相続の委任状の書き方|テンプレートと代理人に頼む方法

相続の委任状の書き方と代理人に頼む方法を解説する記事のアイキャッチ

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銀行や法務局の相続手続きは、平日の昼間に何度も足を運ぶことになりがちです。『仕事を休めないし、遠方に住んでいる兄弟もいる…』と困っている方も多いはずです。

結論から言うと、相続手続きの多くは、委任状を書けば家族や専門家に代わりに進めてもらえます。この記事では、委任状の書き方と文例、銀行での使い方、注意点がわかります。

目次

相続の委任状とは?代理人に手続きを任せる書類

先に結論

相続の委任状は、相続人が「この手続きをこの人に任せます」と書いて、署名・押印する書類です。銀行の払い戻しや残高証明書の請求、相続登記などで使えます。金融機関によっては専用の書式があるので、まず提出先に確認してから書くのが近道です。

相続手続きは、本来は相続人本人が窓口に行って進めるものです。ただ、相続人が何人もいると、全員がそろって窓口に行くのは大変ですよね。

そこで使うのが委任状なんです。委任状があれば、相続人の代わりに別の人が書類を出したり、受け取ったりできます。

相続の全体像がまだつかめていない方は、先に相続とは|遺産相続の基本と仕組みを読んでおくと、この先の話がわかりやすくなります。

相続代理人とは?誰に頼める?

相続代理人とは、相続人に代わって手続きをする人のことです。特別な資格がなくても、家族や親族に頼むことができます。

よくあるのは、次のような頼み方です。

  • 相続人の代表者(長男など)に、ほかの相続人が委任する
  • 遠方に住む相続人が、近くに住む兄弟に委任する
  • 司法書士・税理士・弁護士などの専門家に委任する

例えば、母と子2人で父の遺産を相続するケース。母が高齢で窓口に行くのがつらいなら、長男が母と弟から委任を受けて、まとめて手続きをする形がよく使われます。

ただし、遺産分割の話し合いで相手と争っている時に、代わりに交渉できるのは弁護士だけです。登記の申請の代理は司法書士、相続税の申告は税理士の仕事になります。

相続の委任状が必要になる主な手続き

委任状が使われる場面は、主に次のとおりです。

手続き主な提出先委任状のポイント
預貯金の払い戻し・解約銀行・ゆうちょ銀行金融機関の専用書式があることが多い
残高証明書の請求銀行・ゆうちょ銀行「残高証明書の請求と受領」と書く
相続登記の申請法務局司法書士に頼む時は司法書士が書式を用意
法定相続情報一覧図の申出法務局親族や一部の専門家が代理できる
株式・投資信託の名義変更証券会社証券会社所定の書式を使う
相続放棄の申述家庭裁判所申述は本人の意思確認が中心になる

『戸籍も代わりに集めてもらえる?』と思うかもしれません。実は、2024年3月1日に始まった戸籍証明書の広域交付は、郵送や代理人による請求ができません。代わりに集めてもらう時は、従来どおり本籍地の役所へ請求する形になります。

ゆうちょ銀行での流れや書類はゆうちょ銀行の相続手続きでくわしく解説しています。

相続の委任状の書き方と記載例

委任状の書式は、法律で決まっているわけではありません。ただ、次の項目が抜けていると、窓口で受け付けてもらえないことがあります。

相続の委任状に書く項目をまとめた図解
委任状に書く項目
  • 作成日
  • 代理人(受任者)の住所・氏名
  • 委任する内容(どの手続きを任せるか)
  • 亡くなった人(被相続人)の氏名と亡くなった日
  • 対象の財産(金融機関名・支店名・口座番号など)
  • 委任する人(委任者)の住所・氏名と押印

ここが大事なところです。委任する内容は、できるだけ具体的に書いておきましょう。「相続に関する一切の件」のような書き方だと、銀行によっては受け付けてもらえません。

相続の委任状テンプレート(文例)

銀行の相続手続きを家族に任せる場合の文例です。自分のケースに合わせて書き換えて使ってみてください。

文例:銀行の相続手続きの委任状

委任状

令和○年○月○日

代理人
住所 東京都○○区○○町○丁目○番○号
氏名 ○○ ○○

私は、上記の者を代理人と定め、下記の権限を委任します。

記
被相続人○○ ○○(令和○年○月○日死亡)の相続に関し、○○銀行○○支店における下記口座の残高証明書の請求および受領、預金の払い戻しおよび解約の手続きに関する一切の権限。
普通預金 口座番号○○○○○○○

委任者
住所 東京都○○区○○町○丁目○番○号
氏名 ○○ ○○ (実印)

手書きでもパソコンで作っても大丈夫です。ただ、氏名の欄は自分で書いて、印鑑を押しておくと安心です。

遺産相続の委任状でよくある書き間違い

窓口で差し戻されやすいのは、次のようなケースです。

  • 代理人の氏名だけで、住所が書かれていない
  • 口座番号や支店名が抜けている
  • 認印で押していて、実印と印鑑証明書を求められた
  • 日付が空欄のまま

「この委任状で手続きできますか?」「印鑑が実印ではないので、書き直していただけますか」というやり取りになると、また日を改めることになります。出す前に提出先へ電話で確認しておくと、二度手間を防げます。

銀行の相続手続きで委任状を使う時の注意点

銀行の委任状テンプレートはダウンロードできる?

多くの銀行は、相続手続き用の委任状を独自の書式で用意しています。ホームページからダウンロードできる銀行もあれば、窓口や郵送で受け取る銀行もあります。

『自分で作った委任状でもいいの?』という方もいますよね。銀行によって扱いが違うので、まずは相続の窓口に「委任状の書式はありますか」と聞いてみてください。

実印と印鑑証明書を求められることが多い

払い戻しや解約のようにお金が動く手続きでは、委任状に実印を押して、印鑑証明書を添えるよう求められるのが一般的です。

印鑑証明書は発行からの期間に条件がある銀行も多いので、取るタイミングも確認しておきましょう。

白紙の委任状は渡さない

代理人の欄や委任する内容を空けたまま、印鑑だけ押して渡すのは避けてください。家族であっても、思っていない手続きに使われるおそれがあります。

『家族だから大丈夫』と思うのは自然なことです。ただ、相続はお金が絡む話なので、後から揉めないためにも中身を書いてから渡しておくのが安心です。

委任状だけでは進められないケース

委任状があっても、相続人本人の意思が必要な場面があります。

例えば、遺産分割協議書です。誰がどの財産を受け取るかを決める書類なので、相続人全員が自分で署名・押印するのが基本です。

また、相続人の中に認知症などで判断が難しい人がいる場合、その人は委任状を書くこと自体ができないことがあります。この時は成年後見人を立てる必要が出てくるので、認知症の人の相続を確認してみてください。

相続人が多い、相続人が遠方にばらばらに住んでいる、土地や株式など財産の種類が多い。こんな時は、手続きそのものを専門家に任せたほうが、結果的に早く終わることも。相続税がかかりそうな場合は、申告まで含めて税理士に相談しておくと、期限に追われずに済みます。

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よくある質問

相続の委任状は手書きでないといけませんか?

いいえ。パソコンで作っても使えます。ただ、委任者の氏名は自分で書き、印鑑を押しておくと安心です。銀行によっては専用の書式を指定されるので、先に確認してみてください。

委任状に押す印鑑は認印でもいいですか?

提出先によります。預金の払い戻しや解約のようにお金が動く手続きでは、実印と印鑑証明書を求められるのが一般的です。

相続人全員分の委任状が必要ですか?

代理人に任せる相続人の人数分が必要です。例えば、相続人3人のうち1人が代表で手続きするなら、残り2人分の委任状を用意します。

まとめ

この記事の要点
  • 相続の委任状は、手続きを代理人に任せるための書類
  • 家族にも専門家にも頼めるが、交渉の代理は弁護士だけ
  • 代理人・委任する内容・対象の財産を具体的に書く
  • 銀行は専用書式と実印・印鑑証明書を求めることが多い
  • 遺産分割協議書は相続人本人が署名・押印する
相続の手引き

相続の手引き 編集部

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