損害賠償は相続放棄で泣き寝入り?事故の賠償責任と相続の関係

損害賠償の責任と相続放棄の関係を解説する記事のアイキャッチ

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亡くなった家族が事故を起こしていて、相手から損害賠償を求められている。『賠償金まで相続しないといけないの?』『相続放棄すれば払わなくていい?』と不安になっている方も多いはずです。

結論から言うと、亡くなった人が負っていた損害賠償の支払い義務は借金と同じく相続の対象で、相続放棄をすれば引き継ぎません。ただし、期限や放棄できなくなる行動に注意が必要で、家族自身に別の責任が問われるケースもあります。

この記事では、損害賠償と相続放棄の関係を、支払う側と受け取る側の両方から見ていきます。

目次

損害賠償責任は相続放棄で免れる?

先に結論
  • 亡くなった人の損害賠償の支払い義務は、マイナスの財産として相続されます。
  • 相続放棄をすると、財産も賠償の義務も引き継ぎません。
  • 期限は、相続の開始があったことを知った時から3か月以内です。
  • 家族が監督する立場だったなど、家族自身の責任が問われる場合は相続放棄では免れません。

損害賠償の義務は、亡くなった人の借金と同じように扱われます。相続人が相続すれば、法定相続分などに応じて支払う義務を引き継ぐことになるんです。

相続放棄をすると、初めから相続人でなかったことになります。賠償の義務も引き継がないので、相手からの請求に応じる必要はなくなります。相続放棄の基本は相続放棄とはで解説しています。

電車の事故などで高額な賠償金を求められた時

『電車への飛び込みで、鉄道会社から高額な賠償金を請求されると聞いた』という不安もよく耳にします。

亡くなった人が負った賠償の義務は、相続放棄で引き継がないようにできます。請求書が届いても、慌てて支払いや約束をしないことが大切です。

例えば、こんなやり取りになりがちです。「とりあえず少しだけでも払っておけば…」「払うと相続を認めたとみなされることがあるから、先に放棄を考えよう」。

相続放棄できない・免れないケース

相続放棄は便利な制度ですが、何でも免れるわけではありません。次のような場合は注意が必要です。

ケースどうなる?
3か月の期限を過ぎた原則として放棄できない(期間の伸長は申立てできる)
亡くなった人の財産を使った・処分した単純承認とみなされ、放棄できなくなることがある
家族自身が監督する立場だった家族自身の賠償責任は、相続放棄では免れない
家族が連帯保証人になっていた保証人としての責任は残る
損害賠償を請求された時に、期限内に相続放棄を判断するまでの流れを示した図解

3か月では財産や賠償の額を調べきれない時は、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てることもできます。期限は、事故や借金を知るのが遅れた場合でも、まずは家庭裁判所に相談してみてください。期限の数え方は相続放棄の期限は3ヶ月で詳しく解説しています。

放棄を考えている時に避けたいこと
  • 賠償金の一部を、亡くなった人の預金から払う
  • 亡くなった人の車や家財を売る、処分する
  • 相手と「払います」という約束を書面で交わす

放棄が受理されたら、相手には受理通知書のコピーなどで放棄したことを伝えておくと、話がこじれにくくなります。

生命保険金は、受取人の固有の財産なので、相続放棄をしても受け取れます。ただ、相続放棄をした人は生命保険金の非課税枠を使えません。

被害者側は泣き寝入りになる?

反対に、加害者が亡くなり、その相続人が全員相続放棄をした被害者の側はどうなるのでしょうか。『相手が放棄したら泣き寝入りするしかないの?』と不安になりますよね。

まず確認したいのは、加害者が入っていた保険です。自動車保険などの賠償責任保険は、加害者が亡くなっても、保険会社に請求できることがあります。

相続人がいなくなった場合は、家庭裁判所に相続財産清算人を選んでもらい、加害者の財産から支払いを受ける道もあります。手続きは相続財産清算人とはで解説しています。

遺族が賠償金を受け取る側の時は

家族が事故の被害で亡くなった場合、亡くなった人の損害賠償を請求する権利も相続財産です。相続放棄をすると、この請求権も引き継げなくなります。

亡くなった人に借金があって放棄を考えている時は、受け取れるはずの賠償金と比べて判断することが大切です。

損害賠償が関わる相続は、放棄するかどうかの判断が難しく、期限も3か月と短いです。財産や賠償金が大きく、相続税がかかりそうな場合もあるので、迷った時は専門家に相談してみてください。

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よくある質問

相続放棄をすれば、鉄道会社からの賠償請求はなくなりますか?

亡くなった人が負った賠償の義務は引き継がないので、相続人として支払う必要はなくなります。ただし、家族自身の責任が問われる場合は別です。

賠償金を少し払ってしまいました。もう相続放棄できませんか?

亡くなった人の財産から払った場合は、単純承認とみなされるおそれがあります。自分のお金から払った場合など事情によって変わるので、早めに専門家に相談してみてください。

相続放棄をしたら、次の順位の人に請求が行きますか?

放棄すると次順位の人が相続人になるので、請求が移ることがあります。放棄したことを次順位の人に伝えておくと、慌てずに済みます。

まとめ

この記事の要点
  • 亡くなった人の損害賠償の義務は相続され、相続放棄をすれば引き継がない
  • 期限は3か月で、財産を使ったり処分したりすると放棄できなくなることがある
  • 家族自身の責任や連帯保証人としての責任は、相続放棄では免れない
  • 被害者側は、保険や相続財産清算人を使って回収できることがある
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相続の手引き 編集部

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