クレジットカードの本人が死亡した時の相続放棄|解約してもいい手続き

相続放棄の前に携帯・公共料金・クレジットカードを解約していいかを解説する記事のアイキャッチ

当サイトは国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。

親が亡くなり、借金が多そうなので相続放棄を考えている。でも、携帯やクレジットカード、電気代の支払いはどうすればいいのか迷いますよね。

結論から言うと、解約や停止の連絡そのものは、相続放棄に影響しにくい手続きです。気をつけたいのは、亡くなった人のお金を使って支払うことと、財産を売ったり持ち出したりすることです。

この記事では、手続きごとに「してもいいこと」と「避けたいこと」がわかります。

目次

相続放棄しても携帯や公共料金の解約はしていい?

先に結論
  • 携帯・公共料金・NHK・クレジットカードの解約や停止の連絡は、一般的に相続放棄の妨げになりにくいとされています。
  • 亡くなった人の預金から未払い分を払うのは避けましょう。財産の処分と見られるおそれがあります。
  • 自分のお金で払った場合は、亡くなった人の財産を使っていないので、問題になりにくいです。
  • 年金の受給停止や銀行への死亡の連絡は、放棄するかどうかに関係なく進めて大丈夫です。

相続放棄をすると、初めから相続人でなかったことになります。ただし、放棄の前に亡くなった人の財産を処分したり使ったりすると、単純承認とみなされて放棄できなくなることがあるんです。

『解約も処分にあたるのでは?』と心配になる方も多いはずです。解約や停止は、余計な料金が増えないよう契約を止めるだけなので、財産を処分する行為とは考えにくいとされています。

相続放棄の基本は相続放棄とはで詳しく解説しています。

手続きごとの「していいこと」と「避けたいこと」

相続放棄の前に、止める・知らせる手続きと、使う・払う・売る行為を分けて示した図解

亡くなった後の手続きは、数が多くて混乱しますよね。主なものを表にまとめました。

手続きしていいこと避けたいこと
携帯電話解約・利用停止の連絡端末を売る、故人の預金で残債を払う
公共料金(電気・ガス・水道)停止・解約の連絡故人の口座から未払い分を払い続ける
NHK死亡による解約の連絡故人の預金で未払い分を清算する
クレジットカードカード会社への死亡の連絡・利用停止故人の預金で残高を払う、カードを使う
銀行口座死亡の連絡(口座凍結)預金を引き出して使う、名義変更する
年金受給停止の届出未支給年金以外の年金を使う

ここが大事なところです。「止める・知らせる」は進めて大丈夫で、「使う・払う・売る」は放棄の判断が終わるまで待つ、と覚えておきましょう。

解約や支払いをしてしまった時は大丈夫?

『もう手続きを進めてしまった』という方に向けて、よくある2つのケースを見ていきます。

携帯解約してしまった時

『相続放棄の前に、もう携帯を解約してしまった』と焦っている方もいるかもしれません。

携帯の解約は、通信料が増え続けないように契約を止める手続きです。それだけで相続放棄ができなくなるとは考えにくいので、まずは落ち着いてください。

注意したいのは、端末の残りの分割代金や未払いの料金を、亡くなった人の預金から払った場合です。これは財産を使ったと見られるおそれがあります。

名義変更は避けておくのが無難です。携帯や公共料金を「解約」ではなく、自分の名義に「名義変更」すると、契約を引き継いだと見られることがあります。

公共料金は、同居している家族が引き続き住むなら、自分の名義で新しく契約し直す形にしておくと安心です。

例えば、窓口ではこんな伝え方ができます。

「父が亡くなったので、父名義の契約は解約したいです」
「私が住み続けるので、私の名義で新しく契約します」

公共料金を支払ってしまった時

『自動引き落としで、死亡後も電気代が引き落とされていた』というケースもありますよね。

口座が凍結されるまでの間に自動で引き落とされた分は、自分から財産を使ったわけではありません。気づいた時点で、引き落とし口座を変えるか解約の連絡をしておきましょう。

自分の財布から未払い分を払った場合は、亡くなった人の財産を減らしていないので、問題になりにくいです。

判断が分かれやすいケース
  • 亡くなった人の預金から、まとまった額の借金や未払い金を返済した
  • 亡くなった人の車や貴金属を売った、形見分けで高価な物を持ち帰った
  • 亡くなった人の口座からお金を引き出して、自分のために使った

こうしたケースは、相続を認めたと見られる可能性があります。すでにしてしまった場合は、相続放棄を申し立てる前に弁護士や司法書士に相談してみてください。

クレジットカードは本人死亡でどうなる?

クレジットカードの本人が亡くなったら、カード会社に連絡してカードを止めてもらいます。家族カードも、本会員の死亡で使えなくなるのが一般的です。

『未払いの残高は誰が払うの?』と気になりますよね。カードの利用残高は亡くなった人の借金なので、相続放棄をすれば、放棄した人が払う必要はありません。

カード会社には、相続放棄を考えていることを伝え、請求を待ってもらいましょう。放棄が受理されたら、家庭裁判所の相続放棄申述受理通知書のコピーを送ると話が早いです。

銀行口座・通帳・年金はどうする?

銀行に死亡を伝えると、口座が凍結されます。凍結は相続放棄に不利になるものではなく、むしろ誰も勝手に引き出せなくなるので安心です。

通帳やキャッシュカードは、捨てずにそのまま保管しておきましょう。放棄しても、手元にある財産は次の相続人に引き渡すまで保存しておく義務があるからです。

年金停止手続きは進めて大丈夫

年金の受給停止は、放棄するかどうかに関係なく必要な届出です。厚生年金は死亡から10日以内、国民年金は14日以内が目安とされています。

未支給年金は、受け取った遺族自身の権利として請求できるもので、相続財産とは別に扱われます。詳しくは年金事務所に確認してみてください。

相続放棄の流れと期限

相続放棄は、自分が相続人になったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申し立てます。費用は申述人1人につき収入印紙800円と連絡用の郵便切手です。

相続放棄までの進め方
  1. 携帯・公共料金・カード会社に死亡を伝え、契約を止める
  2. 銀行に死亡を伝え、口座を凍結してもらう
  3. 借金と財産を調べ、放棄するか決める
  4. 戸籍謄本などを集め、家庭裁判所に申述書を出す
  5. 照会書に答え、受理通知書を受け取る

申し立ての手順は相続放棄の手続きの流れ、期限の数え方は相続放棄の期限で詳しく解説しています。

財産を調べてみたら、借金より預金や不動産のほうが多かった、ということもあります。その場合は放棄せずに相続し、相続税がかかるかを確認する流れになります。遺産が多く相続税がかかりそうなら、土地の評価や申告を税理士に任せると安心です。

相続税の申告・相談先に迷ったら

相続に強い税理士を
税理士ドットコムで無料紹介

知り合いに税理士がいない、どこに頼めばいいか分からない。そんな方も多いですよね。
土地や自宅がある、相続人が多いといった場合は、相続税の申告に慣れた税理士に早めに相談すると、手続きがぐっと楽になります。

税理士ドットコムの相続税申告に強い税理士の紹介ページ
税理士ドットコムの紹介ページ(2026年10月時点)
  • 全国7,500名以上の登録税理士から、相続に強い税理士を紹介
  • 紹介は無料、24時間365日受付
  • 最短当日に税理士を紹介してもらえる
  • 東証プライム上場の弁護士ドットコム株式会社が運営

申し込みは、お探しの地域を選んで、かんたんな質問に答えるだけ。全5ステップで、入力の目安は30秒です。

税理士ドットコムの申し込み画面。最初にお探しの地域を選ぶ
最初は地域を選ぶだけ。入力情報は公開されません

かんたん30秒・24時間365日受付

税理士ドットコムで
相続に強い税理士を探す(無料)

税理士ドットコムの紹介ページに移動します

よくある質問

相続放棄の前に携帯解約をしてしまいました。もう放棄できませんか?

解約は契約を止める手続きなので、それだけで放棄できなくなるとは考えにくいです。故人の預金から残債を払っていなければ、心配しすぎなくて大丈夫です。

亡くなった親のクレジットカードの残高は払わないといけませんか?

利用残高は故人の借金なので、相続放棄をすれば払う必要はありません。カード会社には放棄を検討中であることを伝えておきましょう。

相続放棄するなら通帳はどうすればいいですか?

捨てずに保管しておきましょう。放棄しても、手元の財産は次の相続人に引き渡すまで保存する義務があります。

まとめ

この記事の要点
  • 携帯・公共料金・NHK・カードの解約や停止は、放棄の妨げになりにくい手続きです。
  • 故人の預金で未払い分を払う、財産を売るといった行為は避けましょう。
  • 名義変更ではなく、解約して自分名義で新しく契約するのが安心です。
  • 銀行への連絡と年金停止は、放棄するかどうかに関係なく進めて大丈夫です。
  • 放棄は知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申し立てます。
相続の手引き

相続の手引き 編集部

相続・相続税の制度と手続きを、公的機関の公開情報をもとにわかりやすく解説しています。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次