに調べる流れを示した図解
財産の種類どこに請求するか取り寄せるもの
預貯金各銀行・ゆうちょ銀行残高証明書・取引履歴
不動産市区町村(東京23区は都税事務所)名寄帳・固定資産評価証明書
不動産の権利法務局登記事項証明書
上場株式・投資信託証券会社・ほふり残高証明書・登録済加入者情報
生命保険各保険会社契約内容の照会
借金・ローン信用情報機関・金融機関信用情報の開示・残高証明

預貯金は残高証明書と取引履歴

銀行に「相続の手続きで残高証明書がほしい」と伝えると、亡くなった日時点の残高を証明してもらえます。相続税の申告でも、この残高を使います。

通帳が見つからない銀行でも、キャッシュカードや郵便物があれば請求できます。支店が分からない時は、銀行の相続窓口に全店の調べをお願いしてみてください。

ゆうちょ銀行は手続きの流れが少し違うので、ゆうちょ銀行の相続手続きも見ておくと安心です。

不動産は名寄帳でまとめて確認

名寄帳(なよせちょう)は、ある人がその市区町村に持っている不動産を一覧にした帳簿です。固定資産税がかからない私道や山林まで載っていることがあります。

固定資産税の納税通知書だけだと、非課税の土地が漏れることも。不動産がありそうな市区町村ごとに名寄帳を取っておきましょう。

株・投資信託はほふりへの開示請求

どの証券会社に口座があったか分からない時は、証券保管振替機構(ほふり)に「登録済加入者情報」の開示を請求します。口座のある証券会社が分かるので、そこへ残高を問い合わせます。

配当金の通知書や、株主総会の案内が郵便で届いていないかも見てみてください。

借金は信用情報機関で調べる

ローンやカードの借入れは、信用情報機関に開示を請求すると分かります。消費者金融系・クレジット系・銀行系で機関が分かれているので、気になる時は複数に請求するのが安全です。

保証人になっていた借金は信用情報に出ないこともあります。契約書や督促の郵便がないか、自宅も確認しておきましょう。

取引履歴は何年前までさかのぼる?

『通帳は何年分見ればいいの?』という疑問、よく聞かれます。

相続財産そのものは亡くなった日時点の残高で決まります。ただ、相続税がかかりそうな家は、過去の出金も見ておく必要があるんです。

理由は2つあります。1つは、2024年1月1日以降の贈与から、相続開始前7年以内に相続人などへ贈与した財産が相続財産に加算されるためです。

もう1つは、家族名義でも実質は亡くなった人のお金だった「名義預金」が、相続財産として扱われるためです。

例えば、こんな出金は要チェックです。

取引履歴で見ておきたい出金
  • 子や孫の口座への、まとまった金額の振込み
  • 用途が分からない大きな現金引き出し
  • 毎年同じ時期・同じ金額の送金
  • 亡くなる直前の多額の引き出し

相続税の税務調査では、こうしたお金の流れを細かく見られます。国税庁の公表では、令和6事務年度の相続税の実地調査で、申告漏れなどが見つかった割合は82.3%でした。

取引履歴を何年分出せるかは金融機関によって違います。古い分は出せないこともあるので、窓口で確認してみてください。

「相続人が通帳を見せない」時はどうする?

同居していた兄弟が通帳を管理していて、『見せてと言っても出してくれない』というケースもありますよね。

実は、ほかの相続人が見せてくれなくても、相続人なら自分一人で金融機関に残高証明書や取引履歴を請求できます。必要なのは、亡くなった人とのつながりが分かる戸籍謄本と、自分の本人確認書類です。

相続人同士で財産を開示する法律上の義務がはっきり決まっているわけではありません。だからこそ、自分で証明書を取るのが早いんです。

話し合いがこじれそうな時は、相続争いの対処法も参考にしてみてください。

相続財産調査を依頼するなら誰?費用の考え方

相続財産調査は、弁護士・司法書士・税理士・行政書士のどこでも相談できます。ただ、得意な場面が違います。

依頼先向いているケース
弁護士相続人同士で揉めている・財産を隠されている疑いがある
司法書士不動産が多く、そのまま相続登記まで頼みたい
税理士相続税がかかりそうで、申告まで任せたい
行政書士戸籍集めや遺産分割協議書の作成を頼みたい

費用は事務所ごとに自由に決められていて、公的な基準はありません。調査だけを頼むのか、登記や申告とセットにするのかでも変わるので、見積もりを取って比べてみてください。

相続税がかかりそうなら、財産調査から税理士にまとめて頼むと二度手間になりません。土地の評価や名義預金の判断は、申告の作業と切り離せないからです。

例えば、土地がいくつもある・相続人が多い・申告期限まで半年を切っている、といった家では、早めに相談しておくと気持ちがかなり楽になります。

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よくある質問

相続財産調査にかかる時間はどれくらいですか?

財産の数や手がかりの量で変わります。通帳や郵便物が揃っていれば数週間から1〜2か月ほどで全体が見えることが多いです。相続放棄を考える場合は3か月の期限があるので、借金の調査を先に進めておきましょう。

相続財産調査は相続人でなくてもできますか?

金融機関への残高証明書の請求などは、原則として相続人や遺言執行者が行います。相続人以外の人は、相続人から委任を受けて手続きすることになります。

名寄帳はどこで取れますか?

不動産がある市区町村の役所(東京23区は都税事務所)で請求します。亡くなった人の住所地だけでなく、不動産がありそうな市区町村ごとに取る必要があります。

まとめ

この記事の要点
  • 相続財産調査は、通帳や郵便物を手がかりに相続人が自分で進められます。
  • 預金は残高証明書、不動産は名寄帳、株はほふりへの開示請求、借金は信用情報機関で調べます。
  • 相続税がかかりそうなら、贈与や名義預金を確認するために取引履歴もさかのぼって見ておきます。
  • 揉めているなら弁護士、登記なら司法書士、申告まで任せるなら税理士が向いています。

相続全体の流れは相続手続きの流れでまとめています。

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相続の手引き 編集部

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