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親の遺品を片付けていて、封筒に入った遺言書が出てきたら、『これ、開けていいの?』と手が止まりますよね。
結論から言うと、自筆の遺言書は自分で開けずに、家庭裁判所で「検認」を受けます。検認が終わると、その遺言書で銀行や登記の手続きができるようになります。
この記事を読めば、検認の流れと、終わった後にやることが分かります。
遺言書の検認とは?期限はある?
- 検認は、遺言書の形や内容を家庭裁判所で確認し、偽造や書き換えを防ぐ手続きです。
- 遺言が有効か無効かを決める手続きではありません。
- 法律上「何日以内」という期限はありませんが、亡くなったことを知った後、遅滞なく申し立てる必要があります。
- 公正証書遺言と、法務局に保管されていた自筆証書遺言は検認が不要です。
裁判所の説明では、遺言書の保管者や見つけた相続人は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく家庭裁判所に提出して検認を請求しなければならないとされています。
期限の日数がないからといって、後回しにするのは避けましょう。相続放棄の3か月、相続税申告の10か月といった期限は、検認と関係なく進むからです。
封がしてある遺言書は、家庭裁判所で相続人などの立会いのもと開封することになっています。家族だけで先に開けてしまうと、過料の対象になることがあります。
『もう開けてしまった…』という場合でも、遺言が無効になるわけではありません。そのまま検認の申立てをしてみてください。
見つけた遺言書は、書き込んだり折り曲げたりせず、見つけた時の状態のまま保管しておきましょう。複数の遺言書が出てきた時は、日付の新しいものが優先されることがあるので、全部まとめて申し立てます。
検認が必要な遺言書・不要な遺言書
| 遺言書の種類 | 検認 |
|---|---|
| 自筆証書遺言(自宅などで保管) | 必要 |
| 自筆証書遺言(法務局で保管) | 不要 |
| 公正証書遺言 | 不要 |
| 秘密証書遺言 | 必要 |
法務局の保管制度は2020年7月10日に始まりました。詳しくは遺言書の法務局保管制度で解説しています。
遺言書検認の流れと費用・必要書類

- 遺言者の最後の住所地の家庭裁判所に、検認を申し立てる
- 家庭裁判所から相続人全員に、検認期日の通知が届く
- 検認期日に申立人が遺言書を持参し、出席した相続人の立会いで裁判官が開封・確認する
- 検認済証明書を申請し、遺言書に付けてもらう
申し立てられるのは、遺言書を保管していた人か、見つけた相続人です。
ほかの相続人が検認期日に出席するかは自由です。全員そろわなくても、検認は行われます。
費用は、遺言書1通につき収入印紙800円と、連絡用の郵便切手(額は裁判所ごと)です。検認済証明書の申請には、遺言書1通につき150円分の収入印紙がかかります。
必要書類は、申立書のほかに次のものです。
- 遺言者の出生から死亡までのすべての戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人の範囲によって、亡くなっている子や兄弟姉妹などの戸籍謄本
戸籍の束の代わりに、法定相続情報一覧図の写しを出せる場合もあります。申し立てる家庭裁判所に確認してみてください。
遺言書の検認が終わったらやること
検認が終わったら、いよいよ遺言の内容どおりに手続きを進めます。
例えば、銀行でこんな会話になることが多いです。
「遺言書で預金を相続したいのですが」
「検認済証明書が付いた遺言書の原本をお持ちください」
検認済証明書が付いていないと、預金の解約や不動産の相続登記に使えません。ここが大事なところです。
- 預貯金の解約・名義変更
- 不動産の相続登記(取得を知った日から3年以内)
- 遺言執行者がいれば、執行者に手続きを任せる
- 遺言に書かれていない財産があれば、相続人で遺産分割協議をする
- 遺産が基礎控除を超えるなら、相続税の申告(10か月以内)
遺言で遺言執行者が決められていない時は、家庭裁判所に選任を申し立てることもできます。役割は遺言執行者とはを参考にしてみてください。
手続き全体の順番は、遺言書がある場合の相続手続きの流れにまとめています。
『遺言の内容に納得できない』という相続人がいても、検認では有効か無効かは決まりません。遺留分の請求や遺言の有効性は、別に話し合いや手続きが必要です。
相続税は、遺産が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超える場合にかかります。検認を待っている間も申告の期限は進むので、土地がある・財産が多いといった家は、早めに税理士に相談しておくと安心です。
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よくある質問
遺言書の検認にはどれくらい時間がかかりますか?
申立て後、家庭裁判所が検認期日を決めて相続人に通知するため、申立てから検認まで少し間が空きます。戸籍集めにも時間がかかるので、遺言書を見つけたら早めに準備を始めましょう。
検認を受けた遺言書なら有効と考えていいですか?
検認は遺言書の状態を確認する手続きで、有効かどうかは判断しません。日付や署名の不備などで争いになる場合は、別に話し合いや裁判所の手続きが必要です。
公正証書遺言も検認が必要ですか?
公正証書遺言は検認不要です。法務局で保管されていた自筆証書遺言も、交付される遺言書情報証明書で手続きができ、検認はいりません。
まとめ
- 自筆の遺言書は、開封せずに家庭裁判所で検認を受けます。
- 日数の期限はありませんが、遅滞なく申し立てる必要があります。
- 費用は遺言書1通につき収入印紙800円と郵便切手、検認済証明書は150円です。
- 検認が終わったら、検認済証明書付きの遺言書で預金や登記の手続きを進めます。




