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『国会議員は相続税がかからないって本当?』『なぜ二世議員ばかりなの?』と、知恵袋などで気になって調べた方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、国会議員だから相続税が免除される制度はありません。ただ、政治団体のお金は議員個人の財産ではないので、後継者が引き継いでも相続税がかからないんです。この記事では、そのしくみと、宗教法人・一般社団法人との違いがわかります。
国会議員は相続税がかからないの?
国会議員にも、一般の人と同じように相続税がかかります。議員本人が持っていた預金や不動産を家族が相続すれば、基礎控除を超えた分に相続税がかかります。「議員は相続税なし」と言われるのは、政治団体の資金が団体のものとして扱われ、代表者が交代しても相続にならないためです。
相続税の基礎控除は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」です。これは議員でも会社員でも変わりません。
例えば、議員が亡くなり、妻と子2人が相続するなら、基礎控除は4,800万円です。議員個人の財産がこれを超えれば、家族は申告して相続税を納めます。
議員個人の財産が1億円なら相続税はいくら?
例えば、議員個人の財産が1億円で、妻と子2人が相続するケースで計算してみます。
| 計算の段階 | 金額 |
|---|---|
| 財産の合計 | 1億円 |
| 基礎控除(3人) | 4,800万円 |
| 課税遺産総額 | 5,200万円 |
| 妻の分(2,600万円 × 15% − 50万円) | 340万円 |
| 子の分(1,300万円 × 15% − 50万円 = 145万円 × 2人) | 290万円 |
| 相続税の総額 | 630万円 |
この後、実際に相続した割合で分け、妻の分には配偶者の税額軽減を使います。計算の流れは一般の家庭とまったく同じです。
『じゃあ、なぜ「かからない」なんて話が広まっているの?』と思いますよね。その理由が、次に説明する政治団体です。
政治団体のお金に相続税がかからないと言われる理由
政治団体の財産は「団体のもの」
国会議員の多くは、資金管理団体などの政治団体を持っています。献金やパーティー収入などは、議員個人ではなく政治団体に入ります。
政治団体の財産は、法律上は議員個人の財産ではありません。だから議員が亡くなっても、政治団体の財産は議員の遺産にならないんです。
代表者を交代すれば、そのまま引き継げる
議員が引退したり亡くなったりした時、政治団体の代表者を子どもなどの後継者に交代すると、団体のお金はそのまま後継者が使える状態になります。
「父の政治団体を引き継いだら、相続税はかかったの?」
「団体の代表が変わっただけなので、相続にはならないんです」
形のうえでは相続ではないので、相続税の対象になりません。これが「国会議員は相続税がかからない」「抜け道だ」と批判される理由です。

| 財産の持ち主 | 例 | 相続税 |
|---|---|---|
| 議員個人 | 自宅、個人名義の預金や株 | かかる(一般の人と同じ) |
| 政治団体 | 団体の口座のお金、団体の資産 | 相続財産ではない(代表交代で引き継がれる) |
選挙運動でもらったお金には贈与税がかからない
もう一つ、議員ならではの非課税があります。国税庁によると、公職選挙法の適用を受ける選挙の候補者が、選挙運動に関して受け取った金品で、公職選挙法にもとづく報告がされたものには贈与税がかかりません(国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合)。
ただし、これは贈与税の話で、相続税が免除されるわけではありません。
二世議員が有利と言われるのはなぜ?
政治の世界では、地盤(後援会)・看板(知名度)・かばん(資金)を引き継げることが、二世議員の強みだとよく言われます。
このうち「かばん」が政治団体の資金です。個人の財産なら相続税がかかるのに、政治団体を通せばそのまま引き継げる。この差が、不公平だと言われる理由なんです。
宗教法人に相続税はかかる?
宗教法人は法人なので、人のように亡くなることはありません。法人そのものに相続は起きないので、お寺や神社の財産は代表者が代わっても相続税の対象になりません。
一方で、住職や宮司が個人で持っている財産には、一般の人と同じように相続税がかかります。お寺の財産と住職個人の財産は、きちんと分けて考えるんです。
公益事業に使う財産は非課税になることも
相続税法12条では、宗教・慈善・学術など公益を目的とする事業を行う一定の個人が、相続で取得した財産を公益事業に使う場合、相続税がかからないとされています。
また、墓地・墓石・仏壇・仏具など日常礼拝をしている物も非課税です。これは議員や宗教関係者に限らず、誰でも同じです。非課税になる財産の一覧は相続税とはでも確認できます。
一般社団法人で相続税を減らせる?
『一般社団法人に財産を移せば、相続税がかからないのでは』という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
一般社団法人には持分(株のような所有権)がないので、理事が亡くなっても、法人の財産は理事の遺産になりません。この仕組みを使った対策が以前から話題になってきました。
ただ、こうした使い方には税制の見直しが重ねられています。一定の要件に当てはまる一般社団法人では、理事が亡くなった時に法人に相続税が課されるルールもあります。
財産を個人から法人に移す時にも、贈与税や譲渡の税金がかかることがあります。「法人を作れば相続税ゼロ」と考えるのは危ないので、気をつけておきましょう。
一般の家庭で使える相続税の非課税・控除
議員や法人の話を聞くと、不公平に感じるかもしれません。でも、一般の家庭にも、法律で認められた非課税枠や控除があります。
- 基礎控除:3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
- 生命保険金・死亡退職金の非課税枠:それぞれ500万円 × 法定相続人の数
- 配偶者の税額軽減:1億6,000万円か法定相続分まで相続税がかからない
- 小規模宅地等の特例:自宅の土地は330㎡まで80%減額
- 墓地・墓石・仏壇など祭祀財産は非課税
実際、国税庁の「令和5年分 相続税の申告事績の概要」では、相続税の課税対象になった人は、亡くなった人の9.9%でした。多くの家庭は、こうした控除の範囲に収まっているんです。
自分の家がいくらからかかるかは、相続税はいくらからかかる?で家族構成別に確認できます。
財産が基礎控除を超えそうな方や、会社・法人を持っていて個人の財産との線引きが気になる方は、税理士に一度見てもらうと、何が相続財産になるのかがはっきりします。
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よくある質問
国会議員は相続税が免除されるのですか?
免除されません。議員個人の財産には、一般の人と同じように相続税がかかります。政治団体の財産が議員個人の財産ではないため、代表者交代で引き継いでも相続税がかからないというだけです。
二世議員が政治団体を引き継ぐと相続税はかかりますか?
政治団体の財産は団体のものなので、代表者が子に代わっても相続財産にはなりません。議員個人が持っていた預金や不動産を相続した場合は、相続税の対象です。
宗教法人の財産に相続税はかかりますか?
法人の財産には相続が起きないので、相続税はかかりません。住職など個人が持っている財産には、一般の人と同じように相続税がかかります。
まとめ
- 国会議員だから相続税が免除される制度はない
- 政治団体の財産は団体のもので、代表者が代わっても相続財産にならない
- 選挙運動に関して受け取り報告された金品は贈与税がかからない
- 宗教法人・一般社団法人の財産は法人のもの。ただし個人の財産には相続税がかかる
- 一般の家庭にも基礎控除・生命保険金の非課税枠・小規模宅地等の特例などがある






