遺産分割協議書は必要?作らなくていいケースと法定相続分どおりの場合

遺産分割協議書が必要なケースと法定相続分どおりの場合を解説する記事のアイキャッチ

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法定相続分どおりに分けるつもりなら、『わざわざ遺産分割協議書なんて作らなくていいのでは?』と思いますよね。

結論から言うと、相続人が1人の時や、遺言書ですべての財産の行き先が決まっている時は、遺産分割協議書はいりません。法定相続分どおりでも、預金を解約する、不動産を1人の名義にする、相続税の特例を使う、といった場面では作っておくのが基本です。

この記事を読めば、自分の家で協議書が必要かどうかと、法定相続分どおりの時の書き方が分かります。

目次

遺産分割協議書は必要?作らなくていいケース

先に結論
  • 相続人が1人だけの時、遺言書ですべての財産の分け方が決まっている時は、協議書はいりません。
  • 法定相続分どおりに不動産を共有で登記する場合も、協議書なしで手続きできます。
  • 不動産を1人の名義にする時や、相続税で配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例を使う時は、協議書を作るのが一般的です。
  • 預金は、銀行所定の書類に相続人全員が署名・押印すれば手続きできることもあります。

遺産分割協議書は、相続人全員で決めた分け方を書面にしたものです。協議書そのものを作る法律上の義務はありません。

ただ、手続きの相手(銀行・法務局・税務署)に「全員で決めた」ことを示すために、実際には作ることが多いんです。

ケース協議書
相続人が1人だけいらない
遺言書で全財産の分け方が決まっているいらない
法定相続分どおりに不動産を共有で登記するなくても登記できる
不動産を1人の名義にする必要
相続税の申告で配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例を使う作るのが一般的
預金の解約・名義変更銀行の書類で足りることもある

『法定相続分どおりなら、話し合いもいらないのでは?』という声もよく聞きます。ただ、法定相続分どおりというのは「割合」の話です。実家を誰が持ち、預金を誰がいくら受け取るかは、結局話し合って決める必要があるんです。

法定相続分どおりの場合の考え方と書き方

例えば、父が亡くなり、母と子2人が相続人のケースです。法定相続分は母1/2、子1/4ずつです。

誰が相続人になるかと法定相続分の割合は、法定相続人とはで確認できます。前の結婚でできた子や養子も相続人になるので、戸籍で漏れがないか確かめておきましょう。

相続人が1人でも欠けた協議書は、無効になってしまうからです。

このまま実家を3人の共有にすると、将来売る時や建て替える時に全員の同意が必要になります。母が亡くなった時に、また相続が起きることも考えておきたいところです。

家族で話す時は、こんな流れになりがちです。

「法定相続分どおりでいいよね」
「割合はそれでいいとして、家は母さんの名義にしておく?」

法定相続分どおりの協議書の書き方

法定相続分どおりに分ける時も、協議書の基本の形は同じです。

協議書に書くこと
  • 亡くなった人の氏名・死亡日・最後の住所・本籍
  • 財産ごとに、誰が取得するか(不動産は登記事項証明書どおりに書く)
  • 預金は、銀行名・支店名・口座番号と取得する人
  • 後から見つかった財産をどう分けるか
  • 相続人全員の住所・氏名と実印の押印(印鑑証明書を添付)

預金を法定相続分で分けるなら、「〇〇銀行〇〇支店の普通預金は、母が2分の1、長男・長女が各4分の1の割合で取得する」のように書く方法もあります。

ひな形と注意点は遺産分割協議書の書き方で詳しく解説しています。

遺産分割協議書が必要なケースと不要なケースを示した図解

遺産分割協議書がないとどうなる?

協議書がないまま放っておくと、次のようなことが起きやすくなります。

  • 預金の解約や不動産の名義変更が進まない
  • 相続税の申告で、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使えないまま申告することになる
  • 時間がたつうちに相続人が亡くなり、話し合う人が増える

さらに、2023年4月1日施行の改正民法で、相続開始から10年を過ぎると、特別受益や寄与分を主張できなくなりました。原則として法定相続分で分けることになります。

『急いで作る必要はない』と思っていても、相続登記は不動産の取得を知った日から3年以内に申請する義務があります。後回しにしすぎないよう気をつけましょう。

相続税の申告期限(亡くなったことを知った日の翌日から10か月)までに協議がまとまらない時は、いったん法定相続分で申告し、「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておけば、分割後に特例を受けられます。

遺産に土地がある、相続人が多い、申告期限が近い、という家は、協議書の内容が相続税の額にも関わってきます。協議書を作る前に税理士へ相談しておくと、特例を使い漏らさずに済みます。

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よくある質問

遺産分割協議書なしで相続することはできますか?

相続人が1人の時や、遺言書ですべての財産の分け方が決まっている時はできます。法定相続分どおりに共有で登記する場合も、協議書なしで手続きできます。

遺産分割協議書は自分で作ってもいいですか?

自分で作れます。決まった書式はないので、財産と取得する人をはっきり書き、相続人全員が署名して実印を押しましょう。

相続人の1人が協議書に署名してくれない時はどうなりますか?

遺産分割協議は全員の合意が必要です。話し合いでまとまらない時は、家庭裁判所の調停や審判で決めることになります。

まとめ

この記事の要点
  • 相続人が1人、遺言で全財産が決まっている時は、協議書はいりません。
  • 法定相続分どおりでも、不動産を1人の名義にする時や相続税の特例を使う時は作るのが一般的です。
  • 相続開始から10年を過ぎると、特別受益や寄与分を主張できなくなります。
  • 申告期限までにまとまらなければ、分割見込書を出して法定相続分で仮に申告します。
相続の手引き

相続の手引き 編集部

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