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相続放棄申述書を書き始めたら、「放棄の理由」の欄で手が止まった。『関わりたくないから、なんて正直に書いていいの?』『理由次第で認められないこともある?』と迷っている方も多いはずです。
結論から言うと、放棄の理由は書式にある選択肢から選んで丸をつけるだけで足ります。「関わりたくない」なら「その他」を選んで、短く書けば大丈夫です。この記事では、理由別の書き方と記入例、理由より気をつけたい点がわかります。
相続放棄の理由は選んで丸をつけるだけ
相続放棄申述書の「放棄の理由」欄には、1から6までの選択肢があり、当てはまる番号を丸で囲みます。どれにも当てはまらない時は「6 その他」を選び、かっこ内に具体的に書きます。理由の内容によって放棄が認められないということは基本的になく、大事なのは期限内に申述することと、財産を使っていないことです。
裁判所が公開している相続放棄申述書の記入例では、「放棄の理由」の選択肢は次の6つです。
| 番号 | 書式の文言 | 当てはまる例 |
|---|---|---|
| 1 | 被相続人から生前に贈与を受けている。 | 生前に住宅資金などをもらっている |
| 2 | 生活が安定している。 | 自分の収入で暮らせていて、遺産は必要ない |
| 3 | 遺産が少ない。 | 受け取るほどの財産がない |
| 4 | 遺産を分散させたくない。 | 家業や自宅を一人の相続人に継がせたい |
| 5 | 債務超過のため。 | 借金のほうが多い |
| 6 | その他 | 1から5に当てはまらない(かっこ内に具体的に書く) |
(出典:裁判所 相続の放棄の申述書の記入例)

『正直な理由を書くと、裁判所に悪く思われない?』と心配になりますよね。相続放棄は、相続人が自由に選べる権利です。理由の良し悪しを裁判所が判断して、認めるかどうかを決めるものではないんです。
相続放棄そのものの仕組みは相続放棄とはで解説しています。
理由別の書き方と記入例
「関わりたくない」場合の書き方
親族との関係がこじれていて、とにかく相続に関わりたくない。これは相続放棄でとても多い理由です。
選択肢の1から5には当てはまらないので、「6 その他」に丸をつけ、かっこ内に書きます。
6 その他(被相続人やほかの相続人と長年疎遠であり、相続に関わりたくないため)
「関わりたくない」とそのまま書いても問題はありません。ただ、気になるなら「疎遠のため」「遺産分割に加わる意思がないため」のように言い換えると、書きやすくなります。
「絶縁している」場合の書き方
親と長く連絡を取っていなかった、勘当されていた。こうしたケースも「その他」で書きます。
6 その他(被相続人とは○年以上音信不通であり、遺産を受け継ぐ意思がないため)
年数は自分の状況に合わせて書いてください。わからなければ「長年」で大丈夫です。
「生活が安定している」場合
自分の生活に困っていないので遺産はいらない、ほかの兄弟に譲りたい。この場合は「2 生活が安定している。」に丸をつければ足ります。
借金があるかもしれない場合
亡くなった人に借金があって、プラスの財産より多い。この場合は「5 債務超過のため。」を選びます。
借金の全体がはっきりしなくても、多そうだとわかっていれば5を選んで問題ありません。生前に贈与も受けていたなど、当てはまる番号が複数ある時は、複数に丸をつけてもかまいません。
家を継ぐ兄弟に遺産を集めたい場合
「長男が実家と家業を継ぐので、自分は放棄して遺産を集中させたい」なら「4 遺産を分散させたくない。」を選びます。
ただ、遺産を特定の人に集めたいだけなら、相続放棄より遺産分割協議で「自分は受け取らない」と決める方法もあります。放棄は借金も含めてすべてを手放すので、どちらが合うかよく考えてみてください。
「相続の開始を知った日」の書き方
放棄の理由の上には、「相続の開始を知った日」を書く欄があります。ここも番号を選ぶ形式です。
- 1 被相続人死亡の当日
- 2 死亡の通知をうけた日
- 3 先順位者の相続放棄を知った日
- 4 その他(かっこ内に具体的に書く)
ここが大事なところです。相続放棄の期限は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内です。亡くなった日から時間がたっている場合は、いつ知ったのかを正確に書いておきましょう。
例えば、疎遠だった父の死亡を、半年後に役所からの手紙で知ったケース。この場合は「2 死亡の通知をうけた日」を選び、手紙を受け取った日を書きます。手紙など、知った日がわかる資料も残しておくと安心です。
先に相続人だった人(例えば亡くなった人の子供)が全員放棄したため、自分(兄弟姉妹など)が相続人になったなら「3 先順位者の相続放棄を知った日」を選びます。
理由より気をつけたいこと
財産を使うと放棄できなくなることがある
『どう書けば認めてもらえるか』より大事なのが、亡くなった人の財産に手をつけていないことです。財産を処分したり使ったりすると、相続を認めた(単純承認)とみなされ、放棄できなくなることがあります。
「とりあえず口座のお金で家賃を払っておいた」「形見として車を売った」。良かれと思ってしたことが、放棄の妨げになる場合があるんです。
裁判所から質問の書類が届くことも
申述書を出した後、家庭裁判所から放棄の意思などを確認する書類が届くことがあります。届いたら、申述書と食い違わないように答えて返送してください。
申述にかかる費用と提出先
申述書は、亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所に出します。費用は申述人1人につき収入印紙800円と、連絡用の郵便切手(額は裁判所ごと)です。戸籍謄本などの取得費も別にかかります。
申述書の書き方全体は相続放棄申述書の書き方で解説しています。
放棄した後に知っておきたいこと
放棄すると、初めから相続人でなかったことになり、次の順位の人が相続人になります。子供が全員放棄すれば亡くなった人の親、親もいなければ兄弟姉妹が相続人です。
「関わりたくない」から放棄しても、次の相続人には連絡が行きます。親族への影響が気になる時は、放棄したことを一言伝えておくと、後でトラブルになりにくくなります。
また、放棄しても、現に占有している財産は次の相続人などに引き渡すまで保存する義務があります。亡くなった人の家に住んでいる場合などは気をつけておきましょう。
放棄するか迷っていて、財産の中に土地や預金もある。借金とどちらが多いか、相続税がかかるのかを知ってから判断したい。相続税がかかりそうなら、そんな時は税理士に財産の全体を見てもらうと、放棄するかどうかを決めやすくなります。
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よくある質問
相続放棄の理由を「関わりたくない」と書いても大丈夫ですか?
大丈夫です。「6 その他」を選び、かっこ内に「疎遠であり、相続に関わりたくないため」などと書きます。理由の内容で放棄が認められないことは基本的にありません。
相続放棄の理由は複数選んでもいいですか?
はい。当てはまる番号が複数あれば、複数に丸をつけてかまいません。
理由の書き方を間違えたら放棄できませんか?
理由の書き方だけで放棄できなくなることは基本的にありません。気をつけたいのは、期限の3か月を過ぎないことと、亡くなった人の財産を使わないことです。
まとめ
- 放棄の理由は、書式の1から6の選択肢から選んで丸をつける
- 「関わりたくない」「絶縁」は「6 その他」を選び、短く具体的に書く
- 理由の内容で放棄が認められないことは基本的にない
- 相続の開始を知った日は正確に。期限は知った時から3か月以内
- 財産を使うと放棄できなくなることがあるので注意






