家の名義変更にかかる相続税と贈与税|土地の名義変更の税金の違い

家や土地の名義変更にかかる税金を解説する記事のアイキャッチ

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実家や土地の名義を親から子に変えたいけれど、『名義変更するだけで相続税や贈与税がかかるの?』と不安になっていませんか。

結論から言うと、名義変更そのものに相続税がかかるわけではありません。かかる税金は「相続で変えるか、生前贈与で変えるか」で決まります。

この記事では、亡くなった親の土地を相続する場合と、生きているうちに贈与する場合の税金の違いを、計算例で比べていきます。

目次

家の名義変更にかかる税金は「相続」か「贈与」かで変わる

先に結論

亡くなった親の家・土地を相続で名義変更する場合は、登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)がかかり、遺産が基礎控除を超えた時だけ相続税がかかります。生前に親から子へ贈与で名義変更する場合は、贈与税と登録免許税(2%)、さらに不動産取得税がかかります。

名義変更は、法務局で所有権移転の登記をする手続きです。この登記の原因が「相続」か「贈与」かで、かかる税金がまったく違ってくるんです。

税金相続で名義変更生前贈与で名義変更
相続税 / 贈与税遺産が基礎控除を超えた時だけ相続税年110万円を超えると贈与税
登録免許税固定資産税評価額×0.4%固定資産税評価額×2%
不動産取得税かからないかかる

登録免許税の税率は国税庁のタックスアンサー(No.7191 登録免許税の税額表)で確認できます。不動産取得税は、総務省の説明でも相続による取得は課税されないとされています。

相続と生前贈与で名義変更した時にかかる税金の違いを示した図解

亡くなった親の土地を名義変更する時の税金

『親が亡くなって実家を継ぐけど、名義変更で大きな税金がかかるのかな…』と心配な方も多いはずです。

登録免許税は評価額の0.4%

相続登記でかかるのは、登録免許税です。固定資産税評価額に0.4%をかけて計算します。

例えば、実家の土地と建物の固定資産税評価額が合わせて2,000万円なら、登録免許税は8万円です。

固定資産税評価額は、毎年届く固定資産税の納税通知書(課税明細書)で確認できます。

相続税は遺産全体で判断する

相続税は、家だけでなく預貯金や株式も含めた遺産全体で判断します。合計が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」以下なら、相続税はかかりません。

例えば、母が亡くなり、子2人が実家と預金を相続するケースなら、基礎控除は4,200万円です。実家の評価額と預金の合計がこれ以下なら、相続税の申告もいりません。

自宅の土地には、小規模宅地等の特例が使えることもあります。要件を満たせば、330㎡まで評価額を80%減らせます。使えるかどうかは、同居の有無などで変わるので税理士に確認してみてください。

相続登記は3年以内が義務

2024年4月1日から、相続登記は義務になりました。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記します。

正当な理由なく放っておくと、10万円以下の過料の対象になります。施行日前の相続も対象なので、昔の名義のままの実家がある方は注意しましょう。

手続きの流れや期限の詳しい扱いは、相続登記の義務化で解説しています。

生前贈与で家の名義を親から子へ変える時の税金

『相続まで待たずに、今のうちに家の名義を子どもに変えておきたい』という相談もよくあります。この場合は贈与になるので、税金の考え方が変わります。

贈与税はいくら?計算例

贈与税は、もらった人ごとに年110万円の基礎控除を引いて計算します。親から18歳以上の子への贈与なら、特例税率を使います。

例えば、評価額1,000万円の家を親から子へ贈与したケースで計算してみます。

手順計算金額
基礎控除後の金額1,000万円−110万円890万円
贈与税(特例税率)890万円×30%−90万円177万円
登録免許税固定資産税評価額1,000万円とした場合×2%20万円

これに加えて、不動産取得税もかかります。相続なら8万円で済んだかもしれない名義変更が、贈与だと一気に重くなることがわかりますよね。

贈与でも税金を抑えられる制度

贈与で名義を変える時に使える制度もあります。

贈与で使える主な制度
  • 相続時精算課税:累計2,500万円まで贈与税がかからない(相続時に精算)
  • 贈与税の配偶者控除:婚姻20年以上の夫婦間で居住用不動産なら最高2,000万円
  • 住宅取得等資金の贈与の非課税:家を買うための資金の贈与が対象

マンションの名義を親子間で変える場合も、考え方は同じです。どの制度が向いているかは、親の年齢や他の財産によって変わります。

登記を自分で申請する場合の手順や費用は、相続登記を自分でやる方法で確認できます。

土地が複数ある、贈与と相続のどちらが得か判断できない。こんな時は、税額のシミュレーションまで税理士にまとめて頼むと迷わずに済みます。

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結局、相続と生前贈与はどちらで名義変更するのが得?

『税金だけ見れば、相続まで待ったほうが得なの?』と気になりますよね。

名義変更にかかる税金だけで比べると、多くのケースでは相続のほうが軽く済みます。登録免許税の税率が5分の1で、不動産取得税もかからないからです。

さらに相続税には基礎控除があり、遺産が一定額以下ならそもそも相続税がかかりません。

ただ、生前贈与にも意味がある場面はあります。

生前贈与が向いているケース
  • 遺産が多く、相続税が高くなりそうな家庭
  • 将来値上がりしそうな土地を早めに移したい
  • 婚姻20年以上の夫婦で自宅を配偶者に残したい
相続まで待つほうがよいケース
  • 遺産が基礎控除以下に収まりそう
  • 小規模宅地等の特例が使える自宅
  • 贈与税や不動産取得税を払う余裕がない

注意したいのは、贈与した財産が相続財産に足し戻されるルールです。2024年1月1日以降の贈与から、加算される期間が相続開始前3年から7年に延びました。2027年1月以降の相続から段階的に伸び、2031年1月以降の相続で7年になります。

亡くなる直前に名義を変えても、相続税の節税にならないことも。どちらが得かは、家族構成と財産全体で変わります。

名義変更の手続きと必要なもの

名義変更は、不動産の所在地を管轄する法務局に登記を申請します。法務局のホームページには、登記申請書の様式と記載例が載っています。

相続で名義変更する流れ
  1. 遺言書の有無を確認する
  2. 戸籍を集めて相続人を確定する
  3. 遺産分割協議で誰が家を相続するか決める
  4. 登記申請書と必要書類をそろえる
  5. 法務局に申請し、登録免許税を納める

戸籍の束の代わりに、法務局で無料交付される「法定相続情報一覧図の写し」を使うこともできます。取り方は法定相続情報一覧図の取得方法を見てみてください。

贈与の場合は、贈与契約書を作っておくのが基本です。

「口約束でも名義を変えれば大丈夫だよね?」
「後から贈与があったと説明できるように、契約書は残しておいたほうが安心だよ」

こんなやり取りがあったら、後者が正解です。贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに、贈与税の申告もしておきましょう。

よくある質問

相続で家の名義変更をすると相続税はかかりますか?

名義変更だけでかかるわけではありません。相続税は遺産全体が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えた時だけかかります。名義変更でかかるのは登録免許税です。

親から子へ家の名義を生前贈与するといくらかかりますか?

贈与税・登録免許税(固定資産税評価額×2%)・不動産取得税がかかります。評価額1,000万円の家を18歳以上の子に贈与すると、贈与税は177万円です。

相続登記をしないとどうなりますか?

2024年4月1日から相続登記は義務になり、知った日から3年以内に登記が必要です。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。

まとめ

この記事の要点
  • 名義変更にかかる税金は、相続か生前贈与かで大きく変わる
  • 相続の名義変更は登録免許税0.4%で、不動産取得税はかからない
  • 相続税は遺産全体が基礎控除を超えた時だけかかる
  • 生前贈与は贈与税・登録免許税2%・不動産取得税がかかる
  • 相続登記は知った日から3年以内が義務
相続の手引き

相続の手引き 編集部

相続・相続税の制度と手続きを、公的機関の公開情報をもとにわかりやすく解説しています。 公式サイト

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