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『親の家を相続したけれど、誰も住まないし売ってしまいたい』という方も多いですよね。
結論から言うと、相続した不動産を売るには、まず相続人の名義に変える相続登記が必要です。そのうえで、相続税の申告期限の翌日から3年以内に売ると、税金が軽くなる特例を使える可能性があります。
ここでは、相続した土地・家・マンションを売却する流れと、売るタイミングの考え方を見ていきます。
相続した不動産は売却できる?まず結論
- 相続した不動産は、相続登記で相続人の名義にしてから売却します。亡くなった人の名義のままでは売れません。
- 誰が相続するかを決める遺産分割協議を先に済ませておく必要があります。
- 相続税の申告期限の翌日から3年以内に売ると、取得費加算の特例を使える場合があります。
- 1981年5月31日以前に建てられた実家なら、空き家の3,000万円特別控除が使える場合があります。
売る前にやることが意外と多いんです。とはいえ、順番さえ押さえれば迷うことはありません。
相続した不動産を売却する流れ
相続した家や土地を売る流れは、次の7ステップです。
- 相続人を確定する(戸籍を集める)
- 遺産分割協議で、誰が不動産を相続するかを決める
- 相続登記をして、相続人の名義に変える
- 不動産会社に査定を頼み、売り出し価格を決める
- 買主と売買契約を結ぶ
- 代金を受け取り、物件を引き渡す
- 売った年の翌年に、譲渡所得の確定申告をする

相続登記は売却の前提
相続登記は、2024年4月1日から義務になっています。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象です。
売るつもりの家でも、いったん相続人の名義にしてから売ります。登記の手続きや必要書類は不動産の相続手続きで詳しく解説しています。
兄弟で分ける時は換価分割
『実家を兄弟3人で分けたいけど、家は切り分けられないよね』という悩みもよく聞きます。
その時は、家を売って現金で分ける換価分割という方法があります。遺産分割協議書に「売却して代金を分ける」と書いておくと、後で揉めにくくなります。
例えば、兄弟でこんなやり取りになることもあります。
「実家、誰も住まないなら売って3等分にしない?」
「それなら、登記は長男の名義にして、売れたお金を分けると協議書に書いておこうか」
不動産売却は相続前と相続後どちらがいい?
『実家の売却は、親が生きているうちと相続の後、どっちがいいの?』と迷う方も多いはずです。
結論から言うと、税金の面では相続後に売る方が有利になる場面が多いです。ただし、親の介護費用が必要など、家庭の事情で答えが変わります。
| 比べる点 | 相続前に売る(親が売主) | 相続後に売る(相続人が売主) |
|---|---|---|
| 売る人 | 親本人。判断能力が必要 | 相続登記した相続人 |
| 相続税の評価 | 現金で持つことになる | 路線価などで評価した不動産 |
| 使える特例 | 親自身の居住用財産の特例など | 取得費加算・空き家の特例など |
| 注意点 | 親が認知症だと売れないことがある | 遺産分割と相続登記が先に必要 |
土地や家は、相続税の計算では路線価や固定資産税評価額で評価されます。現金に換えると、その現金がそのまま相続財産になります。評価の考え方は土地・家の相続税はいくら?で確認してみてください。
相続した不動産を売るタイミング
売るタイミングで、使える特例が変わります。ここが大事なところです。
相続税の申告期限から3年以内
相続税を払った人が、相続した財産を相続税の申告期限の翌日から3年以内に売ると、払った相続税の一部を売った不動産の取得費に足せます。これが取得費加算の特例です。
取得費が増えると、譲渡所得が減り、所得税・住民税が軽くなります。相続税がかからなかった人は対象外です。
空き家の3,000万円特別控除
親が一人で住んでいた実家を売る時に検討したいのが、被相続人の居住用財産(空き家)を売った時の特別控除です。
- 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋とその敷地であること
- 2027年12月31日までの譲渡であること
- 2024年1月1日以降の譲渡で相続人が3人以上なら、1人2,000万円
老朽化した家を売るか迷っている方は、この特例が使えるかを先に確かめてみてください。細かな要件は国税庁のタックスアンサーで確認でき、使えるかの最終判断は税理士に確認しておくと安心です。
小規模宅地等の特例とのかね合い
相続税の計算で、自宅の土地を80%減額できる小規模宅地等の特例があります。
この特例は、取得した人が一定期間持ち続けることなどが要件になっている場合があります。申告前に売ってしまうと使えなくなることもあるので、売る前に要件を確認しておきましょう。詳しくは小規模宅地等の特例とはにまとめています。
相続した不動産を焦って売ってはいけない理由
『早く手放してすっきりしたい』という気持ちは自然です。ただ、焦って売ると後から困ることがあります。
- 借金が多そうなら、相続放棄を考えているか。財産を処分すると単純承認とみなされ、放棄できなくなることがあります。
- 遺産分割協議がまとまっているか。相続人全員の合意がないと売れません。
- 相続税の申告で使う特例の要件を崩さないか。
相続放棄の期限は、相続の開始を知った時から3か月以内です。借金の有無がはっきりしないうちは、家に手をつけずに財産を調べるところから始めるのがおすすめです。
相続した不動産を売った時の税金
相続した土地や家を売って利益が出ると、譲渡所得として所得税・住民税がかかります。
譲渡所得は、売った金額から取得費と売るためにかかった費用を差し引いて計算します。相続した不動産の取得費と取得した時期は、亡くなった人から引き継ぎます。
例えば、親が昔買った土地を売る時は、親が買った時の価格が取得費の出発点になります。親が買った時の契約書は捨てずに探しておきましょう。
計算方法や特例の詳しい使い方は相続した不動産を売却した時の税金で解説しています。
不動産の売却は、相続税の申告と譲渡所得の確定申告の両方に関わります。土地が複数ある、兄弟で換価分割する、空き家特例や取得費加算を使いたいという場合は、相続に詳しい税理士に売る前に相談すると、税金の見通しが立てやすくなります。
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よくある質問
相続した不動産は名義変更しないと売却できませんか?
できません。亡くなった人の名義のままでは売れないので、遺産分割協議で相続する人を決め、相続登記で名義を変えてから売却します。
相続した土地はすぐ売却してもいいですか?
売ること自体はできますが、借金があり相続放棄を考えている場合は、処分すると放棄できなくなることがあります。相続税の特例の要件も確認してから売るのがおすすめです。
相続した不動産を売るのに有利なタイミングはありますか?
相続税を払った人なら、相続税の申告期限の翌日から3年以内に売ると取得費加算の特例を使える場合があります。空き家の特例は2027年12月31日までの譲渡が対象です。
まとめ
- 相続した不動産は、遺産分割と相続登記を済ませてから売却する
- 相続登記は取得を知った日から3年以内の義務
- 兄弟で分けるなら、売って現金を分ける換価分割がある
- 相続税の申告期限の翌日から3年以内なら取得費加算の特例を使える場合がある
- 古い実家は空き家の3,000万円特別控除を確認する
まずは、誰が相続するかを家族で決めて、相続登記の準備から始めてみてください。売り出すのは、使える特例を確かめてからでも遅くありません。






