当サイトは国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。
亡くなった兄弟や叔父の借金を知って、相続放棄をしようと思ったら、『集める戸籍がやたら多い』と驚きますよね。
結論から言うと、兄弟姉妹や甥姪(第三順位)の相続放棄では、亡くなった人の出生から死亡までのすべての戸籍に加えて、親や祖父母が亡くなっていることが分かる戸籍まで必要です。先に順位の高い人がいないことを証明するためなんです。
この記事では、必要書類の一覧と、効率よく集める方法を見ていきます。
兄弟・甥姪の相続放棄の必要書類一覧
- 共通の書類は、亡くなった人の住民票除票(または戸籍附票)と、放棄する人の戸籍謄本です。
- 兄弟姉妹は、亡くなった人の出生から死亡までのすべての戸籍、子が亡くなっていればその子の出生から死亡までの戸籍、親など直系尊属の死亡が分かる戸籍が必要です。
- 甥姪は、さらに本来の相続人だった親(亡くなった兄弟姉妹)の死亡が分かる戸籍も必要です。
- 費用は申述する人1人につき収入印紙800円と、郵便切手(額は裁判所ごと)です。
裁判所の案内に沿って、必要な書類をまとめました。
| 書類 | 兄弟姉妹 | 甥姪 |
|---|---|---|
| 相続放棄の申述書 | 必要 | 必要 |
| 亡くなった人の住民票除票または戸籍附票 | 必要 | 必要 |
| 放棄する人の戸籍謄本 | 必要 | 必要 |
| 亡くなった人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 | 必要 | 必要 |
| 亡くなった人の子(と代襲者)で亡くなっている人がいれば、その人の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本 | 必要 | 必要 |
| 亡くなった人の直系尊属(父母・祖父母など)の死亡の記載のある戸籍謄本 | 必要 | 必要 |
| 本来の相続人(甥姪の親)の死亡の記載のある戸籍謄本 | 不要 | 必要 |
先に順位の高い相続人が相続放棄をしていて、その手続きで出した書類は、改めて付けなくて大丈夫です。
相続放棄の書類全体は相続放棄の必要書類一覧でも解説しています。
なぜ兄弟の相続放棄は戸籍が多いの?
『自分の放棄なのに、なんで親の戸籍まで?』と思いますよね。
兄弟姉妹が相続人になるのは、第一順位の子(と孫)も、第二順位の父母や祖父母もいない時だけです。つまり、兄弟姉妹が「相続人であること」を示すには、先の順位の人がいないことを戸籍で証明する必要があるんです。
| 証明すること | そのための戸籍 |
|---|---|
| 子がいない、または子が亡くなっている | 亡くなった人の出生から死亡までの戸籍、亡くなった子の出生から死亡までの戸籍 |
| 父母・祖父母が亡くなっている | 直系尊属の死亡の記載のある戸籍 |
| 甥姪が代わりに相続人になった | 甥姪の親(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍 |

相続の順位は法定相続人とはで詳しく確認できます。
兄弟まとめて相続放棄する時は書類を減らせる
兄弟が何人かいて、全員で相続放棄をすることも多いですよね。
同じ亡くなった人について、同じ家庭裁判所に同時に申述するなら、同じ書類は1通で足ります。亡くなった人の出生から死亡までの戸籍を、兄弟の人数分そろえる必要はありません。
例えばこんな会話です。
「兄弟3人で放棄するけど、戸籍は3セット必要?」
「一緒に出せば、共通の戸籍は1セットで大丈夫だよ」
ただし、申述書と放棄する人それぞれの戸籍謄本、収入印紙800円は1人ずつ必要です。
また、先に親(第二順位)や子(第一順位)が相続放棄をしているなら、その事件で出した書類は付けなくてかまいません。先の手続きの事件番号を控えておきましょう。
戸籍の集め方と期限
亡くなった人の出生から死亡までの戸籍は、本籍地が何度も変わっていると、複数の市区町村に請求することになります。
- 亡くなった人の最後の本籍地で、死亡の記載のある戸籍を取る
- その戸籍から一つ前の本籍地をたどり、出生までさかのぼって取る
- 亡くなった子や、父母・祖父母の死亡が分かる戸籍を取る
- 甥姪の場合は、自分の親の死亡の記載のある戸籍を取る
- 申述書と一緒に、亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所に出す
2024年3月1日からは、戸籍証明書の広域交付が始まりました。本籍地以外の市区町村の窓口でも、本人・配偶者・父母・子などの戸籍をまとめて請求できます。
ただ、広域交付は窓口での請求に限られ、郵送や代理人では使えません。また、兄弟姉妹の戸籍は広域交付で請求できる範囲に入っていません。兄弟の出生からの戸籍は、親の戸籍として取れる部分もあるので、窓口で相談しながら集めてみてください。
期限は「知った時」から3か月
相続放棄の期限は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内です。兄弟姉妹や甥姪の場合は、先の順位の人が放棄して自分が相続人になったと知った時から数えるのが一般的です。
戸籍が期限に間に合わない時は、申述の後に追加で出すこともできます。期間を延ばす申立ての制度もあります。期限の考え方は相続放棄の期限は3ヶ月で解説しています。
なお、法定相続情報一覧図の写しで戸籍に代えられる場合もあるので、申述先の家庭裁判所に確認してみてください。
兄弟・甥姪が全員放棄したらどうなる?
第三順位は、相続人になる最後の順位です。兄弟姉妹と甥姪が全員相続放棄をすると、相続人が誰もいない状態になります。
『全員放棄したら、あとは何もしなくていい?』と思いますよね。実は、放棄した人でも、亡くなった人の家などを現に占有していれば、相続人などに引き渡すまで保存する義務があります。2023年4月1日に施行された改正で定められたルールです。
相続人がいない時は、利害関係人などの申立てで、家庭裁判所が相続財産清算人を選びます。清算人が財産をまとめて管理し、借金の返済などを進めます。
| 状況 | その後の流れ |
|---|---|
| 兄弟の一部だけが放棄 | 残った兄弟姉妹・甥姪が相続人 |
| 兄弟姉妹・甥姪が全員放棄 | 相続人がいない状態になる |
| 相続人がいない | 必要に応じて相続財産清算人を選任 |
詳しくは相続財産清算人とはで解説しています。
相続放棄の前に、財産の中身も確かめておく
借金があると聞いて放棄を考えても、実は預貯金や不動産のほうが多かった、ということもあります。
亡くなった人の財産と借金を確認してから決めるのがおすすめです。財産を処分したり使ったりすると、相続を認めたとみなされて放棄できなくなることもあるので注意しましょう。
調べた結果、相続するほうがいいと分かり、預貯金や不動産を含めた遺産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えそうなら、税理士に相続税の相談をしておくと安心です。兄弟姉妹や甥姪が相続すると相続税が2割加算されるので、税額の見通しを早めに立てておきましょう。
相続税の申告・相談先に迷ったら
相続に強い税理士を
税理士ドットコムで無料紹介
知り合いに税理士がいない、どこに頼めばいいか分からない。そんな方も多いですよね。
土地や自宅がある、相続人が多いといった場合は、相続税の申告に慣れた税理士に早めに相談すると、手続きがぐっと楽になります。

- 全国7,500名以上の登録税理士から、相続に強い税理士を紹介
- 紹介は無料、24時間365日受付
- 最短当日に税理士を紹介してもらえる
- 東証プライム上場の弁護士ドットコム株式会社が運営
申し込みは、お探しの地域を選んで、かんたんな質問に答えるだけ。全5ステップで、入力の目安は30秒です。

かんたん30秒・24時間365日受付
税理士ドットコムで相続に強い税理士を探す(無料)
税理士ドットコムの紹介ページに移動します
よくある質問
兄弟の相続放棄では、どんな戸籍が必要ですか?
亡くなった人の出生から死亡までのすべての戸籍、亡くなった子がいればその子の出生から死亡までの戸籍、父母など直系尊属の死亡の記載のある戸籍、放棄する人の戸籍謄本などが必要です。
兄弟で一緒に相続放棄する時、戸籍は人数分必要ですか?
同じ家庭裁判所に同時に申述するなら、同じ書類は1通で足ります。申述書と本人の戸籍謄本、収入印紙800円は1人ずつ必要です。
甥や姪が相続放棄する時に追加で必要な書類はありますか?
兄弟姉妹の場合の書類に加えて、本来の相続人だった親(亡くなった兄弟姉妹)の死亡の記載のある戸籍謄本が必要です。
まとめ
- 兄弟姉妹・甥姪の相続放棄は、先の順位の人がいないことを戸籍で証明します。
- 亡くなった人の出生から死亡までの戸籍と、直系尊属の死亡が分かる戸籍が必要です。
- 甥姪は、親の死亡の記載のある戸籍も追加で必要です。
- 兄弟まとめて申述すれば、同じ書類は1通で足ります。
- 期限は相続人になったことを知った時から3か月以内です。







