実家の相続でやってはいけないこと|住む・売る・貸すの判断と注意点

実家の相続でやってはいけないことと判断のポイントを解説する記事のアイキャッチ

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親が亡くなって、誰も住んでいない実家が残った。『とりあえずそのままにしておけばいいか』と考える方は多いですよね。

結論から言うと、実家の相続でいちばん避けたいのは「名義を変えずに放置すること」と「なんとなく兄弟の共有にすること」です。

この記事では、実家の相続でやってはいけないことと、住む・売る・貸すを決める時の目安、手続きの期限を見ていきます。

目次

実家の相続でやってはいけないこと

先に結論
  • 相続登記をせずに放置するのはNGです。2024年4月1日から相続登記は義務になりました。
  • 使い道を決めないまま、兄弟の共有名義にするのは避けたいところです。
  • 住まない実家を空き家のまま何年も放っておくと、売る時の特例が使えなくなることがあります。
  • 相続税の申告が必要なら、期限は亡くなった日の翌日から10か月以内です。

1. 相続登記をしないで放置する

親名義の家を相続したら、名義を相続人に変える相続登記が必要です。

2024年4月1日から相続登記は義務になり、不動産を取得したと知った日から3年以内に登記しなければなりません。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります。

施行日より前に亡くなった祖父や祖母の家も対象です。この場合は2027年3月31日まで、または知った日から3年以内の遅い方が期限になります。

『祖母の家、まだ祖父の名義のままかも…』という方は、早めに登記簿を確認しておきましょう。

2. なんとなく兄弟の共有名義にする

「とりあえず兄弟3人で3分の1ずつにしておこう」という分け方は、よくあるのですが注意が必要です。

共有の家を売ったり大きく直したりするには、共有者の合意が必要になります。共有者の誰かが亡くなると、その配偶者や子どもが共有者に加わり、話がどんどんまとまりにくくなるんです。

3. 空き家のまま何年も放っておく

住まない実家を放っておくと、固定資産税や草刈り・修繕の手間がかかり続けます。

それに、売る時に使える特例には期限があります。売るか迷っている間に期限が過ぎてしまうことも。

4. 財産を調べずに遺産分割をする

実家の価値を調べずに「家は長男、預金は次男」と決めると、あとで不公平感からもめることがあります。

土地の評価は路線価方式や倍率方式で計算します。調べ方は土地の相続税評価額の調べ方で解説しています。

実家の相続でやってはいけない4つのことをまとめた図解

住む・売る・貸す、どう判断する?

実家をどうするかは、家族の誰かが住むかどうかで考えると決めやすくなります。

選択肢向いているケース気をつけたいこと
住む相続人の誰かが住む予定があるほかの兄弟との公平さ、修繕費
売る誰も住まない、維持費を負担したくない特例の期限、共有だと全員の合意が必要
貸す立地がよく借り手が見込める修繕・管理の手間、確定申告
手放す売るのが難しい土地相続土地国庫帰属制度の要件と費用

住むなら:代償分割で兄弟と公平に

実家に住む人が家を相続し、ほかの兄弟にはお金を払って調整する方法があります。これを代償分割と言います。

例えば、父が亡くなり、母はすでに亡くなっていて、相続人は兄と妹の2人。財産が実家と少しの預金だけなら、実家に住む兄が妹にお金を払う形にすると、共有を避けられます。

売るなら:特例を使えるか確認

被相続人が1人で住んでいた家を売る場合、一定の要件を満たすと譲渡所得から3,000万円を差し引ける特例があります。

対象は1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家などで、2027年12月31日までの売却が対象です。2024年1月1日以降の売却で相続人が3人以上の場合は、1人2,000万円になります。

また、相続税を納めた人が、申告期限の翌日から3年以内に相続した財産を売ると、払った相続税の一部を取得費に足せる特例もあります。

売る時の税金は相続した不動産を売却した時の税金で詳しく解説しています。

「住まない実家は相続してはいけない」は本当?

『住まない実家なら、相続しない方がいいの?』と迷う方もいますよね。

実家だけを放棄することはできません。相続放棄をすると、預金などほかの財産も含めて一切相続できなくなります。

いらない土地だけを手放したいなら、2023年4月27日に始まった相続土地国庫帰属制度があります。審査手数料は土地1筆14,000円で、承認後に負担金(原則20万円)がかかります。建物がある土地は申請できないので、解体が前提になります。

実家の相続手続きの流れと期限

実家の相続手続きの流れ
  1. 遺言書があるか確認する
  2. 戸籍を集めて相続人を確定する
  3. 登記簿や固定資産税の通知書で、実家の名義と評価額を確認する
  4. 相続人全員で遺産分割協議をして、協議書を作る
  5. 法務局で相続登記をする(取得を知った日から3年以内)
  6. 相続税がかかる場合は10か月以内に申告・納付する

相続登記の登録免許税は、固定資産税評価額 × 0.4%です。例えば固定資産税評価額が1,500万円の家なら、6万円になります。

戸籍の束の代わりに、法務局で無料で出してもらえる法定相続情報一覧図の写しを使うと、銀行や登記の手続きが楽になります。取り方は法定相続情報一覧図の取得方法を見てみてください。

家の相続はいつまで?

遺産分割そのものに法律上の期限はありません。ただ、2023年4月1日施行の改正民法で、相続開始から10年を過ぎると特別受益や寄与分を主張できなくなりました。

「急がなくていいよね?」
「登記は3年、相続税は10か月って期限があるから、話し合いは早めに始めよう」

こんな会話で、家族の足並みをそろえておくと安心です。

実家の相続税と小規模宅地等の特例

実家の土地は、小規模宅地等の特例を使えると、330㎡まで評価額を80%減らせます。

例えば土地の評価額が4,000万円で330㎡以内なら、評価額は800万円になります。ただし、配偶者が相続する、同居していた子が相続する、持ち家のない別居の子(いわゆる家なき子)が相続するなどの要件があります。適用には申告も必要です。

使えるかどうかで相続税が大きく変わるので、要件を満たすかは税理士に確認してみてください。実家の土地がある、兄弟で分け方がまとまらない、相続税がかかるか分からない、という場合は、早めに専門家へ相談すると手続きがぐっと楽になります。

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夫名義の家・義実家の土地はどうなる?

夫名義の家は、妻と子が相続人になるのが基本です。妻が住み続けたい時は、配偶者居住権という選択肢もあります。

旦那さんの実家(義実家)の土地は、義父母が亡くなった時に相続するのは夫です。妻は相続人ではないので、名義の話し合いには夫を通して関わることになります。

なお、市営住宅などの公営住宅は、住む権利を相続できないとされています。名義や退去の扱いは自治体に確認してみてください。

よくある質問

実家の相続登記はいつまでにすればいいですか?

不動産を取得したと知った日から3年以内です。2024年4月1日より前の相続も対象で、その場合は2027年3月31日まで、または知った日から3年以内の遅い方が期限です。

住まない実家は相続しない方がいいですか?

実家だけを放棄することはできず、相続放棄をするとほかの財産も受け取れません。売却や貸し出し、相続土地国庫帰属制度などの手放し方を比べて考えてみてください。

親の家を兄弟で相続する時の分け方は?

誰かが住むなら代償分割、誰も住まないなら売ってお金を分ける換価分割がよく使われます。共有名義は後でまとまりにくくなるので慎重に考えましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 実家の相続では、相続登記の放置と安易な共有名義を避けましょう。
  • 相続登記は取得を知った日から3年以内、相続税の申告は10か月以内です。
  • 住むなら代償分割、売るなら空き家の3,000万円特別控除などの特例を確認します。
  • いらない土地は相続土地国庫帰属制度で手放せることがあります。
  • 小規模宅地等の特例を使えると、土地の評価額を330㎡まで80%減らせます。
相続の手引き

相続の手引き 編集部

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