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相続人が全員相続放棄をして、空き家や土地だけが残ってしまった。『相続財産清算人を選ぶには予納金がいると聞いたけど、いくらかかるの?』と不安になっていませんか。
結論から言うと、予納金の額は家庭裁判所が事案ごとに決めるので、一律の相場はありません。この記事では、申立てにかかる費用の内訳と、誰が払うのか、払えない時の考え方がわかります。
相続財産清算人の予納金とは
相続財産清算人の選任を申し立てる時は、収入印紙800円、郵便切手、官報公告料5,582円がかかります。さらに、相続財産だけでは清算人の報酬や手続きの費用をまかなえない見込みの時は、申立人が「予納金」を納めることがあります。予納金の額は家庭裁判所が財産の状況を見て決めます。
相続財産清算人は、相続人がいない時や全員が相続放棄した時に、家庭裁判所が選ぶ人です。財産を管理し、借金を払い、残りを国に引き継ぐまでの手続きをします。2023年4月の改正で、「相続財産管理人」から名前が変わりました。
清算人には報酬が支払われ、官報への公告などの費用もかかります。これらは原則として相続財産から払われます。
ただ、財産が古い空き家や売れない土地だけだと、お金が足りませんよね。その不足分を前もって預けておくのが予納金なんです。
清算人の役割は相続財産清算人とはで詳しく解説しています。
相続財産清算人の選任にかかる費用の内訳
裁判所の案内によると、申立てにかかる費用は次のとおりです。
| 費用 | 金額 | 補足 |
|---|---|---|
| 収入印紙 | 800円 | 申立書に貼る |
| 郵便切手 | 裁判所ごとに異なる | 申立先の裁判所に確認 |
| 官報公告料 | 5,582円 | 家庭裁判所の指示があってから納める |
| 予納金 | 事案ごとに裁判所が決める | 財産が不足しそうな時に納める |
| 戸籍謄本などの取得費 | 通数による | 亡くなった人や相続人の戸籍など |

予納金の相場はいくら?
『相場だけでも知りたい』という方も多いはずです。
ただ、予納金は、財産の中身(預金がどれくらいあるか、不動産が売れそうか)や、清算にかかる手間で大きく変わります。公的な相場や上限は示されていません。
例えば、預金がある程度残っていて費用をまかなえそうなら、予納金がいらない、または少なくて済むことがあります。反対に、売れにくい土地や傷んだ建物だけが残っている場合は、高めになりやすいです。
正確な額は、申立先の家庭裁判所に財産の状況を伝えて確認するのが近道です。
予納金は誰が払う?
予納金を払うのは、清算人の選任を申し立てた人です。申立てができるのは、利害関係人と検察官です。
- 亡くなった人にお金を貸していた人(債権者)
- 遺言で特定の財産を受け取ることになっている人
- 特別縁故者として財産分与を求めたい人
- 相続放棄をしたが、財産を現に占有していて引き渡したい人
申立先は、亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所です。
相続放棄した人が申し立てる場面
相続放棄をしても、放棄の時に空き家などを現に占有していた人は、相続人か清算人に引き渡すまで保存する義務があります。
全員が放棄して相続人がいなくなると、引き渡す相手は清算人だけです。そのため、放棄した人が予納金を払って申立てをするケースもあります。
「申し立てなければ、ずっと管理し続けるの?」
「引き渡すまでは保存義務が残るので、管理の負担と予納金を比べて決めることになります」
放棄後の管理義務については相続放棄後の管理義務で解説しています。
予納金が払えない時・返還される時
予納金が払えない時は
予納金が用意できない時は、申立ての前に家庭裁判所へ相談してみてください。財産の状況によっては、額について相談できることもあります。
ほかの利害関係人(債権者など)と費用を分け合えないか話してみるのも一つの方法です。
ここが大事なところです。申立てをしないと、財産を占有している人の保存義務は続きます。払えないからと放っておくと、建物の傷みが進んで負担が増えることもあります。
予納金は返還される?
清算の結果、財産を売ったお金などで報酬や費用をまかなえた時は、予納金の残りが申立人に戻ってくることがあります。
一方で、財産が足りなければ、予納金は報酬や費用に使われて戻ってきません。戻ってくる前提で考えず、払い切りになる可能性も見込んでおきましょう。
空き家の解体費用はどうなる?
清算人が空き家を処分するために解体が必要になった場合、その費用も原則として相続財産から払われます。
財産で足りない見込みなら、そのぶん予納金が高くなる要因になります。危険な空き家があるなら、申立ての時に建物の状態も伝えておくと話が早いです。
申立ての流れ
- 亡くなった人の財産と借金、相続人が全員放棄したことを確認する
- 戸籍謄本などの書類と申立書をそろえる
- 最後の住所地の家庭裁判所に申し立てる(収入印紙800円・郵便切手)
- 裁判所の指示を受けて、官報公告料5,582円と予納金を納める
- 清算人が選ばれたら、占有している財産を引き渡す
申立てをしなくていいケースもある
『全員が放棄したら、誰かが清算人を申し立てないといけないの?』と思いますよね。
実は、放棄した人が財産を現に占有していなければ、保存義務はなく、自分から申立てをする必要もありません。亡くなった人にお金を貸していた金融機関などが、回収のために申し立てることもあります。
例えば、遠方にあって一度も使ったことのない土地だけが残っているケースです。この場合は、放棄した人が予納金を払ってまで申し立てるかどうか、落ち着いて考えて大丈夫です。
清算人が選ばれた後はどうなる?
清算人が選ばれると、官報で公告され、債権者や相続人を探す手続きが進みます。そのうえで、財産を売ってお金に換え、借金を払っていきます。
特別縁故者から財産分与の申立てがあれば家庭裁判所が判断し、最後に残った財産は国のものになります。手続きには時間がかかることが多いので、清算人とは連絡を取れるようにしておきましょう。
放棄する前に考えたいこと
相続放棄をすると、清算人の申立てや予納金が必要になる場面があります。財産と借金を比べて、放棄が本当に得かどうかを見ておくことが大切です。
土地や預金も残っていて相続税がかかるかもしれない、借金との兼ね合いで迷っている、という場合は、放棄の期限(相続の開始を知った時から3か月以内)の前に税理士へ相談してみると判断しやすくなります。
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よくある質問
相続財産清算人の予納金はいくらですか?
家庭裁判所が、財産の中身や清算の手間を見て事案ごとに決めます。公的な相場や上限はないので、申立先の家庭裁判所に確認してください。予納金とは別に、収入印紙800円・郵便切手・官報公告料5,582円がかかります。
相続財産清算人の予納金は誰が払いますか?
選任を申し立てた人が払います。申立てができるのは、債権者や特別縁故者、財産を占有している相続放棄者などの利害関係人と検察官です。
予納金は返ってきますか?
清算の結果、財産から報酬や費用をまかなえた時は、残りが返ってくることがあります。財産が足りなければ費用に使われて返ってこないこともあります。
相続放棄をしたら、清算人の申立てをしないといけませんか?
放棄の時に財産を現に占有していなければ、保存義務はなく、申立ても義務ではありません。占有している財産がある時は、引き渡すまで保存義務が続くため、申立てを検討することになります。
まとめ
- 申立てには収入印紙800円・郵便切手・官報公告料5,582円がかかる
- 財産で費用をまかなえない見込みの時は、予納金を納めることがある
- 予納金の額は家庭裁判所が事案ごとに決め、公的な相場はない
- 予納金を払うのは申立人。払えない時は申立て前に裁判所へ相談する
- 財産で費用をまかなえれば、予納金の残りが返ってくることがある





