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親が亡くなってから何年もたち、『遺産相続って時効はあるの?』『10年放置したらもう相続できない?』と気になっていませんか。
結論から言うと、遺産を相続する権利そのものに時効はありません。ただし、相続回復請求権や遺留分、相続放棄、相続税の申告などには、それぞれ期限や時効があります。
この記事を読めば、相続でよく聞く「10年」「20年」「7年」が何の期限なのかと、放置した時にどうなるかがわかります。
遺産相続に時効はある?
遺産相続そのもの(遺産を受け継ぐ権利や遺産分割)に時効はありません。ただし、相続回復請求権は侵害を知った時から5年・相続開始から20年、遺留分侵害額請求は知った時から1年・相続開始から10年で消えます。遺産分割も、相続開始から10年を過ぎると特別受益や寄与分を主張できなくなります。
『もう何年もたっているから、相続できないのでは』と心配する方は多いです。でも、遺産分割に法律上の期限はありません。何年たっても、相続人全員で話し合って遺産を分けることはできます。
ただ、時間がたつほど不利になる期限がいくつもあるんです。
| 項目 | 期限・時効 |
|---|---|
| 相続放棄・限定承認 | 相続の開始を知った時から3か月以内 |
| 相続税の申告・納付 | 知った日の翌日から10か月以内 |
| 相続登記 | 取得を知った日から3年以内(義務) |
| 遺留分侵害額請求 | 知った時から1年/相続開始から10年 |
| 特別受益・寄与分の主張 | 相続開始から10年まで |
| 相続回復請求権 | 侵害を知った時から5年/相続開始から20年 |

受け取れるお金にも時効がある
見落としやすいのが、遺族が受け取れるお金の時効です。請求しないまま時間がたつと、受け取れなくなることもあります。
| 受け取れるお金 | 時効・期限 |
|---|---|
| 未支給年金 | 5年 |
| 葬祭費・埋葬料 | 2年以内に請求 |
| 相続税を納めすぎた時の更正の請求 | 原則として法定申告期限から5年以内 |
| 特別寄与料(相続人でない親族の介護などの貢献) | 知った時から6か月・相続開始から1年以内 |
『年金の手続き、そういえばしていなかった』という方は、日本年金機構の窓口に一度確認してみてください。
期限の一覧は、相続手続きの流れでも順番に確認できます。
相続回復請求権とは?時効は5年と20年
相続回復請求権とは、本当の相続人が、相続人ではない人に遺産を持っていかれた時に、取り戻すよう求める権利です。
例えば、戸籍上は相続人に見えるけれど実は相続人ではなかった人が、遺産を自分のものにしていたケースが典型です。
相続回復請求権の時効
民法884条では、相続回復請求権は次のどちらかで消えるとされています。
- 相続権を侵害された事実を知った時から5年
- 相続開始の時から20年
「相続 時効 20年」と言われるのは、この相続回復請求権のことが多いです。条文は、政府の日本法令外国語訳データベース(民法)でも確認できます。
ただ、兄弟など相続人どうしで遺産を取り合っている場面では、この権利が使える範囲は限られます。相続人どうしの問題は、遺産分割協議や調停で解決するのが一般的です。
取得時効との関係
もう一つ「相続 時効取得」という言葉もあります。取得時効は、他人の物を一定期間占有し続けると、その所有権を取得する仕組みです。
民法162条では、所有の意思をもって平穏・公然に占有した期間が20年、占有の始めに善意・無過失なら10年とされています。
『兄が実家に20年住んでいるから、兄のものになるの?』と思う方もいるかもしれません。ただ、相続人の1人が共有の実家に住んでいるだけでは、原則として取得時効は認められにくいとされています。個別の判断は弁護士に相談してみてください。
「相続 時効10年」は何の期限?
10年という数字は、相続では2つの場面でよく出てきます。
遺留分侵害額請求は相続開始から10年
遺留分は、兄弟姉妹以外の相続人に認められた最低限の取り分です。遺言で取り分が少なくされた時は、多くもらった人にお金で請求できます。
この請求は、相続の開始と侵害を知った時から1年、相続開始から10年で消えます。1年はあっという間なので、遺言の内容に納得できない時は早めに動きましょう。
遺産分割は10年で特別受益・寄与分が主張できなくなる
2023年4月1日施行の改正民法で、相続開始から10年を過ぎると、特別受益や寄与分を主張できなくなりました。原則として法定相続分で分けることになります。
例えば、こんな会話は10年を過ぎると通りにくくなります。
「兄さんは家を建てる時に父からお金をもらっていたよね」
「もう10年以上前の相続だから、法定相続分で分けるしかないよ」
相続を10年放置すると、生前の援助や介護の貢献が分け方に反映されなくなります。話し合いは早めに始めておくのがポイントです。兄弟で揉めてしまった時の対処法は相続争いの原因と対処法で解説しています。
「相続 時効7年」と後から出てきた財産
相続税は税務署が7年さかのぼることがある
相続税の申告に漏れがあった時、税務署が税額を直せる期間は、原則として法定申告期限から5年です。偽りや不正の行為で税を免れた場合は7年になります(国税庁の資料)。
『申告から何年かたったし、もう大丈夫』とは考えないほうが安心です。実際、令和6事務年度の相続税の実地調査では、申告漏れなどの非違があった割合は82.3%でした。
生前贈与の加算も7年に延びる
もう一つの7年は、生前贈与の加算期間です。2024年1月1日以降の贈与から、相続開始前7年以内の贈与が相続財産に足し戻されるようになりました。加算期間は2027年1月以降の相続から段階的に伸び、2031年1月以降の相続で7年になります。
相続の後から財産が出てきた場合
遺産分割が終わった後に預金などが見つかった時は、その財産について改めて相続人全員で話し合います。遺産分割に時効はないので、何年たっても分けることはできます。
ただし、相続税の申告が必要な家庭なら、見つかった財産を加えて修正申告をすることになります。早めに対応すれば、加算税などの負担を抑えられることもあります。
後から財産が出てきた、申告していなかった財産があるかもしれない。相続税がかかりそうなら、こうした時は早めに税理士に相談すると、修正の手順を一緒に確かめてもらえます。
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よくある質問
相続の時効は何年ですか?
遺産を相続する権利そのものに時効はありません。期限があるのは、相続放棄(3か月)、相続税の申告(10か月)、相続登記(3年)、遺留分侵害額請求(1年・10年)、相続回復請求権(5年・20年)などです。
相続を10年放置するとどうなりますか?
遺産を分ける権利はなくなりませんが、特別受益や寄与分を主張できなくなり、原則として法定相続分で分けることになります。相続登記も義務なので、放置すると過料の対象になることがあります。
親の借金に時効はありますか?
借金にも消滅時効はありますが、相続しただけで時効が早まるわけではありません。借金を引き継ぎたくない時は、知った時から3か月以内の相続放棄を検討しましょう。
まとめ
- 遺産を相続する権利や遺産分割そのものに時効はない
- 相続回復請求権は知った時から5年・相続開始から20年で消える
- 遺留分侵害額請求は1年・10年、特別受益と寄与分は10年まで
- 相続税は税務署が原則5年、不正があれば7年さかのぼれる
- 後から財産が出てきたら、相続人全員で分け直し、必要なら修正申告する






