相続で司法書士に頼めること|依頼すべきケースと相談の流れ

相続で司法書士に頼めることと依頼の流れを解説する記事のアイキャッチ

当サイトは国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。

実家の名義変更や戸籍集めが思った以上に大変で、『司法書士に頼んだ方がいいのかな』と迷っている方も多いですよね。

結論から言うと、司法書士は相続登記(不動産の名義変更)の専門家です。戸籍集めや遺産分割協議書づくり、家庭裁判所に出す書類の作成も頼めます。

この記事では、司法書士に頼めること・頼めないことと、依頼した方がいいケースを見ていきます。

目次

相続で司法書士に頼めることは?

先に結論
  • 司法書士の中心は、相続した土地や家の名義を変える「相続登記」です。
  • 戸籍の収集、法定相続情報一覧図の申出、遺産分割協議書の作成も頼めます。
  • 相続放棄の申述書など、家庭裁判所に出す書類の作成もできます。
  • 相続税の申告は税理士、もめた時の交渉や代理は弁護士の仕事です。

『司法書士って、そもそも何をする人?』という方もいるはずです。

司法書士は、登記の申請を代わりに行える国家資格者です。相続では、亡くなった人名義の不動産を相続人の名義に変える手続きを任せられます。

頼めること内容
相続登記の申請土地・建物の名義を相続人に変える
戸籍などの収集出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍を集める
法定相続情報一覧図法務局への申出を代わりに行う
遺産分割協議書の作成話し合いで決まった内容を書面にする
家庭裁判所に出す書類の作成相続放棄の申述書、遺言書の検認の申立書など
相続人申告登記分け方が決まらない時に、相続人であることを申し出る
相続で司法書士・税理士・弁護士・行政書士がそれぞれ担当する手続きを示した図解

相続登記の義務化で依頼が増えている

相続登記は2024年4月1日から義務になりました。不動産を相続したと知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象です。

2024年4月より前の相続も対象なので、『祖父の名義のまま放ってある土地がある』という家も手続きが必要になります。

義務化の詳しいルールは相続登記の義務化とはで確認できます。

司法書士に頼めないこと

ここが意外と知られていないところです。司法書士は相続の手続き全部を引き受けられるわけではありません。

手続き担当する専門家
相続税の申告・税額の計算税理士(独占業務)
遺産分割でもめた時の交渉・調停の代理弁護士
相続登記の申請の代理司法書士
戸籍収集・遺産分割協議書の作成行政書士も扱える

例えば、兄弟で遺産の分け方がまとまらず、相手と交渉してほしい場合は弁護士の出番です。司法書士は、どちらか一方の味方として交渉することはできません。

それぞれの違いは相続は誰に頼む?専門家の違いで一覧にしています。

相続登記は行政書士や弁護士でもいい?

『相続登記は行政書士に頼めますか?』と聞かれることがあります。

登記の申請を代わりに行えるのは、司法書士と弁護士です。行政書士は戸籍集めや協議書の作成は扱えますが、登記の申請代理はできません。

司法書士に依頼した方がいいケース

自分でできる人もいれば、頼んだ方が早い人もいます。次に当てはまるなら、司法書士への依頼を考えてみてください。

司法書士に頼むと楽になるケース
  • 何代も前の名義のまま放置された土地がある
  • 相続人が多い、または遠方に住んでいる相続人がいる
  • 土地が何筆にも分かれている、別の市町村にも不動産がある
  • 平日に役所や法務局へ行く時間が取れない
  • 相続人の中に連絡が取りにくい人がいる
  • 数次相続や代襲相続が起きていて、相続人の確定が難しい

『自宅1か所だけだし、自分でやれそう』という方は、頼まない選択もありです。

相続登記は本人が申請できます。戸籍証明書の広域交付(2024年3月1日開始)で、最寄りの窓口から親子などの戸籍をまとめて請求できるようになりました。

自分でやる手順は相続登記は自分でできる?で紹介しています。

費用はどのくらいかかる?

司法書士に頼む時の費用は、報酬と実費に分かれます。

実費の中心は登録免許税で、固定資産税評価額 × 0.4%です。評価額2,000万円の家なら8万円になります。

報酬は事務所ごとに決まっていて、公的な料金表はありません。不動産の数や相続人の数で変わることが多いので、見積もりで確認しましょう。

詳しくは相続登記の司法書士費用相場で解説しています。

司法書士に相談・依頼する流れ

初めて頼む時の流れは、だいたい次のとおりです。

相談から登記完了まで
  1. 電話やメール、オンラインで相談の予約をする
  2. 不動産の情報と家族構成を伝え、見積もりをもらう
  3. 依頼したら、戸籍などの書類集めを進める
  4. 遺産分割協議書を作り、相続人全員が署名・実印を押す
  5. 司法書士が法務局へ相続登記を申請する
  6. 登記が終わったら、登記識別情報(権利証)を受け取る

登記が終わるまでの日数は、書類集めの進み具合と法務局の処理状況で変わります。相続人が多い家ほど、署名と印鑑証明書を集める時間がかかります。

相談の時に準備しておくもの

無料相談をしている事務所もあります。相談を有効に使うために、手元の資料を持っていきましょう。

相談に持っていくと話が早いもの
  • 固定資産税の課税明細書(不動産の一覧と評価額が分かる)
  • 亡くなった人と相続人の関係が分かるメモや戸籍
  • 遺言書があればその写し
  • 登記事項証明書(取れていれば)

例えば、こんなやり取りから話が進みます。

「父名義の家と、田舎に山林もあるみたいなんです」
「課税明細書を見れば、何筆あるか分かりますよ。山林は別の市町村なら、そちらの明細も探してみましょう」

司法書士の選び方

相続登記を頼む司法書士は、次の点で比べてみてください。

  • 相続登記の経験が多いか
  • 見積もりが報酬と実費に分かれていて分かりやすいか
  • 税理士や弁護士と連携していて、他の手続きも相談できるか
  • 話しやすく、質問に丁寧に答えてくれるか

『近くに事務所がない』という方は、オンライン相談に対応している事務所を探すのも手です。不動産のある地域と住んでいる地域が離れていても、相続登記は郵送で申請できます。

相続税がかかる家なら、登記と申告の両方が必要です。ばらばらに頼むより、連携している専門家を選ぶと手間が減ります。

相続税がかかりそうなら税理士にも相談を

相続登記が終わっても、相続税の申告が別に必要な場合があります。

遺産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるなら申告が必要です。申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

土地がある・相続人が多い・期限が近い、という家は、登記と並行して税理士に相談しておくと慌てずにすみます。相続税がかかりそうなら、相続に強い税理士を探しておきましょう。

相続税の申告・相談先に迷ったら

相続に強い税理士を
税理士ドットコムで無料紹介

知り合いに税理士がいない、どこに頼めばいいか分からない。そんな方も多いですよね。
土地や自宅がある、相続人が多いといった場合は、相続税の申告に慣れた税理士に早めに相談すると、手続きがぐっと楽になります。

税理士ドットコムの相続税申告に強い税理士の紹介ページ
税理士ドットコムの紹介ページ(2026年10月時点)
  • 全国7,500名以上の登録税理士から、相続に強い税理士を紹介
  • 紹介は無料、24時間365日受付
  • 最短当日に税理士を紹介してもらえる
  • 東証プライム上場の弁護士ドットコム株式会社が運営

申し込みは、お探しの地域を選んで、かんたんな質問に答えるだけ。全5ステップで、入力の目安は30秒です。

税理士ドットコムの申し込み画面。最初にお探しの地域を選ぶ
最初は地域を選ぶだけ。入力情報は公開されません

かんたん30秒・24時間365日受付

税理士ドットコムで
相続に強い税理士を探す(無料)

税理士ドットコムの紹介ページに移動します

よくある質問

相続で司法書士にできることは何ですか?

相続登記の申請、戸籍の収集、法定相続情報一覧図の申出、遺産分割協議書の作成、相続放棄の申述書など家庭裁判所に出す書類の作成ができます。

相続登記は司法書士に頼まないで自分でできますか?

できます。相続人が少なく不動産が自宅だけなら、自分で申請する方もいます。古い名義のままの土地や相続人が多い場合は、頼んだ方が早く終わることが多いです。

相続税の申告も司法書士に頼めますか?

頼めません。相続税の申告は税理士の独占業務です。司法書士と連携している税理士を紹介してもらえることもあります。

まとめ

この記事の要点
  • 司法書士は相続登記の専門家で、戸籍集めや協議書の作成も頼める
  • 相続税の申告は税理士、もめた時の交渉は弁護士の仕事
  • 相続登記は2024年4月1日から義務化、知った日から3年以内
  • 古い名義・相続人が多い・平日動けない人は依頼を考える
  • 費用は登録免許税(評価額 × 0.4%)+報酬で、報酬は見積もりで確認
相続の手引き

相続の手引き 編集部

相続・相続税の制度と手続きを、公的機関の公開情報をもとにわかりやすく解説しています。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次