相続人代表者指定届のトラブルを防ぐ|代表相続人の役割と分配時の贈与税

代表相続人と遺産分割協議書の書き方、分配時の贈与税を解説する記事のアイキャッチ

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兄が「代表相続人」として親の預金をまとめて受け取ったのに、なかなか分けてくれない。『代表って、全部もらえる人のことなの?』ともやもやしている方も多いはずです。

結論から言うと、代表相続人は手続きの窓口役で、財産を多くもらえる立場ではありません。受け取った後は、遺産分割協議書のとおりに分配する必要があります。この記事では、協議書の書き方と、分配の時に贈与税がかからないための注意点がわかります。

目次

代表相続人とは?相続人代表者指定届との違い

先に結論
  • 代表相続人は、銀行の払い戻しなどを相続人全員の代わりに行う窓口役です。法律上の特別な権利はありません。
  • 相続人代表者指定届は、市役所が固定資産税の通知書を送る相手を決めるための届けです。出しても不動産の持ち主になるわけではありません。
  • 代表相続人が受け取った預金は、協議書どおりに分配すれば贈与税はかかりません。
  • 協議書と違う割合で分けると、贈与と見られることがあります。

似た言葉が2つあるので、混乱しますよね。

代表相続人相続人代表者指定届の代表者
どこで使う銀行・証券会社などの相続手続き市役所(固定資産税)
役割払い戻しを受けて、協議書どおりに分配納税通知書の受け取りなど
財産の取り分協議書で決めた分だけ届けとは関係なく、分け方で決まる

相続人代表者指定届でよくあるトラブルは、『代表者になったのだから、家は自分のもの』と思い込んでしまうことです。実は、この届けで所有者が決まるわけではないんです。

不動産を誰が相続するかは、遺産分割協議で決めます。代表者になった人が固定資産税を立て替えた場合は、誰がどれだけ負担するかも協議で決めておきましょう。

「代表者として通知書を受け取ってるんだから、この家は俺が継ぐってことだろう」
「届けは通知の送り先を決めただけで、家を誰が継ぐかはまだ話し合っていないよね」

こんな食い違いが起きないよう、届けを出す時に「これは通知の受け取り役だけ」と家族で確認しておくと安心です。

遺産分割協議書に代表相続人を書く方法

代表相続人が預金をまとめて受け取り、遺産分割協議書のとおりに各相続人へ分配する流れと、贈与税がかかるケースを示した図解

代表相続人がまとめて受け取る場合は、協議書に「受け取り」と「分配」の両方を書いておくと揉めにくくなります。

記載例

協議書には、例えば次のように書きます。

「被相続人名義の〇〇銀行〇〇支店の預金(口座番号〇〇)は、相続人長男〇〇が代表して払い戻しを受け、その全額から手続き費用を差し引いた残額を、長男〇〇・二男〇〇・長女〇〇に各3分の1ずつ分配する。」

このように、代表として受け取ることと、分け方を同じ文の中に書くのがポイントです。協議書全体の書き方は遺産分割協議書の書き方で解説しています。

協議書に書いておきたいこと
  • 代表相続人の名前と、受け取る財産(銀行名・支店・口座)
  • 各相続人への分配の割合や金額
  • 振込手数料など費用を誰が負担するか
  • 分配する時期の目安

分配する時に贈与税はかかる?

ここが大事なところです。代表相続人が受け取ったお金を、協議書どおりに分配するなら、それは相続で受け取ったものなので贈与税はかかりません。

一方、協議書に「長男が全額を相続する」と書いてあるのに、その後で長男が弟や妹にお金を渡すと、長男から弟妹への贈与と見られることがあります。

「全額を長男がもらうって書いたけど、あとで3人で分けるつもりだったんだよ」
「それだと、書類の上では長男から弟妹への贈与になってしまうかもしれないよ」

贈与税は、受け取る人ごとに年110万円の基礎控除を超えるとかかります。代表して受け取る時は、協議書に分配まで書いておくのが安心です。

分配の期限と、分配しない時の対応

代表相続人の分配に、法律で決まった期限はありません。だからこそ、協議書に時期の目安を書いておくと、催促しやすくなります。

『受け取ったのに分配してくれない』という時は、まず書面で協議書どおりの分配を求めてみてください。それでも応じない場合は、弁護士に相談する方法があります。トラブルの例は相続トラブルの事例も参考になります。

B型肝炎給付金のように、亡くなった人の権利を相続人が受け取る給付金も、代表相続人がまとめて受け取ることがあります。この場合も、相続人の間で分配の割合を書面にしておくと揉めにくくなります。

代表相続人がまとめて受け取ると、相続税の申告で「誰がいくら取得したか」の整理も必要になります。財産が多い、相続人が多い、分け方がまとまっていない、という場合は、相続税の申告とあわせて税理士に相談すると安心ですよ。

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よくある質問

代表相続人は遺産を多くもらえますか?

もらえません。代表相続人は手続きの窓口役で、取り分は遺産分割協議で決めた分だけです。

代表相続人が分配すると贈与税はかかりますか?

遺産分割協議書のとおりに分配すれば、相続による取得なので贈与税はかかりません。協議書と違う割合で渡すと、贈与と見られることがあります。

相続人代表者指定届を出すと家を相続したことになりますか?

なりません。固定資産税の通知書を受け取る人を決める届けで、誰が家を相続するかは遺産分割協議で決めます。

まとめ

この記事の要点
  • 代表相続人は手続きの窓口役で、特別な取り分はありません。
  • 相続人代表者指定届は固定資産税の通知先を決める届けで、所有者は決まりません。
  • 協議書には、代表として受け取ることと分配の割合を一緒に書きます。
  • 協議書どおりの分配なら贈与税はかからず、違う割合だと贈与と見られることがあります。
相続の手引き

相続の手引き 編集部

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