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『兄弟の一人が話し合いに来てくれない』『連絡しても返事がない』。遺産の分け方で、こんな状況に困っていませんか。
結論から言うと、相続人の一人が遺産分割協議に応じない時は、家庭裁判所の調停を申し立てるのが基本の解決方法です。この記事では、遺産分割協議の進め方と、こじれた時の打ち手がわかります。
相続人の一人が遺産分割協議に応じない時はどうする?
遺産分割協議は相続人全員の合意がないと成立しません。一人でも応じない時は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てます。調停でもまとまらなければ審判に移り、裁判官が分け方を決めます。
遺産分割協議は、多数決では決められないんです。
『一人だけ反対なら、残りで決めてしまえば?』と思いますよね。ただ、全員の合意がない協議書では、預金の解約も相続登記もできません。
応じない理由で、取るべき行動が変わります。
| 状況 | まず試すこと | 進まない時 |
|---|---|---|
| 内容に不満がある | 財産の一覧を見せて分け方の案を出す | 遺産分割調停 |
| 感情的にこじれている | 第三者(弁護士など)を間に入れる | 遺産分割調停 |
| 連絡がつかない・行方不明 | 戸籍の附票で住所を調べて手紙を送る | 家庭裁判所で不在者の財産管理人を選ぶ |
| 認知症で判断できない | 医師の診断を確認する | 成年後見人を選んでもらう |

調停は、調停委員が間に入って双方の言い分を聞いてくれる場です。顔を合わせずに話を進められることもあるので、感情的になっている時ほど向いています。
調停を申し立てる前に、手紙で「財産の一覧」と「分け方の案」を送っておくのもおすすめです。返事がなかったという記録が残りますし、相手が内容を見て考え直すきっかけにもなります。
遺産分割協議の進め方|誰が参加する?
遺産分割協議の基本の流れはシンプルです。
- 遺言書があるかを確かめる
- 戸籍を集めて相続人を確定する
- 財産と借金を調べて一覧にする
- 相続人全員で分け方を話し合う
- 合意した内容を遺産分割協議書にまとめ、全員が署名・実印で押印する
全員が一か所に集まる必要はなく、電話や手紙でまとめた案に全員が署名する形でも構いません。協議書の作り方は遺産分割協議書の書き方|ひな形と作成時の注意点で確認できます。
土地をどう活用するか決めたい時も、手順は同じです。まず誰が土地を相続するかを協議で決め、相続登記をしてから売却や賃貸に進みます。
相続人以外が参加することはできる?
『夫(妻)も話し合いに同席していい?』という質問はよくあります。
相続人の配偶者は相続人ではないので、協議書に署名する立場にはありません。同席して意見を言うこと自体は禁止されていませんが、もめる原因になりやすいので注意しておきましょう。
一方で、相続人から「相続分の譲渡」を受けた人は、相続人の代わりに協議に参加できます。協議書には、法定相続人以外であってもこの人の署名が必要になります。誰が相続人になるかは法定相続人とはで確認しておくと安心です。
相続人が認知症の時は成年後見人が参加する
相続人の中に認知症などで判断が難しい人がいると、その人は協議に参加できません。
この場合は、家庭裁判所に成年後見人を選んでもらい、後見人が代わりに遺産分割協議に参加します。後見人は本人の利益を守る立場なので、本人の取り分を極端に少なくする分け方には同意できないことも覚えておきましょう。
協議書は相続人全員の署名と実印が必要
協議がまとまったら、遺産分割協議書に相続人全員が署名し、実印で押印します。印鑑証明書もあわせて用意しておきましょう。一人でも署名が欠けると、銀行や法務局で受け付けてもらえません。
遺産分割協議はやり直しできる?時効はある?
全員が合意すればやり直しはできる
一度まとまった協議でも、相続人全員が合意すれば、協議をやり直して新しい協議書を作れます。
ただ、税金の面では注意が必要です。やり直しで財産が人から人へ移ると、贈与として扱われて贈与税がかかるおそれがあります。やり直す前に税理士に確認しておきましょう。
遺産分割に時効はないが10年に注意
遺産分割には、法律上の期限(時効)はありません。
ただ、2023年4月1日施行の改正民法で、相続開始から10年を過ぎると、特別受益や寄与分を主張できなくなりました。原則として法定相続分で分けることになります。
例えばこんな会話になりがちです。
「生前に兄だけ家を買ってもらったんだから、その分は差し引いてほしい」
「もう10年以上たっているから、それは言えないよ」
主張したいことがあるなら、早めに話し合いを始めておくのが大切です。
相続税の申告が必要な場合は、話し合いが長引いても10か月の申告期限は延びません。不動産が多い、相続人が多い、期限が迫っている、という時は、分け方ごとの税額を税理士に試算してもらうと、話し合いの材料にもなります。
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よくある質問
相続人の一人が遺産分割協議に応じない場合、残りの相続人だけで決められますか?
決められません。遺産分割協議は相続人全員の合意が必要です。応じない時は家庭裁判所の遺産分割調停を申し立てます。
遺産分割協議に期限はありますか?
法律上の期限はありません。ただし相続開始から10年を過ぎると特別受益・寄与分を主張できなくなり、相続税の申告が必要なら10か月の期限もあります。
協議がまとまらないうちに預金を下ろすことはできますか?
預貯金の仮払い制度を使えば、1つの金融機関ごとに上限150万円まで、相続人が単独で払い戻しを受けられます。
まとめ
- 遺産分割協議は相続人全員の合意が必要で、多数決では決められない
- 応じない相続人がいる時は、家庭裁判所の調停、まとまらなければ審判へ
- 認知症の相続人には成年後見人、相続分の譲渡を受けた人は協議に参加する
- やり直しは全員の合意で可能だが、贈与税がかかるおそれがある






