代表相続人とは|決め方・委任状と勝手に手続きされた時の対処

代表相続人の役割と決め方を解説する記事のアイキャッチ

当サイトは国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。

銀行で親の口座の手続きをしようとしたら「代表相続人の方は?」と聞かれた。『代表相続人って誰がなるの?何をする人?』と戸惑った方も多いはずです。

結論から言うと、代表相続人とは、銀行の解約などの相続手続きを、相続人全員を代表して進める人のことです。法律で決められた役職ではなく、相続人同士の話し合いで1人を決めます。

この記事では、代表相続人の決め方や必要な書類、勝手に手続きされた時の対処がわかります。

目次

代表相続人とは?相続人代表者との違い

先に結論
  • 代表相続人(相続人代表者)は、相続手続きの窓口を担う相続人のことです。
  • 法律上の決まった順位はなく、相続人の話し合いで決めます。
  • 代表相続人が手続きするには、ほかの相続人の同意書や委任状、印鑑証明書が必要になるのが一般的です。
  • 代表相続人が受け取ったお金は、遺産分割で決めたとおりに分ける必要があります。

代表相続人は、主に銀行や証券会社の相続手続きで使われる言葉です。「相続代表者」「相続人代表」と呼ばれることもあります。

金融機関は、相続人全員とやり取りするのが大変なので、窓口を1人にまとめてもらうんです。代表相続人の口座に遺産をまとめて振り込み、そこから各相続人に分ける流れがよくあります。

似た言葉との違い

言葉どんな人関係する手続き
代表相続人相続手続きの窓口役の相続人銀行・証券会社の解約、名義変更
相続人代表者(固定資産税)固定資産税の通知を受け取る相続人市区町村への相続人代表者指定届
遺言執行者遺言の内容を実行する人遺言で指定、または家庭裁判所が選任

固定資産税の代表者は、市区町村に届け出る別の手続きです。詳しくは相続人代表者指定届とはで解説しています。

遺言で遺言執行者が決まっている時は、その人が手続きを進めるのが基本です。代表相続人を決める必要がないこともあります。

代表相続人の決め方と順位

『長男がなるもの?』と思いがちですよね。でも、代表相続人に法律上の順位はありません。

代表相続人の決め方から遺産を分けるまでの流れを示した図解
代表相続人に向いている人
  • 亡くなった人の近くに住んでいて、銀行の窓口に行きやすい
  • 平日に手続きの時間がとりやすい
  • 相続人全員と連絡が取りやすい
  • お金の管理をきちんとでき、ほかの相続人から信頼されている

配偶者がなることもあれば、子のうち手続きに慣れた人がなることもあります。誰が相続人になるかは法定相続人とはで確認しておきましょう。

決める時は、口約束で済ませずに、誰が代表になるか・受け取ったお金をいつどう分けるかを、メモや遺産分割協議書に残しておくと後で揉めにくくなります。

誰も引き受けない・意見が割れる時は

『仕事が忙しくて自分は無理』と、誰も代表相続人を引き受けたがらないこともありますよね。反対に、複数の人がなりたがって揉めることも。

その場合は、手続きを分担する方法もあります。例えば、A銀行は長男、B銀行は長女というように、金融機関ごとに窓口を分けるやり方です。

それでもまとまらない時は、司法書士や行政書士などに手続きを頼む方法もあります。窓口を専門家にすると、特定の相続人にお金が集まる不安も減らせます。

代表相続人が用意する書類と委任状

代表相続人が手続きをする時、金融機関からは主に次の書類を求められます。必要な書類は金融機関ごとに違うので、事前に確認してみてください。

代表相続人の手続きの流れ
  1. 金融機関に、口座の持ち主が亡くなったことを連絡する
  2. 相続手続きの書類(相続届・同意書など)を受け取る
  3. 戸籍謄本や印鑑証明書など必要書類を集める
  4. ほかの相続人に署名・実印での押印をしてもらう
  5. 書類を提出し、代表相続人の口座に払い戻してもらう
  6. 遺産分割で決めた割合で、ほかの相続人に振り込む
書類内容
相続届・同意書金融機関所定の書類に、相続人全員が署名・実印を押す
戸籍謄本亡くなった人の出生から死亡まで、相続人全員の分
印鑑証明書相続人全員の分
遺産分割協議書分割が決まっている場合
委任状代表相続人に手続きを任せる場合

戸籍の束の代わりに、法務局で無料で交付される「法定相続情報一覧図の写し」を使える金融機関も多いです。

委任状に書くこと

委任状は、ほかの相続人が「手続きを代表相続人に任せます」と示す書類です。金融機関所定の様式があればそれを使います。

一般的には、委任する人と代表相続人の住所・氏名、亡くなった人の氏名、どの口座の何の手続きを任せるかを書き、委任する人が署名して実印を押します。

『とりあえず全部任せます』とあいまいに書くのは避けておきましょう。任せる範囲をはっきり書いておくと、後のトラブル防止になります。

代表相続人からの振り込みと手数料

代表相続人がまとめて受け取ったお金は、遺産分割で決めた割合で各相続人に振り込みます。

ここで気になるのが振込手数料ですよね。法律で誰が負担するか決まっているわけではありません。遺産の中から払うのか、受け取る人が負担するのか、事前に話し合っておくとすっきりします。

代表相続人が多く受け取ると贈与税に注意

代表相続人の口座に入ったお金は、あくまで相続人全員の遺産です。遺産分割で決めた額より多く手元に残すと、ほかの相続人とのトラブルになります。

また、遺産分割が終わった後に、ほかの相続人が自分の取り分を代表相続人にあげた場合は、贈与として扱われることもあるんです。分け方は、遺産分割の段階で決めておきましょう。

代表相続人が勝手に手続きしたら?

『兄が勝手に親の口座を解約していた』という相談は少なくありません。

ただ、金融機関の相続手続きは、原則として相続人全員の同意書類が必要です。誰にも知らせずに全額を引き出すのは、本来できない仕組みになっています。

例外として、預貯金の仮払い制度があります。1つの金融機関ごとに「相続開始時の預金額×1/3×その相続人の法定相続分」、上限150万円までなら、相続人が単独で払い戻しを受けられます。

勝手に手続きされた時の対処
  • 金融機関に取引履歴を請求して、いつ・いくら引き出されたか確認する
  • 代表相続人に、何に使ったか説明と返還を求める
  • 話し合いで解決しなければ、家庭裁判所の調停や、弁護士への相談を考える

相続人であれば、亡くなった人の口座の取引履歴を請求できます。まずは事実を確認するところから始めてみてください。

遺産に不動産や株があって相続税がかかりそうな方は、代表相続人がまとめて申告の準備をすることもあります。相続人が多く、書類や税金のやり取りが大変な時は、税理士に任せると窓口役の負担が軽くなります。

相続税の申告・相談先に迷ったら

相続に強い税理士を
税理士ドットコムで無料紹介

知り合いに税理士がいない、どこに頼めばいいか分からない。そんな方も多いですよね。
土地や自宅がある、相続人が多いといった場合は、相続税の申告に慣れた税理士に早めに相談すると、手続きがぐっと楽になります。

税理士ドットコムの相続税申告に強い税理士の紹介ページ
税理士ドットコムの紹介ページ(2026年10月時点)
  • 全国7,500名以上の登録税理士から、相続に強い税理士を紹介
  • 紹介は無料、24時間365日受付
  • 最短当日に税理士を紹介してもらえる
  • 東証プライム上場の弁護士ドットコム株式会社が運営

申し込みは、お探しの地域を選んで、かんたんな質問に答えるだけ。全5ステップで、入力の目安は30秒です。

税理士ドットコムの申し込み画面。最初にお探しの地域を選ぶ
最初は地域を選ぶだけ。入力情報は公開されません

かんたん30秒・24時間365日受付

税理士ドットコムで
相続に強い税理士を探す(無料)

税理士ドットコムの紹介ページに移動します

よくある質問

代表相続人になると、相続税も1人で払うのですか?

いいえ。相続税は、それぞれの相続人が取得した財産に応じて納めます。代表相続人がまとめて納付の手続きをすることはあっても、負担は各人の分です。

代表相続人を途中で変えることはできますか?

相続人全員が同意すれば変えられます。金融機関には変更を伝え、必要な書類を出し直しましょう。

代表相続人に報酬を払う必要はありますか?

法律上の決まりはありません。交通費や書類の取得費などの立て替えは、相続人の間で話し合って遺産から精算することもあるので、領収書を残しておきましょう。

相続人が1人の場合も代表相続人を決める必要がありますか?

相続人が1人なら、その人が手続きをするので代表相続人を決める必要はありません。

まとめ

この記事の要点
  • 代表相続人は、銀行などの相続手続きで相続人を代表する窓口役
  • 法律上の順位はなく、相続人の話し合いで決める
  • 手続きには相続人全員の同意書や印鑑証明書、委任状などが必要
  • 受け取ったお金は遺産分割どおりに分け、振込手数料の負担も事前に決めておく
  • 勝手に引き出された時は、取引履歴を確認して返還を求める
相続の手引き

相続の手引き 編集部

相続・相続税の制度と手続きを、公的機関の公開情報をもとにわかりやすく解説しています。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次