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兄弟が相続を放棄してくれて、実家を自分が継げることになった。何かお礼をした方がいいのか、いくらくらいが相場なのか、迷いますよね。
結論から言うと、お礼は法律上の義務ではありません。ただ、お金で渡す時は税金のかかり方に注意が必要です。相場の考え方、渡し方、手紙の書き方まで順番に見ていきます。
相続放棄してくれた兄弟へのお礼は必要?
相続放棄してくれた兄弟へのお礼は、法律で決まったものではなく、渡すかどうかも金額も自由です。ハンコ代・謝礼金に公的な相場はありません。お金で渡す場合、家庭裁判所で放棄した兄弟に後から渡すと贈与税の対象になり、遺産分割の中で渡すと相続税の対象になります。
まず、「相続放棄」という言葉には2つの意味が混ざっていることが多いんです。
1つは、家庭裁判所に申述する正式な相続放棄。もう1つは、遺産分割協議で「自分は何ももらわない」と合意することです。後者は、法律上は放棄ではなく遺産分割の一つの形になります。
『ハンコを押してくれたから』というお礼の場面は、実は後者のことがほとんどです。どちらなのかで、お礼の渡し方と税金が変わってきます。
正式な相続放棄の仕組みは 相続放棄とは で詳しく解説しています。
正式な相続放棄と「遺産分割での放棄」の違い
| 項目 | 家庭裁判所での相続放棄 | 遺産分割で何ももらわない |
|---|---|---|
| 手続き | 家庭裁判所に申述 | 相続人全員で遺産分割協議 |
| 期限 | 知った時から3か月以内 | 法律上の期限はない |
| 借金 | 引き継がない | 債権者には法定相続分で請求されることがある |
| 次の順位の人 | 相続人になる | 相続人は変わらない |
ここで気をつけたいのが、家庭裁判所で放棄すると次の順位の人が相続人になる点です。
例えば、親の子が全員放棄すると、親の兄弟姉妹が相続人になります。『実家を継ぐ兄に譲るつもりだった』のに、叔父や叔母に権利が移ってしまうことも。兄弟の一人に譲りたいなら、遺産分割で合意する方法が合っていることが多いんです。
正式な放棄の手順は 相続放棄の手続きの流れ で確認できます。
ハンコ代・謝礼金の相場はいくら?
『みんなはいくら渡しているの?』と気になりますよね。ただ、ハンコ代や謝礼金には法律や公的な基準がなく、決まった相場はありません。
金額を決める時は、次のような点を家族で話し合うのが現実的です。
- 放棄してくれた兄弟の法定相続分にあたる金額はどのくらいか
- 遺産が実家など分けにくい財産だけか、預金もあるか
- 放棄してくれた理由(親の介護をしてくれた人に譲った等)
- 渡す側が無理なく払える金額か
- 他の兄弟とのバランスがとれているか
例えば、親が亡くなり、子3人のうち1人が実家を継ぐケース。残る2人が取り分を譲ってくれたなら、預金の一部を分ける、といった形がよくあります。
金額より大事なのは、全員が納得していることです。後から『やっぱり少ない』と揉めないよう、話し合った内容は書面に残しておきましょう。
お礼のお金にかかる税金と渡し方
ここが大事なところです。お金の渡し方で、かかる税金が変わります。
| 渡し方 | かかる税金 |
|---|---|
| 家庭裁判所で放棄した兄弟に、後から自分のお金で渡す | 受け取った兄弟に贈与税 |
| 遺産分割協議の中で、代わりにお金を払う約束をする(代償分割) | 遺産の一部として相続税の計算に入る |
| 品物や食事でお礼をする | 社会通念上の範囲なら問題になりにくい |

贈与税は、受け取る人ごとに年110万円の基礎控除があります。年110万円以下なら、贈与税はかかりません。
一方で、遺産分割の中で「実家を継ぐ人が、他の兄弟にお金を払う」と決める方法を代償分割と言います。この場合、受け取ったお金は相続で取得したものとして扱われるんです。
『正式に放棄してもらった後でお金を渡したい』という時は、贈与になる点を知っておきましょう。代償分割にするなら、遺産分割協議書に金額と支払い方を書いておくのが基本です。
遺産が大きく相続税がかかりそうな場合、渡し方で税額が変わることも。どの方法がよいか、税理士に計算してもらうと安心です。
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お礼の手紙の例文
お金を渡すにしても品物にするにしても、ひと言添えると気持ちが伝わります。例えば、こんな文面です。
「このたびは、実家のことで大きな決断をしてくれて本当にありがとう。父が大事にしていた家を、これからもきちんと守っていきます。ささやかですが、気持ちを受け取ってもらえるとうれしいです」
かしこまりすぎる必要はありません。普段の言葉で、何に感謝しているのかを具体的に書いてみてください。
よくある質問
相続放棄してくれた兄弟にお礼をしないと問題になりますか?
法律上、お礼の義務はありません。ただ、気持ちの面でしこりが残ることもあるので、言葉だけでも感謝を伝えておくと関係が保ちやすくなります。
ハンコ代を渡せば、相続放棄は取り消されませんか?
お礼を渡したことで、家庭裁判所に受理された相続放棄が取り消されることはありません。ただ、放棄する前に遺産を受け取ると、単純承認とみなされて放棄できなくなることがあるので順番に注意しましょう。
お礼は品物でもいいですか?
品物や食事でのお礼も一般的です。高額な品物を渡す場合は、お金と同じく贈与税の対象になることがあります。
まとめ
- 相続放棄してくれた兄弟へのお礼は義務ではなく、公的な相場もない
- 家庭裁判所で放棄した後にお金を渡すと贈与税の対象(年110万円の基礎控除あり)
- 遺産分割の中で払う代償分割なら、相続税の計算に入る
- 金額は法定相続分や遺産の中身を見て、全員が納得できる形で決める





