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遺言で兄弟の一人が財産を多くもらい、遺留分を請求された。『この場合、相続税は誰が払うの?』と迷っている方も多いはずです。
結論から言うと、遺留分として受け取ったお金には、受け取った人に相続税がかかります。払った側は、その分だけ相続税が減ります。
この記事では、遺留分と相続税の関係と、申告のやり直し方を計算例つきで確認できます。
遺留分と相続税の関係は?先に結論
- 遺留分侵害額請求で受け取ったお金は、相続で取得した財産として相続税の対象になります。
- 払った人は、取得した財産がその分減るので、相続税も減ります。
- 申告後に遺留分の額が決まった時は、払った人は「更正の請求」、受け取った人は「修正申告」や「期限後申告」で直します。
- 家族全体で払う相続税の総額は、基本的に変わりません。変わるのは誰がいくら負担するかです。
遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に法律で保障された最低限の取り分のことです。詳しくは相続の遺留分とはで解説しています。
2019年7月1日以降の相続では、遺留分は金銭で請求する形になりました。これを遺留分侵害額請求といいます。
つまり、遺留分を請求された人は「財産の一部をお金で払う」ことになります。そのお金をもらった人は、相続で財産を取得したのと同じ扱いになるんです。
遺留分の相続税の計算はどうなる?計算例で確認
相続税は、遺産全体から総額を出して、実際にもらった割合で分ける仕組みです。だから遺留分の支払いがあると、割合が変わって各人の税額も変わります。
例えば、父が亡くなり、相続人は長男と次男の2人。遺産は1億円で、遺言で長男が全部を相続するケースで考えてみます。
次男の遺留分は、全体の遺留分1/2に法定相続分1/2をかけた1/4です。1億円の1/4なので、次男は長男に2,500万円を請求できます。

| 項目 | 遺留分の請求なし | 遺留分2,500万円を支払った後 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 4,200万円 | 4,200万円 |
| 相続税の総額 | 770万円 | 770万円 |
| 長男の取得額 | 1億円 | 7,500万円 |
| 長男の相続税 | 770万円 | 577.5万円 |
| 次男の取得額 | 0円 | 2,500万円 |
| 次男の相続税 | 0円 | 192.5万円 |
相続税の総額は、こう計算しています。1億円から基礎控除4,200万円を引いた5,800万円を、法定相続分どおり2,900万円ずつに分けます。
2,900万円は速算表で税率15%、控除額50万円です。1人385万円になり、2人分で770万円が総額です。
この770万円を、実際の取得割合で分けます。長男は75%で577.5万円、次男は25%で192.5万円です。
『遺留分を払ったうえに相続税まで…』と感じますよね。でも、ここが大事なところです。総額770万円は同じで、長男の負担の一部が次男に移るだけなんです。
遺留分が決まった時の相続税の申告はどうする?
申告期限までに遺留分が決まった場合
申告期限より前に遺留分の額が決まっていれば、話は簡単です。決まった金額を反映して、最初から申告すれば大丈夫です。
例の場合なら、長男は7,500万円、次男は2,500万円を取得したものとして、それぞれの税額を計算します。2人で1通の申告書にまとめて出すこともできます。
申告後に遺留分が決まった場合
『もう相続税の申告を済ませてしまった』という方もいますよね。遺留分の話し合いは長引くことが多いので、申告期限の10か月に間に合わないことも。
その場合は、ひとまず遺言どおりに申告しておき、遺留分の額が決まってから直します。
- 払った人(例では長男)は、相続税が減るので「更正の請求」をして払いすぎた税金を返してもらう
- 受け取った人(例では次男)は、相続税が増えるので「修正申告」をする。まだ申告していなければ「期限後申告」をする
- 払った人から更正の請求があると、受け取った人に税務署から連絡が来ることがある
更正の請求には期限があります。遺留分の額が確定したことを知った日から期限が数えられるので、決まったら早めに動いておきましょう。
具体的な期限や書き方は、国税庁のホームページで最新の情報を確認してみてください。
不動産で払った時は譲渡所得の税金にも注意
遺留分は原則お金で払いますが、話し合いで土地や建物を渡して清算することもあります。
実はこの場合、払った側が不動産を売ったのと同じ扱いになり、所得税がかかることがあるんです。お金で払うか、不動産で払うかは、税金も含めて考えておきましょう。
遺留分の請求があった、あるいは請求したいという段階なら、税金の計算と申告の直しまで税理士に任せると、やり取りの負担がぐっと減ります。
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よくある質問
遺留分として受け取ったお金に贈与税はかかりますか?
かかりません。遺留分侵害額請求で受け取ったお金は相続で取得した財産として扱われ、相続税の対象になります。
遺留分を払った人がすでに相続税を納めていたら、どうなりますか?
更正の請求をして認められれば、払いすぎた分の相続税が戻ってきます。受け取った人は、増えた分を修正申告などで納めます。
遺留分をもらっても、基礎控除以下なら申告はいりませんか?
遺産全体の課税価格が基礎控除以下なら、相続税はかからず申告も不要です。判断は遺産全体の金額で行う点に注意しておきましょう。
まとめ
- 遺留分として受け取ったお金には、受け取った人に相続税がかかる
- 払った人の相続税はその分減り、相続税の総額は基本的に変わらない
- 申告後に決まった時は、払った側は更正の請求、受け取った側は修正申告や期限後申告で直す
- 不動産で清算すると、払った側に譲渡所得の税金がかかることがある
遺留分のお金をどう払うか迷っている段階なら、遺留分侵害額請求とはもあわせて読んでおくと、流れがつかみやすくなります。





