当サイトは国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。
親が田んぼや畑を持っていて、『農業はしないのに、相続したらどうなるの?』と悩んでいる方も多いですよね。
結論から言うと、田畑も家や預金と同じように相続できます。相続した後は、相続登記と農業委員会への届出が必要です。使わない田んぼでも、放置すると管理の負担や登記の義務がついて回ります。
この記事では、田畑を相続した時の手続きと、いらない時の手放し方を見ていきます。
田畑を相続したら何をすればいい?
- 相続で田畑を取得する時は、農地法の許可はいりません。
- 不動産を取得したと知った日から3年以内に相続登記をします(正当な理由なく怠ると10万円以下の過料)。
- 登記とは別に、市町村の農業委員会への届出も必要です。
田畑の売買には、ふつう農地法の許可が必要です。ただ、相続で取得する場合は許可がいりません。その代わりに、農業委員会に「相続で取得しました」と届け出る仕組みになっています。
- 登記事項証明書で、田畑の地番と名義を確かめる
- 遺産分割協議で、誰が田畑を相続するか決める
- 法務局に相続登記を申請する
- 農業委員会に、相続で農地を取得したことを届け出る
- 耕作を続けるか、貸すか、手放すかを決める

『届出の期限はいつまで?』と気になりますよね。届出の期限や書式は市町村の農業委員会で案内しているので、相続登記と同じころに確認しておきましょう。
田畑の相続税評価
相続税の計算では、農地を4種類に分けて評価します(国税庁 タックスアンサー No.4623)。
| 農地の種類 | 主な評価方法 |
|---|---|
| 純農地・中間農地 | 固定資産税評価額×倍率(倍率方式) |
| 市街地周辺農地・市街地農地 | 宅地とした場合の価額をもとに計算(宅地比準方式など) |
田舎の田んぼは、評価額がそれほど高くならないことも多いです。一方で、住宅地に近い畑は宅地並みに評価されることがあります。
農業を続ける相続人には、相続税の納税猶予の特例もあります。要件が細かいので、使えるかどうかは税理士に確認してみてください。
田畑を共有のままにしない
『とりあえず兄弟みんなの共有にしておこう』と考える方もいますよね。
ただ、共有にすると、売る時や貸す時に全員の同意が要ります。次の相続が起きると共有者がさらに増え、話し合いが難しくなることも。
田畑は、耕作する人や管理できる人が1人で相続する形にしておくと、後の手間が減ります。
小作権がある田畑の相続
『田んぼを近所の人に貸している』というケースもありますよね。
農地を借りて耕作する権利(小作権・賃借権)は、貸している側が亡くなっても消えません。相続人は、貸主の立場をそのまま引き継ぎます。
農地の賃貸借を解約するには、原則として都道府県知事の許可が必要です。『相続したから返してほしい』と言っても、すぐに返してもらえるとは限りません。
反対に、亡くなった人が農地を借りて耕作していた場合は、その借りる権利も相続の対象になります。
「お父さんが借りてた田んぼ、どうする?」
「誰も耕さないなら、地主さんに相談して返そうか」
こうした話し合いも、相続の手続きと並行して進めておくと安心です。
固定資産税は誰が払う?
田畑にも固定資産税がかかります。遺産分割がまとまるまでの間は、相続人の代表者に納税通知書が届くことが多いです。
『払った分は後で精算できる?』と気になりますよね。立て替えた税金は、遺産分割の話し合いの中で精算するのが一般的です。
田んぼの相続がいらない時はどうする?
ここが悩みどころですよね。
手放し方の選択肢
| 方法 | ポイント |
|---|---|
| 相続放棄 | 田畑だけでなく、預金など全部の財産を放棄する。知った時から3か月以内 |
| 相続土地国庫帰属制度 | 相続した土地を国に引き取ってもらう。審査手数料1筆14,000円と負担金がかかる |
| 売る・貸す | 農家に売る・貸すには農地法の許可が要る。転用できる土地なら選択肢が広がる |
相続放棄は、田んぼだけを放棄することはできません。預金や家も一緒に放棄することになるので、ほかの財産とのバランスで考えましょう。
相続土地国庫帰属制度は、承認されると負担金を納めます。負担金は原則20万円ですが、農地の一部は面積で計算します。建物がある土地や担保権がついた土地は申請できません。
『誰も住んでいない遠くの田舎の畑』でも、相続人の1人が相続して登記するのが基本です。相続人どうしで共有のまま放っておくと、次の相続でさらに名義が複雑になります。
相続の全体の流れは相続手続きの流れで確認できます。相続の基本は相続とはも参考にしてみてください。
田畑のほかに自宅や預金があり、相続人が何人もいる家は、農地の評価と分け方で手間取りがちです。納税猶予を使うか、手放すかで税金も変わるので、税理士に相談しながら決めると進めやすくなります。
相続税の申告・相談先に迷ったら
相続に強い税理士を
税理士ドットコムで無料紹介
知り合いに税理士がいない、どこに頼めばいいか分からない。そんな方も多いですよね。
土地や自宅がある、相続人が多いといった場合は、相続税の申告に慣れた税理士に早めに相談すると、手続きがぐっと楽になります。

- 全国7,500名以上の登録税理士から、相続に強い税理士を紹介
- 紹介は無料、24時間365日受付
- 最短当日に税理士を紹介してもらえる
- 東証プライム上場の弁護士ドットコム株式会社が運営
申し込みは、お探しの地域を選んで、かんたんな質問に答えるだけ。全5ステップで、入力の目安は30秒です。

かんたん30秒・24時間365日受付
税理士ドットコムで相続に強い税理士を探す(無料)
税理士ドットコムの紹介ページに移動します
よくある質問
田畑を相続する時に農地法の許可は必要ですか?
相続で取得する場合は許可はいりません。代わりに、市町村の農業委員会への届出が必要です。
田んぼだけ相続放棄することはできますか?
できません。相続放棄はすべての財産を放棄する手続きです。田んぼだけ手放したい時は、相続した後に国庫帰属制度や売却を検討します。
小作権がついた田んぼを相続したら、返してもらえますか?
貸主の立場を引き継ぐので、借りている人の権利は続きます。農地の賃貸借の解約には、原則として都道府県知事の許可が必要です。
まとめ
- 田畑の相続に農地法の許可はいらないが、農業委員会への届出が必要
- 相続登記は取得を知った日から3年以内
- 農地は4種類に分けて相続税評価する
- いらない時は、相続放棄・国庫帰属・売却から選ぶ






