遺言書を相続人に知らせないことはできる?公正証書遺言の通知

遺言書を相続人に知らせないことができるかを解説する記事のアイキャッチ

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遺言書を作りたいけれど、家族には内容を知られたくない。『相続人に知らせないで遺言を残せるの?』と考えている方も多いはずです。

結論から言うと、生前に遺言書の存在や内容を相続人に知らせる義務はありません。ただ、亡くなった後は、検認や遺言執行者の通知などで相続人に知られる場面があり、ずっと隠しておくのは難しいのが現実です。

この記事では、遺言書の種類ごとに相続人へ伝わるタイミングと、知らせないことのリスクがわかります。

目次

遺言書は相続人に知らせなくていい?

先に結論
  • 遺言書を作ったことも内容も、生前に相続人へ知らせる義務はありません。
  • 公正証書遺言を作っても、公証役場から相続人に通知が届くことは基本的にありません。
  • 亡くなった後は、検認・遺言執行者・保管制度の通知などで相続人に伝わる場面があります。

遺言は、本人がひとりで決められるものです。家族の同意もいりませんし、作ったことを話す必要もありません。

『知られたら揉めそうだから黙っておきたい』という気持ちは自然ですよね。ただ、亡くなった後に誰にも見つけてもらえないと、遺言がなかったものとして遺産分割が進んでしまうこともあるんです。

遺言の基本は遺言書の書き方でも解説しています。

遺言書の種類で、相続人に伝わるタイミングは違う

遺言書の種類によって、亡くなった後に相続人へ伝わる流れが変わります。

遺言書の種類生前亡くなった後
自筆証書遺言(自宅で保管)誰にも知られない見つけた人が家庭裁判所で検認。相続人に通知が行く
自筆証書遺言(法務局で保管)誰にも知られない指定した人への通知や、閲覧時の他の相続人への通知がある
公正証書遺言公証役場から通知はない相続人が検索して見つけられる。遺言執行者がいれば通知
遺言書の種類ごとに、亡くなった後に相続人へ伝わる流れを示した図解

自筆証書遺言は検認で知られる

自宅に保管していた自筆証書遺言は、家庭裁判所の検認が必要です。検認の日は、家庭裁判所から相続人に知らされます。検認の流れは遺言書の検認とはで解説しています。

法務局の自筆証書遺言書保管制度(手数料1通3,900円)を使うと検認は不要です。ただ、相続人の1人が遺言書を閲覧したり証明書を取ったりすると、法務局からほかの相続人にも保管されていることが通知されます。

公正証書遺言は相続人への通知がない

公正証書遺言は、公証役場で証人2人の立ち会いのもと作ります。作ったことが公証役場から相続人に通知されることは、基本的にありません。

亡くなった後、相続人は公証役場で遺言があるかを検索できます。また、遺言執行者は、就任したら遺言の内容を相続人に知らせることになっています。遺言執行者の役割は遺言執行者とはで詳しく解説しています。

離婚した子供に知らせない場合の注意点

『前妻との子には相続のことを知らせたくない』という相談はよくあります。

ただ、離婚しても、前の配偶者との子は相続人です。遺言で財産を渡さないと書いても、子には遺留分(最低限の取り分)があります。

例えば、こんなやり取りになりがちです。「前の家族には知らせずに全部、今の妻に」「でも、後から子どもが知って遺留分を請求してくることもあるよ」。

遺留分侵害額請求は、相続の開始と侵害を知った時から1年、相続開始から10年で消えます。知らせずにいれば請求されない、とは言い切れないので、遺留分を考えた分け方にしておくと揉めにくくなります。

知らせないことのリスク
  • 遺言書が見つからず、遺言がないものとして遺産分割が進む
  • 内容を知った相続人が不満を持ち、遺留分の請求や争いになる
  • 遺言執行者がいないと、手続きを誰が進めるかで混乱する

内容は伏せたままでも、「遺言書を公証役場に預けてある」とだけ信頼できる人に伝えておく方法もあります。

遺言で遺言執行者を決めておくのもひとつの方法です。家族以外の第三者を指定することもできます。執行者が相続人への通知から名義変更までを進めるので、知らせ方で家族が迷うことが減ります。

また、遺言に「なぜこの分け方にしたのか」という気持ちを付言事項として書き添えておくと、内容を知った家族が受け止めやすくなります。法的な効力はありませんが、争いを和らげる効果が期待できます。

遺言で財産を偏らせる時は、遺留分や相続税の負担まで考えておくことが大切です。不動産が多いなど相続税がかかりそうなら、遺言を作る前に税理士に相談しておくと安心です。

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よくある質問

公正証書遺言を作ったことは、家族に知られますか?

公証役場から家族に通知が届くことは基本的にありません。ただし、証人2人の立ち会いが必要なので、証人には内容を知られます。

遺言書の内容を、相続人の一部にだけ見せないことはできますか?

亡くなった後は、検認や遺言執行者の通知などで相続人に伝わるのが一般的です。特定の相続人だけに隠し続けるのは難しいと考えておきましょう。

相続人が遺言書の存在を知らないまま遺産分割した場合は?

後から遺言書が見つかると、分け方をやり直すことになる場合があります。遺言書を残したことは、信頼できる人に伝えておくと安心です。

まとめ

この記事の要点
  • 遺言書を作ったことや内容を、生前に相続人へ知らせる義務はない
  • 自筆証書遺言は検認で、保管制度は閲覧時の通知で、相続人に伝わる
  • 公正証書遺言は相続人への通知がないが、相続人が検索で見つけられる
  • 離婚した子供にも遺留分があり、知らせないことで争いになることもある
相続の手引き

相続の手引き 編集部

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