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親が遺言書を残していたと分かった時、『これって全部その通りにしないといけないの?』と迷いますよね。
結論から言うと、形式を満たした遺言書は、法定相続分より優先される強い効力があります。ただし、遺留分を奪うことはできず、形式に不備があれば無効になることもあります。
この記事を読めば、遺言書がどこまで有効で、どんな時に効力を失うのかが分かります。
遺言書の効力はどこまで及ぶ?
- 有効な遺言書は、法定相続分より優先して遺産の分け方を決められます。
- 遺言で決められるのは、相続分の指定、誰に何を渡すか、遺贈、子の認知、遺言執行者の指定などです。
- 兄弟姉妹以外の相続人には遺留分があり、遺言でもゼロにはできません。
- 自筆証書遺言は、全文・日付・氏名の自書と押印が欠けると無効になります。
遺言書があると、まず遺言の内容どおりに遺産を分けるのが原則です。相続人どうしで分け方を話し合う遺産分割協議は、遺言に書かれていない財産について行います。
例えば「自宅は妻に、預金は長男に」と書かれていれば、その通りに名義を変えられます。相続人以外の人や団体に財産を渡す遺贈もできます。
遺言で遺言執行者が指定されていれば、その人が預金の解約や名義変更などを進めます。相続人の1人が執行者になることもできます。役割は遺言執行者とはで詳しく解説しています。
一方で、葬儀のやり方や「兄弟仲良く」といった希望は、書いてあっても法律上の効力はありません。家族への気持ちを伝える言葉として受け止めるものです。
『じゃあ、全財産を1人に渡すと書かれていたら、他の家族は何ももらえないの?』と思う方もいるはずです。ここが大事なところです。
兄弟姉妹以外の相続人には遺留分という最低限の取り分があります。直系尊属だけが相続人なら財産の1/3、それ以外は1/2が全体の遺留分で、これを法定相続分で分けます。
遺留分を侵害された人は、金銭で請求できます。相続開始と侵害を知った時から1年、相続開始から10年で請求できなくなるので注意しておきましょう。
相続人全員が合意すれば遺言と違う分け方もできる
実は、相続人全員が納得していれば、遺言と違う分け方で遺産分割協議をすることもできます。ただし、遺言執行者がいる場合や、相続人以外への遺贈がある場合は、その人の同意も関わってきます。
例えば、きょうだいの間でこんな会話になることがあります。
「遺言では全部兄さんにってなってるけど、実家の片付けは私がやったし…」
「じゃあ預金の一部は分けよう。みんなで協議書を作ろうか」
全員の合意を形に残すには、遺産分割協議書を作っておくと安心です。書き方は遺産分割協議書の書き方で解説しています。
遺言書が無効になるケース
| 主なケース | 内容 |
|---|---|
| 自書になっていない | 自筆証書遺言の本文をパソコンで作った、代筆してもらった |
| 日付・氏名・押印がない | 「令和○年○月吉日」のように日付が特定できない |
| 遺言能力がなかった | 書いた時に判断能力が十分になかったと認められた |
| 共同で書いた | 夫婦2人で1通の遺言書を書いた |
| 新しい遺言で取り消された | 内容がぶつかる部分は、日付の新しい遺言が優先される |
自筆証書遺言のうち、財産目録だけはパソコン作成や通帳のコピーでも認められています。その場合は、目録の各ページに署名と押印が必要です。
『形式に自信がない遺言書が出てきた…』という場合でも、自分で無効だと決めつけて捨てるのは避けてください。自宅などで保管されていた自筆証書遺言は、家庭裁判所の検認を受けてから手続きに進みます。
公正証書遺言は、公証役場で証人2人の立会いのもと作るので、形式の不備で無効になる心配はほとんどありません。作り方は公正証書遺言とはを参考にしてみてください。

相続人が先に死亡していた場合の遺言書の効力
「自宅は長男に相続させる」と書かれていても、長男が親より先に亡くなっていることがあります。
この場合、判例では原則として、その部分の遺言は効力を失うとされています。長男の子(孫)が、遺言によって自動的に受け継ぐわけではないんです。
効力を失った財産は、相続人全員の遺産分割協議で分けることになります。孫は代襲相続人として、その話し合いに加わります。
公正証書遺言でも、この扱いは同じです。遺言を作る側なら「長男が先に死亡した時は、長男の子に相続させる」といった予備の書き方をしておくと、こうした事態を避けられます。
遺言の内容がはっきりしていても、遺産の額によっては相続税の申告が必要です。遺産が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えそうなら、申告期限の10か月を意識して税理士に相談しておくと安心です。
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よくある質問
遺言書に有効期限はありますか?
遺言書そのものに有効期限はありません。何年前に書いた遺言でも、形式を満たしていれば効力があります。ただし、新しい遺言があれば、ぶつかる部分は新しい方が優先されます。
遺言書に書かれていない財産はどうなりますか?
遺言に書かれていない財産は、相続人全員で遺産分割協議をして分けます。
遺言書の内容に納得できない時はどうすればいいですか?
遺留分を侵害されていれば、遺留分侵害額を金銭で請求できます。遺言の有効性そのものを争う場合は、話し合いや家庭裁判所・地方裁判所の手続きが必要になります。
まとめ
- 有効な遺言書は、法定相続分より優先して遺産の分け方を決められます。
- 兄弟姉妹以外の相続人の遺留分は、遺言でも奪えません。
- 自筆証書遺言は、自書・日付・氏名・押印が欠けると無効になります。
- 相続人が先に死亡していると、原則としてその部分の遺言は効力を失います。






