相続の公正証書遺言とは|公証役場での作り方と必要書類

相続の公正証書遺言の作り方と必要書類を解説する記事のアイキャッチ

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『自分で書いた遺言書だと、無効になったりなくなったりしないか心配』。そう感じて、公正証書遺言を考え始めた方も多いはずです。

結論から言うと、公正証書遺言は公証役場で公証人が作る遺言書で、形式の不備で無効になりにくく、家庭裁判所の検認もいりません。相続の手続きをスムーズに進めたい人に向いている方法です。

この記事では、公正証書遺言の効力と作り方、公証役場に持っていく必要書類がわかります。

目次

公正証書遺言とは?相続での効力

先に結論
  • 公正証書遺言とは、遺言する人が公証人に内容を伝え、公証人が文章にして作る遺言書です。
  • 公証役場で作り、証人2人の立ち会いが必要です。
  • 家庭裁判所の検認が不要なので、亡くなった後すぐに相続の手続きに使えます。
  • 効力は自筆の遺言と同じで、遺言の内容は原則として法定相続分より優先されます。ただし遺留分には注意が必要です。

遺言公正証書、遺言書公正証書とも呼ばれますが、どれも同じものを指しています。

公正証書とは、公証人が法律に従って作る公文書のこと。相続の場面でいう「公正証書」は、ほとんどがこの公正証書遺言のことなんです。

公正証書の効力は、相続では「遺言としての効力」です。自筆の遺言より効力が強いわけではありませんが、形式の誤りで無効になりにくい点が大きな違いです。

相続と遺言の関係は相続と遺言の関係で解説しています。

自筆証書遺言との違い

遺言書には主に3つの形があります。違いを表で比べてみます。

項目自筆証書遺言自筆証書遺言(法務局で保管)公正証書遺言
作る人本人が全文・日付・氏名を自書本人が自書公証人
証人不要不要2人必要
保管自宅など法務局原本は公証役場
検認必要(収入印紙800円/通)不要不要
費用ほぼかからない保管手数料1通3,900円公証役場の手数料(財産額などで決まる)
自筆証書遺言と公正証書遺言の違いを比べた図解

『費用をかけてまで公正証書にする意味ある?』と迷う方もいますよね。

公正証書遺言のよいところは、公証人が内容と形式を確認しながら作るので、書き方のミスが起きにくいことです。原本が公証役場に保管されるので、なくしたり書き換えられたりする心配も少なくなります。

一方で、手数料がかかることと、証人を2人用意する必要があることがデメリットです。手数料の目安は公正証書遺言の費用でまとめています。

自分で書く方法は遺言書の書き方をどうぞ。

公証役場で公正証書遺言を作る流れ

公証役場で遺言を作るといっても、いきなり当日に完成するわけではありません。事前の打ち合わせから始まります。

公正証書遺言を作る流れ
  1. 誰に何を残すか、遺言の内容を決める
  2. 近くの公証役場に連絡し、相談の予約を取る
  3. 必要書類を集めて公証人に渡し、遺言の案を作ってもらう
  4. 証人2人を決め、作成する日を予約する
  5. 当日、公証人が内容を読み上げ、本人と証人が確認して署名・押印する
  6. 原本は公証役場に保管され、正本・謄本を受け取る

当日は、公証人が遺言の内容を本人に確認しながら進めます。

「長男に自宅の土地と建物を相続させる、という内容でよろしいですか?」
「はい、それで間違いありません」

こうしたやり取りで、本人の意思であることを確かめていくんです。

病気などで公証役場に行けない時は、公証人に自宅や病院へ来てもらえる場合があります。その分の費用がかかるので、事前に確認しておきましょう。

公正証書遺言の必要書類

公証役場によって求められる書類が少し違うことがあります。一般的には次のようなものを準備します。

公正証書遺言の主な必要書類
  • 遺言する人の印鑑登録証明書(または本人確認書類)
  • 遺言する人と相続人の続柄がわかる戸籍謄本
  • 相続人以外に財産を残す場合は、その人の住民票など
  • 不動産がある場合は、登記事項証明書と固定資産税評価証明書
  • 預貯金・株式がある場合は、金融機関名・口座などがわかる資料
  • 証人2人の氏名・住所などがわかるメモ

財産の資料は、公証人が手数料を計算したり、遺言の文章に財産を正しく書いたりするために使います。

事前に何が必要か、予約の時に公証役場に聞いておくと二度手間になりません。

証人になれない人に注意

公正証書遺言の証人には、なれない人がいます。

証人になれない人
  • 未成年者
  • 推定相続人(遺言する人が亡くなった時に相続人になる人)
  • 遺言で財産をもらう人
  • 上の2つの人の配偶者や直系血族(子・孫・親など)

つまり、家族が証人になるのは難しいんです。

『証人を頼める人がいない』という場合は、公証役場で証人を紹介してもらえることがあります。弁護士や司法書士などの専門家に遺言作りを頼むと、その事務所で証人を手配してくれることもあります。

公正証書遺言を作った後のこと

作った後に内容を変えたい時は?

『一度作ったら、もう変えられないの?』と心配する方もいますよね。

遺言は、生きている間なら何度でも作り直せます。新しい遺言で前の遺言と食い違う内容を書けば、その部分は新しい遺言が優先されます。

例えば、自宅を長男に残すと書いた後に、長男が家を買って事情が変わった、というケース。新しく遺言を作り直して、自宅を次男に残す内容にすることもできるんです。

ただ、自筆の遺言で公正証書遺言を書き換えると、形式の不備で新しい遺言が無効になるおそれがあります。作り直す時も、公正証書にしておくと安心です。

家族が亡くなった後、公正証書遺言を探すには

亡くなった家族が公正証書遺言を作っていたかどうか、わからないこともあります。

その場合は、公証役場で遺言の有無を調べてもらえる仕組みがあります。相続人などが戸籍謄本や本人確認書類を持って公証役場に行くと、遺言が作られているかを検索してもらえます。

見つかった遺言の謄本は、相続の手続きにそのまま使えます。手続きの流れは遺言書がある場合の相続手続きの流れで解説しています。

公正証書遺言があっても気をつけたいこと

遺留分は侵害できない

公正証書遺言でも、子などの相続人の遺留分を侵害する内容にすると、遺留分侵害額請求を受けることがあります。

兄弟姉妹には遺留分がないので、子も親もいない人が「全財産を妻に」と遺言すれば、兄弟姉妹は遺産を請求できません。

遺言執行者を決めておく

遺言の内容どおりに手続きを進める遺言執行者を、遺言の中で決めておくことができます。銀行の手続きや登記がスムーズになるので、検討してみてください。詳しくは遺言執行者とはで解説しています。

相続税のことも考えておく

遺言で財産の分け方を決める時は、相続税のことも一緒に考えておきたいところです。

例えば、配偶者が取得した財産には配偶者の税額軽減があり、自宅の土地には小規模宅地等の特例が使える場合があります。誰に何を残すかで、相続税の額が変わることもあるんです。

遺産の合計が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えそうな方は、遺言の内容を決める前に、相続税の見込みを税理士に確認しておくと安心です。

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よくある質問

公正証書遺言とは何ですか?

公証役場で、遺言する人の話をもとに公証人が作る遺言書です。証人2人の立ち会いが必要で、家庭裁判所の検認はいりません。

公正証書遺言の必要書類は何ですか?

本人の印鑑登録証明書、相続人との続柄がわかる戸籍謄本、不動産の登記事項証明書・固定資産税評価証明書などです。公証役場によって違うことがあるので事前に確認しましょう。

公正証書遺言は自筆の遺言より効力が強いですか?

遺言としての効力は同じです。ただ、公証人が作るので形式の不備で無効になりにくく、原本が公証役場に保管されるという違いがあります。

まとめ

この記事の要点
  • 公正証書遺言は、公証役場で公証人が作る遺言書です。
  • 証人2人が必要で、家庭裁判所の検認はいりません。
  • 必要書類は、印鑑登録証明書・戸籍謄本・不動産や預金の資料などです。
  • 推定相続人や財産をもらう人とその家族は、証人になれません。
  • 公正証書遺言でも遺留分には注意が必要です。
相続の手引き

相続の手引き 編集部

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