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親が亡くなってしばらくしてから、税務署から封筒が届いた。開けてみると「相続についてのお尋ね」の文字。『もしかして税務調査?』と身構えてしまいますよね。
結論から言うと、お尋ねは調査ではなく、相続税の申告が必要かどうかを確かめるための案内です。この記事では、届く理由と書き方、返送しないとどうなるか、来ない場合の考え方がわかります。
相続についてのお尋ねとは?調査とは違う
相続についてのお尋ねは、相続税がかかる可能性がある人に、税務署が申告の要否を確かめるために送る書類です。届いたら、同封の書類で財産の概要を書いて返送するか、相続税の申告をします。財産の合計が基礎控除以下なら、その旨を書いて返送すれば大丈夫です。
税務署から届く書類は、時期や地域によって名前が違うことがあります。「相続についてのお尋ね」「相続税の申告等についてのご案内」「相続税についてのお知らせ」などです。
どれも中身はほぼ同じなんです。相続税の手引きと、「相続税の申告要否検討表」という書き込み式の書類が入っています。
『調査が始まるの?』と心配になる方も多いはずです。ただ、お尋ねはあくまで確認のための書類です。届いたからといって、相続税がかかると決まったわけでもありません。
相続税のお尋ねは誰に届く?基準と時期
税務署は亡くなったことをどう知るのか
市区町村は、死亡届を受け付けると、その情報を税務署に通知する仕組みになっています。
税務署は、その情報と、亡くなった人の過去の所得税の申告や持っている不動産などの情報をもとに、相続税がかかりそうかを見ています。
誰に届く?基準や確率は公表されていない
お尋ねがどんな基準で、どれくらいの割合の人に届くかは公表されていません。
一般的には、相続人の代表者や、亡くなった人と同居していた家族あてに届くことが多いです。
参考までに、国税庁の「令和5年分 相続税の申告事績の概要」では、亡くなった人のうち相続税がかかったのは9.9%でした。お尋ねが届いた人の多くも、確認の結果「申告不要」になります。
相続人が複数いる場合、お尋ねは代表の1人にだけ届くこともあります。届いた人は、ほかの相続人にも知らせて、財産の情報を持ち寄ってみてください。一人で抱え込まずに済みますし、書き漏れも防げます。
届く時期は?
届く時期も決まっていません。亡くなってから数か月たって届くこともあれば、届かないこともあります。
申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。お尋ねを待つのではなく、自分で財産を確かめておくのが安心です。
相続についてのお尋ねの書き方と記入例
同封されている「相続税の申告要否検討表」には、次のような内容を書きます。
| 書く欄 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 亡くなった人の情報 | 氏名・住所・亡くなった日 |
| 相続人 | 氏名・続柄・人数 |
| 土地・建物 | 所在地と評価額の目安 |
| 預貯金・現金 | 金融機関ごとの残高 |
| 株式など | 銘柄と評価額 |
| 生命保険金・退職金 | 受け取った金額 |
| 借金・葬式費用 | 差し引ける金額 |

書く前にそろえておくと楽な資料
要否検討表は、手元に資料があれば思ったより早く書けます。先に次のものを集めておきましょう。
- 戸籍謄本や法定相続情報一覧図の写し(相続人の確認用)
- 固定資産税の課税明細書(土地・建物の確認用)
- 通帳や金融機関の残高証明書(亡くなった日の残高)
- 証券会社の取引残高報告書
- 生命保険金・死亡退職金の支払いの通知
- 借入金の残高が分かる書類と、葬式費用の領収書
金額がはっきりしない財産は、空欄にせず、分かる範囲の金額と「調査中」などのメモを添えておくと、税務署とのやり取りがスムーズです。
最後に、財産の合計から借金と葬式費用を引いた額を、基礎控除(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)と比べます。
例えば、夫が亡くなり、妻と子2人が相続するケース。基礎控除は4,800万円です。自宅の土地建物と預金などを合わせて3,500万円なら、基礎控除以下なので申告は不要、と書いて返送します。
『土地の評価額なんて分からない』という方もいますよね。土地は路線価や固定資産税評価額から出すのが基本です。
配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って相続税が0円になる場合は、申告書の提出が必要です。基礎控除を超えている時は「特例で0円だから申告不要」とはならないので、注意しておきましょう。
財産に土地がある、評価額の出し方に自信がないという場合は、要否検討表を書く段階で税理士に見てもらうと安心です。基礎控除を超えるかどうかの境目にいる方ほど、早めの相談が役に立ちます。
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お尋ねのダウンロード・返送方法
書類をなくした時は
要否検討表は、国税庁のホームページにある「相続税の申告要否判定コーナー」で作成・印刷できます。届いた書類をなくしてしまった時も、ここで作れば大丈夫です。
返送する方法
書いた要否検討表は、送ってきた税務署に郵送か持参で提出します。要否判定コーナーで作ったPDFを、e-Taxで送る方法もあります。
控えに受付印がほしい時は、2部作って返信用封筒(切手を貼ったもの)を同封しておきましょう。
返送しないとどうなる?
お尋ねの回答は、相続税の申告書そのものではありません。ただ、返送しないと、税務署から電話や再度の書類で確認が来ることがあります。
本当に申告が必要なのに放っておくと、期限後の延滞税や無申告加算税がかかることも。届いたら返送しておくのが安心です。
『どうせ申告不要だから、書類は捨ててもいいかな』と思うかもしれません。ただ、後から名義預金などが見つかることもあります。返送した要否検討表の控えと、集めた資料は手元に残しておきましょう。
相続税のお尋ねが来ない場合は申告しなくていい?
『うちには何も届かないから、相続税はかからないはず』と考えるのは早いです。
実は、お尋ねが来るかどうかと、申告が必要かどうかは関係ないんです。相続税の申告が必要かは、財産の合計が基礎控除を超えるかどうかで決まります。
例えば、亡くなった人名義の預金は少なくても、家族名義で積み立てていた名義預金がある場合。名義預金は亡くなった人の財産として数えるので、合計が基礎控除を超えることもあります。
- 亡くなった人名義の預貯金・不動産・株式の合計
- 家族名義でも実質は亡くなった人のお金(名義預金)
- 死亡保険金・死亡退職金(非課税枠を超えた分)
- 亡くなる前の一定期間に受けた生前贈与
申告が要らないケースと要るケースは相続税がかからない場合の手続きは?で、申告のやり方は相続税申告のやり方でくわしく解説しています。
よくある質問
相続についてのお尋ねが届いたら、相続税がかかるということですか?
いいえ。お尋ねは、申告が必要かどうかを確かめるための書類です。財産の合計が基礎控除以下なら、要否検討表にその旨を書いて返送すれば大丈夫です。
お尋ねを返送しないとどうなりますか?
お尋ねの回答は申告書ではありませんが、返送しないと税務署から確認の連絡が来ることがあります。申告が必要なのに放っておくと、延滞税や加算税がかかることもあります。
お尋ねが来なければ申告しなくていいですか?
いいえ。申告が必要かは、財産の合計が基礎控除(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超えるかで決まります。お尋ねが届かなくても、超えていれば申告が必要です。
まとめ
- 相続についてのお尋ねは、申告の要否を確かめる書類で、調査ではない
- 届く基準・確率・時期は公表されていない
- 同封の要否検討表に財産の概要を書き、基礎控除と比べて返送する
- 特例で0円になる場合は申告書の提出が必要
- お尋ねが来なくても、基礎控除を超えれば申告が必要





