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新NISAで投資を始めた親から『NISAなら相続税もかからないのでは?』と聞かれた。そんな話を耳にして、気になっている方も多いはずです。
結論から言うと、NISAで非課税になるのは運用益にかかる所得税などで、相続税ではありません。NISA口座の株や投資信託も、亡くなった時点の評価額で相続税の対象になります。
この記事では、株式・NISAが相続でどう扱われるかと、有価証券で使える相続税対策がわかります。
NISAは相続税対策になる?
- NISA口座の中身も相続財産で、相続税の対象になります。
- NISAの非課税の枠は相続人に引き継げず、相続人の口座(課税口座)に移す手続きになります。
- 株式で相続税を減らすなら、生前贈与で少しずつ渡す方法が中心になります。
『NISAは非課税』という言葉から、相続税も非課税だと思ってしまいがちですよね。ただ、NISAの非課税は、配当や売った時の利益にかかる税金の話なんです。
亡くなった人が持っていた株式は、NISA口座でも特定口座でも、同じように相続財産として数えます。相続税がかかるかどうかは、ほかの財産と合わせて基礎控除を超えるかで決まります。
相続税のしくみ全体は相続税対策とはで詳しく解説しています。
上場株式は相続税でどう評価される?
上場株式の相続税評価は、次の4つの価格のうち、最も低いものを使います。
| 比べる価格 | 内容 |
|---|---|
| 相続開始日の終値 | 亡くなった日の終値 |
| その月の平均 | 亡くなった月の終値の平均 |
| 前月の平均 | 亡くなった月の前月の終値の平均 |
| 前々月の平均 | 亡くなった月の前々月の終値の平均 |
例えば、亡くなった日の終値が1,000円、その月の平均が950円、前月の平均が980円、前々月の平均が1,020円なら、評価額は950円になります。

投資信託は、亡くなった日の基準価額をもとに、解約した場合の手取り額で評価するのが基本です。NISA口座で持っていた投資信託も同じように考えます。どの口座に何があるかは、証券会社から残高証明書を取ると確認できます。
『相場が下がった時に亡くなると評価も下がる』というのは、このためです。ただ、評価のタイミングは選べないので、これ自体を対策にするのは難しいと考えておきましょう。
株式や投資信託が多いと、評価額の計算や銘柄ごとの資料集めに手間がかかります。証券口座が複数ある方や、相続税がかかりそうな方は、評価と申告をまとめて税理士に相談しておくと安心です。
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株式・NISAでできる相続税対策
株式で相続税を減らす方法は、主に生前贈与です。亡くなる前に財産を移しておけば、そのぶん相続財産が減ります。
暦年贈与で少しずつ渡す
贈与税には、受け取る人ごとに年110万円の基礎控除があります。株そのものを贈与することも、現金を贈与して子や孫が自分のNISAで投資することもできます。
例えば、こんな会話が考えられます。「毎年、孫に少しずつお金を渡したいんだけど」「受け取った孫が自分のNISA口座で運用すれば、増えた分も孫の財産になるね」。
ただし、2024年1月1日以降の贈与は、相続開始前7年以内の分が相続財産に加算されます(段階的に延長)。孫など相続人でない人への贈与は、原則としてこの加算の対象外です。生前贈与の考え方は生前相続とはも参考にしてみてください。
相続時精算課税を使う
60歳以上の親から18歳以上の子・孫への贈与なら、相続時精算課税も選べます。累計2,500万円まで贈与税がかからず、2024年以降は年110万円の基礎控除もあります。
値上がりが期待できる株を早めに渡すと、相続時に加算されるのは贈与した時の価額になります。一方、一度選ぶと暦年課税に戻れません。詳しくは相続時精算課税制度とはで解説しています。
毎年同じ額を最初から約束して渡すと、まとめて贈与したとみなされるおそれがあります。贈与契約書を毎年作り、通帳や証券口座は受け取る人が自分で管理しておきましょう。
相続した株を売る時の税金
相続した株を売って利益が出ると、相続税とは別に所得税などがかかります。取得費や取得時期は、原則として亡くなった人から引き継ぎます。
相続税の申告期限の翌日から3年以内に売れば、払った相続税の一部を取得費に加えられる特例もあります。NISA口座から移した株は扱いが違う部分もあるので、売る前に金融機関や税理士に確認してみてください。
よくある質問
親のNISA口座は、そのまま子が引き継げますか?
引き継げません。NISAの非課税の枠は本人だけのものなので、中の株や投資信託は相続人の課税口座に移す手続きになります。
新NISAで買った投資信託も相続税の対象ですか?
対象です。亡くなった時点の評価額で、ほかの財産と合わせて相続税を計算します。
株と現金、贈与するならどちらがいいですか?
どちらも贈与税の基礎控除は年110万円で同じです。値上がりが見込める株を早めに渡すか、現金を渡して本人に運用してもらうかは、家族の状況で変わるので、税理士に相談してみてください。
まとめ
- NISAで非課税になるのは運用益の税金で、相続税は非課税にならない
- 上場株式は、相続開始日の終値と3か月分の月平均のうち最も低い価格で評価する
- 株式の相続税対策は、暦年贈与や相続時精算課税での生前贈与が中心
- 相続した株を売ると所得税などがかかり、3年以内なら取得費加算の特例もある






