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相続税の申告を終えてホッとしたのもつかの間、『うちみたいな普通の家にも税務調査って来るの?』と心配になっていませんか。
結論から言うと、相続税の申告をした家庭なら、一般家庭でも税務調査の対象になることはあります。この記事では、調査に選ばれやすい家庭の特徴と、時期、今からできる備えがわかります。
相続税の税務調査は一般家庭にも来る?
相続税の税務調査は、財産の額だけでなく「申告内容と税務署がつかんでいる情報の食い違い」がある家庭に来やすいです。一般家庭でも、家族名義の預金が多い、亡くなる前に多額の現金を引き出している、といった場合は選ばれることがあります。国税庁の公表では、実地調査が入った件数のうち82.3%で申告漏れなどが見つかっています。
まず、そもそも相続税がかかる家庭がどれくらいあるかを見てみましょう。
国税庁の「令和5年分 相続税の申告事績の概要」では、亡くなった人のうち相続税の課税対象になったのは9.9%、約15.6万人でした。
そのうえで、国税庁の「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」を見ると、次のとおりです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 実地調査の件数 | 9,512件 |
| 申告漏れ等の非違があった割合 | 82.3% |
| 1件当たりの追徴税額 | 867万円 |
そもそも遺産が基礎控除(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)以下で、相続税がかからない家庭は申告も不要です。例えば、相続人が妻と子2人なら基礎控除は4,800万円で、遺産がそれ以下なら相続税の申告はいりません。
ただ、名義預金を入れ忘れて基礎控除以下と思い込んでいるケースもあります。家族名義の口座まで含めて、一度合計してみてください。
『調査に入られたら、ほとんど何か見つかるってこと?』と驚きますよね。実は、税務署は事前に情報を集めて、申告漏れがありそうなところを選んで調査に入っているんです。

相続税の税務調査に選ばれやすい家庭の特徴
税務署は、亡くなった人の過去の所得や、金融機関の口座の情報などをもとに、申告内容を確認しています。財産が多い家庭だけが対象になるわけではありません。
- 妻や子・孫の名義の預金が多い(名義預金の疑い)
- 亡くなる前に、まとまった現金を何度も引き出している
- 生前の収入に比べて、申告した財産が少ない
- 生前贈与をしていたのに、加算の対象を申告していない
- 不動産や非上場株式など、評価が難しい財産がある
- 相続税がかかるはずなのに申告していない
一般家庭で特に多いのは名義預金
一般家庭で特に気をつけたいのが、名義預金です。
名義預金とは、家族の名前の口座でも、実際は亡くなった人のお金だった預金のことです。相続財産として申告する必要があります。
「妻名義の口座だから、妻のお金でしょう?」
「専業主婦の妻が、夫の給料から貯めていた預金なら、夫の財産と見られることがあるんです」
通帳や印鑑を誰が管理していたか、お金の出どころは誰か、で判断されます。生前贈与として渡したつもりでも、贈与契約書がなく、通帳を親が管理していれば名義預金と見られやすくなります。
亡くなる前の現金の引き出し
亡くなる直前に預金から引き出した現金は、使い道がわからないと、手元に残った現金として相続財産になります。
葬儀代や入院費に使ったなら、領収書を残しておきましょう。
相続税の税務調査が来る時期は?
税務調査の時期は、法律で決まっているわけではありません。申告書を出した後、少し時間がたってから連絡が来るのが一般的です。秋ごろに多いと言われることがよくあります。
調査に入る前には、税務署から税理士や相続人に電話などで連絡が入り、日程を調整するのが通常の流れです。
- 税務署から電話などで調査の連絡が来る
- 日程を調整する(税理士に依頼していれば税理士にも連絡が行く)
- 自宅で、亡くなった人の生前の様子や財産の管理について聞き取りを受ける
- 通帳・印鑑・郵便物などを確認される
- 申告漏れがあれば、修正申告をして追加の税金を納める
実地調査のほかに、書面や電話で申告内容を確認されるだけで終わることもあります。
調査ではどんなことを聞かれる?
『何を聞かれるのか、想像するだけで緊張する』という方も多いはずです。よく聞かれるのは、亡くなった人の生前の暮らしぶりに関することです。
- 亡くなった人の職業や、退職後の収入
- 趣味や、よく出かけていた場所
- 通帳や印鑑、貴重品をどこで誰が管理していたか
- 入院中や亡くなる直前のお金の出し入れ
- 家族への生前贈与の有無
例えば「お父さんの通帳はどなたが管理していましたか?」と聞かれ、答えた内容と通帳の動きが合っているかを確かめられます。わからないことは、あいまいに答えずに「確認してお答えします」と伝えて大丈夫です。
申告漏れが見つかったら
申告漏れがあれば、修正申告をして足りなかった相続税を納めます。あわせて延滞税や過少申告加算税がかかることがあります。
財産を隠していたと判断されると、さらに重い重加算税の対象です。わざと隠したわけでなくても、説明できない口座があると疑われやすくなります。
無申告だと調査はいつ来る?
相続税がかかるのに申告していない場合も、死亡の情報は市区町村から税務署に伝わっています。いつ連絡が来るかは決まっていないので、待つより先に申告するのが得策です。期限後申告の考え方は遺産相続でかかる税金とあわせて確認してみてください。
税務調査に備えて今からできること
申告前にやっておきたいこと
- 亡くなった人と家族全員の通帳を、少なくとも数年分見直す
- 家族名義の口座のお金の出どころを確認する
- 生前贈与をしていたら、贈与契約書や贈与税の申告書の控えを集める
- 現金の引き出しの使い道を、領収書やメモで説明できるようにする
- 土地は路線価や倍率で評価し直してみる
土地の評価のしかたは土地の相続税評価額の調べ方で解説しています。評価を間違えて少なく申告すると、過少申告加算税などがかかることがあります。
税理士に依頼するメリット
相続税申告は税理士だけができる業務です。相続税申告の実績が多い税理士なら、名義預金になりやすい口座や、評価で間違えやすいポイントを申告前にチェックしてもらえます。
税理士の中には、申告書の内容を確認した書面を添付する「書面添付制度」に対応しているところもあります。税理士選びの観点の一つとして覚えておきましょう。
家族名義の預金が多い、不動産がいくつもある、生前贈与をしていた、という家庭は、申告前に一度税理士へ相談しておくと安心です。
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よくある質問
相続税の税務調査は一般家庭にも来ますか?
相続税の申告をした家庭なら、一般家庭でも対象になることがあります。特に家族名義の預金が多い、亡くなる前に多額の現金を引き出している、といった家庭は選ばれやすいです。
相続税の税務調査はいつ来ますか?
時期は法律で決まっていません。申告書を出してから少し時間がたってから連絡が来るのが一般的で、秋ごろに多いと言われることがよくあります。
税務調査で申告漏れが見つかるとどうなりますか?
修正申告をして、不足していた相続税を納めます。あわせて延滞税や過少申告加算税がかかることがあり、財産を隠していたと判断されると重加算税の対象になります。
まとめ
- 相続税の申告をした家庭なら、一般家庭でも調査の対象になりうる
- 令和6事務年度の実地調査は9,512件、申告漏れ等の割合は82.3%
- 選ばれやすいのは、名義預金や多額の現金引き出しがある家庭
- 調査の時期は決まっていないが、秋ごろに多いと言われる
- 申告前に通帳や贈与の記録を見直しておくことが大きな備えになる






