相続前の預金引き出しは相続税でどうなる?死亡前後・葬儀費用の扱い

死亡前後に預金を引き出した時の相続税の扱いを解説する記事のアイキャッチ

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親が亡くなる直前や、亡くなった後で口座が凍結される前に、預金を引き出した。『このお金、相続税ではどう扱えばいいの?』と心配になりますよね。

結論から言うと、引き出したお金で相続税が減ることはありません。死亡前に引き出して残っていた現金は「現金」として、死亡後に引き出したお金は「預金」として、どちらも相続財産に入ります。葬儀費用に使った分は、葬式費用として差し引けます。

この記事を読めば、死亡前後の引き出しを申告でどう書くか、税務調査で何を見られるかが分かります。

目次

死亡前後の預金引き出しは相続税でどう扱う?

先に結論
  • 死亡前に引き出し、亡くなった時に残っていたお金は「現金」として相続財産に入れます。
  • 死亡後に引き出したお金は、亡くなった日の預金残高として相続財産に入れます。
  • 故人の貯金で払った葬儀費用は、葬式費用として遺産から差し引けます。
  • 使い道を説明できるよう、引き出しの記録と領収書を残しておきます。

相続税は、亡くなった日に持っていた財産で計算します。だから、死亡前と死亡後で考え方が少し違うんです。

引き出した時期相続税での扱い
死亡前(生前)亡くなった日に残っていた現金を相続財産に入れる。使った分は、その使い道で判断する
死亡後(口座凍結前を含む)亡くなった日の預金残高で評価する。引き出しても遺産の額は変わらない

例えば、亡くなる1週間前に200万円を引き出し、入院費に50万円払ったとします。亡くなった時に手元に150万円残っていれば、その150万円は現金として申告します。

死亡前後に引き出した預金の相続税での扱いを示した図解

葬儀費用を故人の貯金から払った場合

『葬儀費用を親の口座から払ったけど、問題ある?』という方も多いはずです。故人の貯金で葬儀代を払うこと自体は、よくあることなんです。

相続税の計算では、葬儀費用は遺産から差し引けます。誰のお金で払ったかではなく、相続人が負担した葬式費用かどうかで判断します。

葬式費用として差し引けるもの・引けないもの
  • 差し引ける: 通夜・告別式の費用、火葬・埋葬の費用、お布施など
  • 差し引けない: 香典返し、四十九日などの法要、墓石や墓地の購入費

亡くなった人の未払いの入院費や税金も、債務として差し引けます。どの領収書が何の費用か、メモを付けて保管しておきましょう。

口座凍結前に引き出す時の注意

ここが大事なところです。亡くなった後に口座から引き出すと、他の相続人から「勝手に使った」と思われやすいんです。

例えば、こんなやり取りになることがあります。

「お父さんの口座から引き出したお金、何に使ったの?」
「葬儀代だよ。領収書は全部取ってあるから見てね」

このように説明できれば揉めにくくなります。正式な方法としては、遺産分割前の払戻し制度で1つの金融機関から150万円まで引き出すこともできます。

税務調査で見られるポイント

税務署は、亡くなる前の数年分の口座の動きを確認できます。国税庁の発表では、令和6事務年度の実地調査のうち82.3%で申告漏れなどが見つかっています。

まとまった金額の引き出しは特に見られやすいので、申告の前に次の順番で確認しておきましょう。

申告前に確認しておくこと
  1. 亡くなる前の通帳で、まとまった金額の引き出しを洗い出す
  2. 引き出したお金の使い道を、領収書やメモで確かめる
  3. 亡くなった時に残っていた現金を数え、申告に入れる
  4. 家族の口座に移ったお金は、贈与か名義預金かを確認する

家族名義の口座でも、実際には亡くなった人のお金なら「名義預金」として相続財産になります。不動産と合わせて財産全体を見直すなら、土地・家の相続税の計算もあわせて確認しておきましょう。

相続放棄をするなら引き出しは慎重に

亡くなった人に借金があり、相続放棄を考えている場合は、死亡後の引き出しに気をつけてください。引き出したお金を自分のために使うと、相続を認めたと見られて放棄できなくなることがあります。

葬儀費用として常識的な範囲で使う分は問題になりにくいと言われますが、判断が難しい場面です。放棄を考えている時は、手をつける前に専門家に相談しておきましょう。

引き出しの記録が多い、使い道がはっきりしないお金がある、という時は、申告の前に税理士に通帳を見てもらうと、税務調査での指摘を防ぎやすくなります。

『もう全部使ってしまった』という場合でも、何に使ったかを書き出しておくことが大切です。亡くなった人のための支払いなら、相続財産から差し引ける費用になることもあります。

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よくある質問

死亡後に引き出したお金を申告しないとどうなりますか?

亡くなった日の預金残高は金融機関の残高証明書で分かるので、申告から漏れていると税務調査で指摘されます。過少申告加算税や延滞税がかかることもあります。

亡くなる前に親の生活費として引き出したお金はどうなりますか?

親の生活費や医療費として実際に使った分は、亡くなった時には残っていないので相続財産にはなりません。使い道が分かる記録を残しておきましょう。

葬儀費用の領収書がない分も差し引けますか?

お布施など領収書が出ないものは、支払った日・相手・金額をメモに残しておけば差し引けることがあります。できるだけ記録を残しておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 死亡前に引き出して残っていたお金は、現金として相続財産に入れます。
  • 死亡後に引き出したお金は、亡くなった日の預金残高として申告します。
  • 故人の貯金で払った葬儀費用は、葬式費用として差し引けます。
  • 引き出しの記録と領収書を残し、税務調査に備えておきましょう。

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相続の手引き

相続の手引き 編集部

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