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『うちの場合、誰がどれくらいもらえるの?』と、計算ツールに入れる前に仕組みを知りたい方も多いはずです。
結論から言うと、法定相続分の計算は「誰が相続人かを決める」「組み合わせで割合を当てはめる」「同じ順位の人数で割る」の3ステップです。この記事では、家族のパターン別に実際の金額でシミュレーションしてみます。
法定相続分の計算方法は3ステップ
法定相続分は、相続人の組み合わせで決まります。配偶者と子なら2分の1ずつ、配偶者と親なら3分の2と3分の1、配偶者と兄弟姉妹なら4分の3と4分の1です。同じ順位の人が複数いれば、その割合を人数で均等に分けます。
- 相続人を確定する(配偶者と、子・親・兄弟姉妹のどの順位か)
- 組み合わせに応じた割合を当てはめる
- 同じ順位の人が複数いれば、人数で均等に分ける
- 遺産の総額に割合を掛けて、1人あたりの金額を出す
配偶者は常に相続人です。そのうえで、第1順位が子、第2順位が父母などの直系尊属、第3順位が兄弟姉妹です。先の順位の人がいれば、後の順位の人は相続人になりません。
順位の考え方は相続順位と法定相続人の範囲で図とあわせて確認できます。
相続割合の早見表
まずは組み合わせごとの割合を一覧にしました。
| 相続人の組み合わせ | 配偶者 | その他の相続人(全体) |
|---|---|---|
| 配偶者と子 | 2分の1 | 2分の1 |
| 配偶者と直系尊属(父母など) | 3分の2 | 3分の1 |
| 配偶者と兄弟姉妹 | 4分の3 | 4分の1 |
| 配偶者のみ | 全部 | なし |
| 子のみ・親のみ・兄弟姉妹のみ | なし | 全部を人数で均等に |
『その他の相続人の2分の1を、さらに子の人数で割るんですよね?』と気づいた方、その通りです。
右の列は、その順位の人たち全体の取り分です。1人あたりは、そこから人数で割って出します。
相続割合シミュレーション|家族のパターン別
ここからは、実際の金額で計算してみましょう。すべて遺産の総額を6,000万円とします。
配偶者と子2人の場合
夫が亡くなり、妻と子2人が相続するケースです。
- 妻:6,000万円 × 2分の1 = 3,000万円
- 子1人あたり:6,000万円 × 2分の1 × 2分の1 = 1,500万円
配偶者と父母の場合
子どもがいない夫婦で、夫が亡くなり、夫の父母が健在のケースです。
- 妻:6,000万円 × 3分の2 = 4,000万円
- 父母1人あたり:6,000万円 × 3分の1 × 2分の1 = 1,000万円
配偶者と兄弟姉妹3人の場合
子どもがおらず、父母もすでに亡くなっているケースです。
- 妻:6,000万円 × 4分の3 = 4,500万円
- 兄弟姉妹1人あたり:6,000万円 × 4分の1 × 3分の1 = 500万円
子どもがいない夫婦の相続は、兄弟姉妹が相続人になって話がまとまりにくいことも。詳しくは子供がいない夫婦の相続で解説しています。

法定相続分の計算で迷いやすいケース
ここが大事なところです。少し複雑な家族の計算も見ておきましょう。
子の1人が先に亡くなっている(代襲相続)
妻と子2人が相続人で、子の1人がすでに亡くなり、その子(孫)が2人いるケースです。孫は、亡くなった親の取り分をそのまま引き継いで分けます。
- 妻:6,000万円 × 2分の1 = 3,000万円
- 生きている子:6,000万円 × 2分の1 × 2分の1 = 1,500万円
- 孫1人あたり:1,500万円 × 2分の1 = 750万円
父母の片方だけが同じ兄弟姉妹(半血)がいる
半血の兄弟姉妹の相続分は、両親とも同じ兄弟姉妹の2分の1です。
例えば、配偶者も子も親もいない人が亡くなり、両親が同じ兄が1人、父だけが同じ弟が1人いるケースです。遺産3,000万円なら、兄と弟は2対1の割合で分けます。
- 兄:3,000万円 × 3分の2 = 2,000万円
- 弟:3,000万円 × 3分の1 = 1,000万円
前の配偶者との子・養子・認知された子
前の配偶者との子も、今の配偶者との子と同じく相続人です。養子や認知された子も、実子と同じ相続分になります。
一方、内縁の配偶者は相続人ではありません。『長年一緒に暮らしてきたのに?』と思いますよね。内縁の配偶者には、特別縁故者として家庭裁判所に財産分与を申し立てる道があります。
遺留分も法定相続分から計算する
遺言で特定の人に多く残すとされていても、兄弟姉妹以外の相続人には最低限の取り分である遺留分があります。遺留分も、法定相続分を使って計算します。
全体の遺留分は、直系尊属だけが相続人なら財産の3分の1、それ以外は2分の1です。これを法定相続分で分けます。
例えば、遺産6,000万円で、妻と子2人が相続人のケースです。
- 全体の遺留分:6,000万円 × 2分の1 = 3,000万円
- 妻の遺留分:3,000万円 × 2分の1 = 1,500万円
- 子1人の遺留分:3,000万円 × 4分の1 = 750万円
遺留分を侵害された人は、遺留分侵害額請求でお金を求められます。相続の開始と侵害を知った時から1年で消滅するので、気になる時は早めに動きましょう。
- 配偶者が法律上の配偶者か(内縁は含めない)
- 先に亡くなった子がいないか(いれば孫が代襲相続)
- 相続放棄をした人がいないか
- 兄弟姉妹が相続人の時、半血の人がいないか
法定相続分どおりに分けないといけない?
『この割合どおりに分けなきゃいけないの?』と心配する方もいるはずです。
実は、法定相続分は話し合いがまとまらない時の目安なんです。相続人全員が合意すれば、遺産分割協議で自由な割合に決められます。遺言書があれば、基本的には遺言の内容が優先されます。
例えばこんな話し合いです。
「お母さんが家に住み続けるから、家はお母さんの名義にしよう」
「その代わり、預金は私たち兄弟で分けようか」
ただし、相続税の計算では、実際の分け方とは関係なく、一度は法定相続分で分けたと仮定して相続税の総額を出します。分け方を決める時は、相続税がどう変わるかもあわせて考えておくと安心です。
計算ツールを使う時も、入力する相続人の数と順位が正しいかを先に確かめてみてください。ここを間違えると、結果がすべてずれてしまいます。
特に、先に亡くなった子がいる、前の配偶者との子がいる、という家族は、入力の段階で間違えやすいところです。戸籍で相続人を確かめてから計算してみてください。ここさえ押さえれば、計算そのものは難しくありません!
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よくある質問
法定相続分どおりに分けないといけませんか?
守る義務はありません。相続人全員が合意すれば、遺産分割協議で自由に分けられます。
相続放棄した人がいる場合の法定相続分はどうなりますか?
放棄した人は初めから相続人でなかったことになるので、残った相続人で割合を計算し直します。同じ順位の全員が放棄すれば、次の順位の人が相続人になります。
孫は法定相続分をもらえますか?
子が先に亡くなっている場合は、孫が代襲相続人として子の取り分を引き継ぎます。孫が複数いれば、その取り分を均等に分けます。
法定相続分の計算で、内縁の妻は含まれますか?
含まれません。内縁の配偶者は相続人ではないため、法定相続分もありません。特別縁故者として財産分与を申し立てる道があります。
まとめ
- 法定相続分の計算は、相続人の確定・割合の当てはめ・人数で割るの3ステップ
- 配偶者と子は2分の1ずつ、配偶者と親は3分の2と3分の1、配偶者と兄弟姉妹は4分の3と4分の1
- 代襲相続の孫は、亡くなった親の取り分を人数で分ける
- 半血の兄弟姉妹の相続分は、全血の兄弟姉妹の2分の1
- 相続人全員が合意すれば、法定相続分と違う割合で分けてもよい







