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相続が始まって、『家も口座も保険も、全部名義変更しないといけないの?』と途方に暮れている方も多いですよね。
結論から言うと、相続の名義変更は財産ごとに手続き先が違います。なかでも期限と罰則があるのは不動産の相続登記なので、ここから優先して考えるのがおすすめです。
この記事を読めば、財産別に何をどこで名義変更するかが一覧で分かります。
相続の名義変更とは?まず知っておきたいこと
- 相続の名義変更は、亡くなった人の財産を相続人の名義に移す手続きです。
- 不動産の名義変更(相続登記)は、取得を知った日から3年以内が義務です。
- 銀行口座は、名義変更より解約して払い戻すのが一般的です。
- どの手続きも、戸籍と遺産分割協議書(または遺言書)が中心の書類になります。
『相続と名義変更って、何が違うの?』と疑問に思いますよね。
相続は、亡くなった人の財産や権利が相続人に移ることです。名義変更は、その事実を登記や契約に反映させる手続きなんです。
相続した時点で財産は相続人のものになりますが、名義を変えないと売ったり解約したりできません。
ちなみに、不動産の名義変更の正式な呼び方が「相続登記」です。相続登記と名義変更は別の物ではなく、不動産の場合の呼び名の違いと考えてください。
財産別の名義変更一覧
主な財産の名義変更を一覧にしました。
| 財産 | 手続き先 | 期限 |
|---|---|---|
| 土地・建物 | 法務局(相続登記) | 取得を知った日から3年以内 |
| 預貯金 | 各銀行・ゆうちょ銀行 | 法律上の期限なし |
| 株式・投資信託 | 証券会社 | 法律上の期限なし |
| 自動車 | 運輸支局など | 早めに |
| 生命保険 | 保険会社(受取人が請求) | 早めに |
| 火災保険 | 保険会社・代理店 | 早めに |
| 借地権 | 地主への連絡+建物の相続登記 | 建物の登記は3年以内 |
| 太陽光発電 | 国の認定の変更手続き・電力会社 | 早めに |
| 公共料金・携帯電話 | 各会社 | 早めに |

法律上の期限がない手続きでも、相続税の申告期限(10か月以内)までに財産を確定させる必要があります。結局は早めに動くことになりますね。
不動産の名義変更(相続登記)
不動産の相続登記は、2024年4月1日から義務になりました。取得を知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象です。
2024年4月1日より前の相続も対象なので、昔の相続で親の名義のままの土地も注意しましょう。
相続登記にかかる登録免許税は、固定資産税評価額×0.4%です。例えば、評価額2,000万円の土地なら、2,000万円×0.4%=8万円になります。
詳しい流れは相続登記とは、書類は相続登記の必要書類一覧で解説しています。
固定資産税の名義はどうなる?
『固定資産税の名義変更も別に必要?』と気になりますよね。
相続登記をすれば、市区町村に登記の情報が伝わり、固定資産税の納税者も新しい所有者に変わります。
登記が済むまでの間は、市区町村から相続人の代表者を届け出るよう求められることがあります。届け出た人に納税通知書が届く仕組みです。
銀行口座の名義変更
銀行口座は、相続人の名義に変えるより、解約して払い戻す手続きが一般的です。
- 銀行に口座名義人が亡くなったことを伝える(口座が凍結される)
- 銀行から相続手続きの書類をもらう
- 戸籍(または法定相続情報一覧図の写し)、遺産分割協議書、印鑑証明書をそろえる
- 書類を出し、指定した相続人の口座に払い戻してもらう
『葬儀代を払いたいのに、口座が凍結されて困る…』という時もありますよね。
その場合は、預貯金の仮払い制度が使えます。1つの銀行ごとに「相続開始時の預金額×1/3×その相続人の法定相続分」、上限150万円までは、相続人が単独で払い戻せます。
戸籍の束を銀行ごとに出すのは大変なので、法務局で法定相続情報一覧図の写しを取っておくと楽になります。取り方は法定相続情報一覧図の取得方法で確認してみてください。
株式・自動車
上場株式や投資信託は、相続人が自分の証券口座を用意し、そこへ移す手続きをします。相続人が口座を持っていなければ、同じ証券会社で新しく作るのが一般的です。
自動車は、運輸支局などで名義を変えます。軽自動車は軽自動車検査協会が窓口です。売却や廃車をする時も、いったん相続人の名義にする手続きが必要になることがあります。
保険・借地権・太陽光発電の名義変更
火災保険
亡くなった人が契約していた火災保険は、建物を相続した人へ契約者を変える手続きが必要です。
保険会社や代理店に連絡すれば、必要な書類を教えてもらえます。名義変更をしないままにすると、いざ被害が出た時に手続きが複雑になることもあるので、早めに連絡しておきましょう。
生命保険
生命保険金は、受取人が保険会社に請求して受け取ります。受取人固有の財産なので、遺産分割の対象にはなりません。
亡くなった人が契約者で、別の家族が被保険者になっている保険は、契約者を変える手続きが必要です。
借地権
借地の上の家を相続した時は、借地権も一緒に相続します。相続は売買とは違うので、地主の承諾は必要ありません。
例えばこんなやりとりになります。
「父が亡くなったので、これからは私が借地を引き継ぎます」
「分かりました。地代の振込先は今までどおりで大丈夫ですよ」
地主には相続したことを伝え、建物の相続登記を済ませておきましょう。
太陽光発電
太陽光発電を相続した時は、売電の契約と国の認定の名義を変える手続きが必要です。
名義が変わらないままだと売電収入の振込先が変わらず、困ることがあります。電力会社と、設置した販売店や施工会社に相談してみてください。
相続前に名義変更してもいい?
『親が元気なうちに、家や口座の名義を変えておけば楽では?』と考える方もいますよね。
ただ、生前に名義を変えるのは、相続ではなく贈与になります。受け取る人ごとに年110万円の基礎控除を超えると、贈与税がかかることもあるんです。
また、家族名義の口座でも、実際には亡くなった人のお金なら名義預金として相続財産になります。名義だけ変えても、相続税の対象からは外れません。
名義変更の中で、相続税の申告が関わるのが預金や不動産です。不動産が複数ある、銀行口座が多い、相続税がかかりそう。そんな方は、名義変更と並行して税理士に相談しておくと安心です。
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よくある質問
相続の名義変更に期限はありますか?
不動産の相続登記は、取得を知った日から3年以内が義務です。銀行口座などに法律上の期限はありませんが、相続税の申告期限の10か月以内に財産を確定させるため、早めに進めましょう。
銀行口座は相続人の名義に変更できますか?
名義変更ができる場合もありますが、解約して相続人の口座に払い戻す手続きが一般的です。必要書類は銀行ごとに違うので、まず銀行に連絡してみてください。
固定資産税の名義変更は別に必要ですか?
相続登記をすれば、固定資産税の納税者も新しい所有者に変わります。登記が済むまでは、市区町村から相続人の代表者を届け出るよう求められることがあります。
まとめ
- 相続の名義変更は財産ごとに手続き先が違う
- 不動産の相続登記は3年以内の義務。登録免許税は固定資産税評価額×0.4%
- 銀行口座は解約・払い戻しが一般的。仮払い制度もある
- 火災保険・借地権・太陽光発電も名義の確認が必要
- 生前の名義変更は贈与になるので注意
まずは亡くなった人の財産を一覧にして、どこに名義変更の連絡をするかを書き出してみてください。不動産があれば、相続登記から手をつけると安心です。
相続登記の義務化については法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」でも確認できます。






