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親とずっと同居して面倒を見てきた。『同居していた分、相続では多くもらえるのでは?』と考える方は多いですよね。反対に、別居の兄弟から見ると『同居していたほうが有利なのはずるい』と感じることも。
結論から言うと、同居か別居かで法律上の取り分(法定相続分)は変わりません。ただし、相続税の特例や介護の貢献の扱いでは差が出ることがあります。
この記事では、同居と別居で何が同じで何が違うのかがわかります。
同居していると相続で有利?兄弟の割合は同じ
- 親と同居していても、別居していても、兄弟の法定相続分は同じです。
- 同居で差が出やすいのは、相続税の「小規模宅地等の特例」と、介護などの「寄与分」です。
- 同居していた子が実家を受け継ぐと、ほかの兄弟との分け方で揉めやすくなります。
法定相続分は、親との距離や暮らし方では決まりません。民法で、相続人の組み合わせごとに割合が決まっています。
例えば、母がすでに亡くなっていて、父の相続人が同居の長男と別居の長女の2人なら、割合は2分の1ずつです。配偶者がいる場合は、配偶者が2分の1、残りを子の人数で均等に分けます。
| 相続人 | 同居の子 | 別居の子 |
|---|---|---|
| 子2人だけ | 2分の1 | 2分の1 |
| 配偶者と子2人 | 4分の1 | 4分の1 |
| 配偶者と子3人 | 6分の1 | 6分の1 |
もちろん、相続人全員が合意すれば、同居していた子が多く受け取る分け方もできます。割合はあくまで話し合いの目安なんです。親の遺産の分け方は親の遺産相続の基本と兄弟の割合でも詳しく解説しています。
同居と別居で差が出るのはどこ?
法定相続分は同じでも、実際の相続では同居が影響する場面がいくつかあります。代表的なのは次の2つです。
相続税の小規模宅地等の特例
親が住んでいた自宅の土地は、要件を満たすと330㎡まで評価額を80%減らせます。これが特定居住用宅地等の小規模宅地等の特例です。
この特例を使える人は、配偶者、親と同居していた親族、持ち家のない別居の親族(いわゆる家なき子)などに限られます。同居の子が実家の土地を受け継ぐと、この特例を使いやすいんです。
例えば、評価額3,000万円の自宅の土地(200㎡)を同居の長男が相続し、特例が使えれば、評価額は600万円になります。別居で持ち家のある長女が相続すると、原則として特例は使えません。

なお、特例は申告して初めて使えます。要件はこまかく決まっているので、使えるかどうかは税理士に確認してみてください。
介護や家業の手伝いは「寄与分」になることも
『何年も介護してきたのに、取り分が同じなのは納得できない』という声はよく聞きます。
親の財産を維持したり増やしたりするのに特別な貢献をした相続人は、寄与分として多めの取り分を主張できる場合があります。ただ、同居して一緒に暮らしていた、というだけでは認められにくいのが現実です。
例えば、仕事を減らして長い間つきっきりで介護し、そのぶん介護サービスの費用がかからなかった、という場面なら検討の余地があります。介護の記録や日記、領収書を残しておくと、話し合いで説明しやすくなります。
同居していた長男の妻のように、相続人ではない親族が介護をしていた場合は「特別寄与料」を請求できることもあります。こちらは相続の開始と相続人を知った時から6か月以内、相続開始から1年以内という短い期限があるので注意しておきましょう。
なお、相続開始から10年を過ぎると、寄与分は原則として主張できなくなります。話し合いは早めに始めておきましょう。
同居していた子と兄弟で揉めやすい場面
同居と別居の違いは、お金の話になると表に出てきます。よくあるのは次のような場面です。
- 遺産の大半が実家で、同居の子が住み続けたい
- 同居の子が親の預金を管理していて、使い道がわからない
- 同居中に家賃を払っていなかったことを、別居の兄弟が気にしている
- 介護の負担の差を、取り分に反映するかで意見が割れる
例えば、こんなやり取りになりがちです。「実家は私が住むから、預金を多めにあげるよ」「でも預金だけじゃ半分にならないよね」。
実家を受け継ぐ子が、ほかの兄弟にお金を払って調整する「代償分割」という方法もあります。揉めごとの原因と対処は相続争いで兄弟が揉める原因と対処法も参考にしてみてください。
親の預金を管理していた子は、通帳や領収書を残しておくと説明がしやすくなります。疑われた時に答えられる準備をしておくことが、自分を守ることにもつながるんです。
実家の土地があって相続税がかかりそうな場合は、特例が使えるかどうかで税額が大きく変わります。同居していた子が土地を受け継ぐ予定なら、申告の前に税理士に相談しておくと安心です。
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よくある質問
同居していた子は、遺産を多くもらう権利がありますか?
同居していただけでは、法定相続分は増えません。介護などで特別な貢献があれば寄与分を主張できる場合がありますが、まずは相続人全員の話し合いで決めます。
別居していると、実家の土地に小規模宅地等の特例は使えませんか?
別居でも、持ち家がないなどの要件を満たせば使える場合があります。要件はこまかいので、税理士に確認してみてください。
同居中に家賃を払っていなかったことは、相続で問題になりますか?
親の家に無償で住んでいたこと自体で、取り分が減るとは限りません。ただ、別居の兄弟が不公平と感じやすい点なので、話し合いでは丁寧に説明しておきましょう。
まとめ
- 同居でも別居でも、兄弟の法定相続分は同じ
- 同居の子は、実家の土地で小規模宅地等の特例を使いやすい
- 介護などの貢献は寄与分になることがあるが、同居だけでは認められにくい
- 実家や預金管理をめぐって揉めやすいので、記録を残して早めに話し合う






