遺産相続で振り込んでくれない・印鑑を押さない相続人への対処法

遺産相続で振り込んでくれない・連絡がない相続人への対処を解説する記事のアイキャッチ

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親が亡くなって何か月もたつのに、遺産相続について兄弟が何も言ってこない。決まったはずなのに、いつまでも振り込んでくれない。知恵袋にも、こうした相談がたくさん寄せられています。

結論から言うと、相手が動かなくても、相続を前に進める方法はあります。書面での連絡、家庭裁判所の調停、預貯金の仮払い制度などを、状況に合わせて使い分けるんです。

この記事を読むと、連絡を無視された時や印鑑を押してもらえない時に、何から手をつければいいかがわかります。

目次

遺産相続で何も言ってこない・振り込んでくれない時は?

先に結論
  • まずは書面で、遺産の内容と分け方の案、返事の期限を伝えましょう。
  • 話し合いに応じない、印鑑を押さない相続人がいれば、遺産分割は成立しません。家庭裁判所の調停を申し立てられます。
  • 決まった遺産を振り込んでくれない時は、遺産分割協議書を根拠に支払いを求められます。
  • 預金は、仮払い制度で一定額まで単独で引き出せます。

遺産分割は、相続人全員の合意がないと成立しません。1人でも話し合いに応じなければ、預金の解約も不動産の名義変更も止まってしまいます。

『このまま放っておいたらどうなるの?』と不安になりますよね。放置しても遺産が自然に分けられることはないので、こちらから動く必要があるんです。

状況別の対処法

一口に「相続が進まない」といっても、原因はいろいろです。状況ごとに打つ手を見ていきましょう。

状況まずやることそれでも動かない時
何も言ってこない・連絡がこない手紙やメールで現状と分け方の案を伝える内容証明郵便で期限を決めて回答を求める
連絡を無視する書面で送り、記録を残す遺産分割調停を申し立てる
話し合いを拒否する第三者(専門家)を間に入れる遺産分割調停を申し立てる
印鑑を押してくれない反対の理由を聞き、案を見直す遺産分割調停・審判
決まったのに振り込んでくれない協議書の内容をもとに書面で請求する支払いを求める訴訟などを検討する
連絡がない相続人がいる時に、書面の連絡から調停・審判へ進む流れを示した図解

何も言ってこない・連絡がこない時

相手が何も言ってこない理由は、悪気があるとは限りません。手続きがよく分からない、忙しい、気持ちの整理がついていない、ということもありますよね。

最初は、責める言い方を避けて、事実と提案だけを書いて送ってみてください。

「遺産は預金と実家です。法定相続分どおりに分ける案を考えています。○月○日までにご意見をいただけますか」

このように期限を書いておくと、返事をもらいやすくなります。

返事が来たら、責めずにまず受け止めるのがコツです。

「忙しくて、正直どう進めればいいか分からなかった」
「じゃあ、必要な書類はこちらでそろえるね」

こんなふうに、相手の手間を減らす提案をすると話が動きやすくなります。

印鑑を押さないとどうなる?

『印鑑を押さなければ、ずっと決まらないの?』と思う方も多いはずです。

相続人のうち1人でも同意しなければ、遺産分割協議は成立しません。ただ、家庭裁判所の調停で話がまとまらなければ、審判で裁判所が分け方を決めます。最後まで印鑑を押さずに逃げ切れるわけではないんです。

相手の住所が分からない・行方不明の時

『そもそも連絡先が分からない』というケースもありますよね。疎遠になっていた兄弟や、前妻の子が相続人になっている時によく起こります。

相続人であれば、相手の戸籍の附票を取り寄せて、今の住所を調べられる場合があります。住所が分かれば、まずは手紙で事情を伝えてみてください。

住所を調べても見つからず、行方不明の時は、家庭裁判所で不在者財産管理人を選んでもらう方法があります。管理人が行方不明の人の代わりに遺産分割に加わる形です。

相続のハンコ代とは?

ハンコ代は、遺産分割協議書に印鑑を押してもらう代わりに渡すお金を指す言い方です。法律上の決まりがあるお金ではありません。

例えば、実家を長男がすべて相続する代わりに、ほかの兄弟に少しまとまったお金を払う、という形です。法律上は、代償分割として整理されることが多いですね。

ハンコ代を払えば早くまとまることもあります。ただ、相手の法定相続分と比べて大きく少ないと、かえって不満が残ってこじれることも。いくら払うかは、遺産全体の金額と法定相続分を踏まえて決めておきましょう。

相続が決まらない場合は遺産分割調停へ

話し合いで決まらない時は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てます。調停では、調停委員が間に入って、相続人それぞれの言い分を聞きながら解決を目指します。

遺産分割調停までの流れ
  1. 相続人と遺産の内容を一覧にする
  2. 書面で分け方の案を送り、期限を決めて返事を求める
  3. 返事がない・合意できない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てる
  4. 調停で話し合い、合意できれば調停調書を作る
  5. 調停で決まらない時は、審判で裁判所が分け方を決める

調停は、相手方のうち1人の住所地を管轄する家庭裁判所などに申し立てます。手続きの詳細は、裁判所のホームページで確認できます。

兄弟がもめる原因や、疲れてしまった時の向き合い方は相続争い・相続問題の対処法でも解説しています。

遺産相続を長引かせるとどうなる?

『わざと長引かせて、こちらが折れるのを待っているのでは』と感じることもありますよね。でも、長引いて困るのは、実は相手も同じなんです。

長引いた時に起きること
  • 相続税の申告期限(亡くなった日の翌日から10か月以内)までに分け方が決まらない
  • 相続開始から10年を過ぎると、特別受益や寄与分を主張できなくなる
  • 不動産の相続登記を、知った日から3年以内に済ませられない
  • 相続人が亡くなり、さらに相続人が増えて話し合いが難しくなる

相続人がさらに亡くなって手続きが重なるケースは数次相続とはで解説しています。

待っている間にできること

決まらない間も、使える制度があります。

預貯金は、仮払い制度を使えば、1つの金融機関ごとに「相続開始時の預金額 × 3分の1 × 自分の法定相続分」まで、上限150万円で単独で引き出せます。葬儀費用や当面の生活費に充てたい時に役立ちます。

相続登記は、期限内に分け方が決まらなくても、相続人申告登記をすれば義務を果たせます。

相続税は、期限までに分け方が決まらなくても、法定相続分で分けたと仮定していったん申告します。その時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておけば、分け方が決まった後に配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を受け直せます。

相続人同士の関係がこじれていて、申告期限が近い、土地がある、という場合は、税理士に申告の段取りを早めに任せると安心です。話し合いと申告を並行して進められます。

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よくある質問

遺産相続で兄弟が何も言ってこない時は、どうすればいいですか?

まずは手紙やメールで、遺産の内容と分け方の案、返事の期限を伝えましょう。それでも返事がなければ、家庭裁判所の遺産分割調停を申し立てられます。

相続で印鑑を押さないとどうなりますか?

遺産分割協議は成立しません。ただし、調停でもまとまらなければ審判で裁判所が分け方を決めるので、押さないまま放置し続けることはできません。

遺産分割が決まったのに振り込んでくれません。

遺産分割協議書の内容をもとに、書面で支払いを求めましょう。応じない場合は、弁護士に相談して支払いを求める手続きを検討します。

相続のハンコ代はいくらが相場ですか?

法律上の決まりはなく、相場もありません。相手の法定相続分と比べて大きく少ないと話がこじれやすいので、遺産全体の金額と法定相続分を踏まえて決めましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 遺産分割は全員の合意が必要で、放置しても自然には決まりません。
  • 連絡がない時は、書面で案と期限を伝え、記録を残しましょう。
  • 話し合いに応じない、印鑑を押さない時は、遺産分割調停・審判へ進めます。
  • 決まらない間も、預貯金の仮払い制度や相続人申告登記が使えます。
  • 相続税は法定相続分でいったん申告し、分割見込書を出しておきます。
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相続の手引き 編集部

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